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外気温が上昇するこの時期はカビの発生に注意が必要!コラム
外気温が上昇するこの時期はカビの発生に注意が必要!
外気温が上昇する季節になると、食品工場にとって非常に注意が必要な問題の一つが「カビ」の発生です。食品工場は、食品の残渣や水分が多く存在するため、カビなどの微生物が繁殖しやすい環境になりがちです。徹底した衛生管理を行っているつもりでも、食品にカビが生えてしまうことがあります。こういった状況を防ぐためには、汚染経路を特定し、適切な対策を講じることが大切です。
カビは目に見えないため、完全に防ぐのは難しいかもしれませんが、発生しやすいポイントを把握しておくことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。この記事では、食品工場で注意すべきカビの汚染経路や予防策について詳しく解説します。
カビの汚染経路
カビの汚染経路はさまざまな要因から考えられます。特に次のような原因が一般的です。
原材料の汚染
原材料に泥や土が付着している場合、土壌由来のカビが含まれていることがあります。また、包装資材(袋や箱)が汚れた状態で工場に持ち込まれることもカビのリスクを高めます。
空中に浮遊するカビの胞子
カビに汚染された粉末やホコリが工場内で飛散すると、それがカビの発生源となることがあります。特に粉末状の原材料を扱う工程では注意が必要です。
調理器具や作業員の手指を介した汚染
汚れた手や未消毒の器具を使用することで、食品や作業場にカビが広がる可能性があります。
エアコン内部の汚れ
エアコンのフィルターや吹き出し口が汚れていると、空気中にカビの胞子が混じってしまうことがあります。
昆虫の侵入
昆虫が外部から侵入し、その体に付着したカビが食品や作業環境を汚染することもあります。
カビをコントロールする方法
カビの弱点の一つは熱です。多くのカビは加熱することで死滅します。しかし、加熱処理を行ったからといって油断は禁物です。加熱後、包装前にカビが再度発生することもあるため、その間の工程にも注意を払う必要があります。
例えば、ある洋菓子製造工場でカビの汚染状況を調査した結果では、工場内に置かれた寒天培地を使用してカビの繁殖を確認しました。シャーレに寒天を入れ、一定時間工場内で蓋を開けてから25℃で5日間培養したところ、目に見えるカビが発生しました。これだけでも、対策が不十分だとカビが繁殖しやすい環境が作られてしまうことがわかります。
では、具体的にどのような対策を取るべきか、以下で解説します。
カビの発生を防ぐための具体的な対策
原材料や外装(袋・箱)に汚れが付着していないか確認する
原材料に泥や土が付着している場合は、製造現場に持ち込む前にしっかりと除去しましょう。汚れた外装も同様に、搬入時に確認を行い、必要に応じて拭き取りを行うことが重要です。
汚れた手で食品に触れていないか
作業員はこまめに手袋を交換し、手洗いやアルコール消毒を徹底しましょう。特に、異なる作業を行う際には、手指の消毒を怠らないことが大切です。
食品カスやホコリがたまっていないか
作業場所や設備の清掃を定期的に行いましょう。特に、ドアノブや棚の取っ手、機械の操作ボタンなど、頻繁に手が触れる場所は要注意です。1時間ごとの確認や、1日の作業が終わった後に徹底的な清掃を行うとよいでしょう。
エアコンは定期的に清掃されているか
エアコンの内部フィルターや吹き出し口を定期的に清掃し、カビの発生を防ぎましょう。特に梅雨時や湿度の高い時期には、頻繁な清掃が求められます。
作業区域の区分けが適切にされているか
原材料の保管場所(汚染区)、加熱場所(準清潔区)、加熱後の作業場(清潔区)をしっかりと区分けし、交差汚染が発生しないように動線を確保しましょう。ビニールカーテンやドア、パーテーションを使用して各エリアを物理的に仕切ると効果的です。
屋外からの風の流れを管理しているか
工場内の空気の流れもチェックポイントです。もし工場内が陰圧状態であれば、外部から汚れた空気が流れ込んでくる可能性があるため、定期的に空気の流れを確認し、必要に応じて対策を講じましょう。
天井や壁にカビの兆候がないか確認する
工場内の天井や壁に黒ずみ汚れがないかを定期的にチェックし、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを使って清掃を行いましょう。これにより、汚れからカビが落下するリスクを軽減できます。
食品製造現場用の靴で屋外に出ていないか
屋外で使用した靴で食品製造エリアに入ることは厳禁です。食品工場専用の靴を用意し、屋外と屋内の区分けを徹底しましょう。
まとめ
食品工場において、カビの発生は常に懸念されるリスクです。しかし、日常の作業環境や清掃を徹底することで、カビの発生を予防することは可能です。特に外気温が上昇する季節には、湿度や温度管理を徹底し、カビの繁殖条件をできるだけ排除することが重要です。適切な対策を講じ、食品の品質を守りましょう。
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