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食品衛生責任者とは?メリット・取得方法【食品工場の用語解説】


食品の安全は私たちの生活において重要な要素であり、食品の安全を守るためには適切な知識と衛生管理が不可欠です。食品の安全を担うのに必要な資格が、「食品衛生責任者」です。「食品衛生責任者」は食品取扱施設で衛生管理を指揮し、食品衛生法に基づく基準を遵守するために設けられた資格です。この記事では、食品衛生責任者とは何か、メリット、資格の取得方法について解説します。

食品衛生責任者とは?

食品衛生責任者とは、飲食店を含め食品に関わるほとんどの施設で必要とされ、食品取扱施設で衛生管理を指揮する重要な役職であり、食品衛生法に基づいて規定された基準を遵守するための資格です。


食品衛生法の改正に伴い、2021年6月1日から、許可や届出の対象となる施設においては、原則として食品衛生責任者を配置することが義務付けられました。食品衛生責任者は、最新の情報や知識を学ぶため、定期的に開催される講習会に参加し、継続的な学習を行うことが求められています。


取得に年齢制限がある

食品衛生責任者講習に参加するための資格は、学歴や職歴を問わず、基本的に誰でも受講可能です。ただし、自治体によっては年齢に制限があり、15歳以上または17歳以上といった条件を設けている場所もあります。


一方で、現役の高校生が受講できないとする自治体や、高校生を含む学生が食品衛生責任者として即座に勤務する必要がある場合に限り受講を許可する自治体など、様々な規定が存在します。そのため、申し込みをする前に、自分が居住する自治体の具体的な受講条件を確認することが重要です。

有効期限や更新がない

食品衛生責任者の資格には有効期限が設けられておらず、一度取得すれば更新の必要がなく永続的に有効です。しかし、食品衛生法では、食品事業者が自己の責任で販売する食品の安全性を保つために必要な知識を継続的に学ぶことが規定されています。


この精神に基づき、多くの自治体では食品衛生責任者を対象にした「食品衛生責任者実務者講習会」を定期的に開催しており、事業者に対しては食品衛生責任者が講習会に参加することを奨励しています。


そのため、食品の安全と衛生を確保し続けるためには、食品衛生責任者が実務者講習会への参加を検討することが推奨されます。

紛失したら再発行が必要

食品衛生責任者の証明書や修了証が紛失した際には、再発行を受けるために証明書の番号が求められます。事前にこの番号を別の場所にメモしておくことで、紛失した際の手続きがスムーズに行えます。

食品衛生責任者と食品衛生管理者の違いとは?

「食品衛生責任者」と「食品衛生管理者」は、名前は似ていますが、それぞれ異なる資格を指します。食品衛生管理者は、衛生管理が特に重要視される肉、魚、乳製品などの食品を製造する場合に必要な資格です。食品衛生法に基づき、食品製造・加工事業者は、各施設において専任の食品衛生管理者を配置する義務があります。


一方、食品衛生責任者は、特定の講習を受講することで取得可能な資格であり、比較的入手しやすいです。しかし、食品衛生管理者の資格はより専門的で、国家資格として厚生労働省が認定するため、取得可能な者は限定され、難易度も高くなります。


食品衛生責任者のメリット

衛生管理が適切にできる

食品衛生責任者の資格を取得すると、施設における衛生管理を専門知識をもとに適切に実施することが可能になります。具体的には、施設内外の清掃を徹底し、害虫の駆除を効果的に行うことができるようになります。


さらに、使用する原材料の品質・鮮度、表示の確認・管理、製造・食品の安全性確認の細菌検査・食品添加物検査も適切に実施できるようになり、食品の安全と衛生を高いレベルで保つことができます。

従業員の衛生教育ができる

食品衛生責任者としては、従業員に対する衛生教育も適切に実施することが可能です。これには、講習会の開催のほか、日々の業務での手洗いや消毒方法の実践的な指導、作業を始める前の服装の確認といった具体的な作業などがあります。これらの活動を通じて、従業員の衛生意識の向上と安全な食品取り扱いの確保ができるでしょう。


従業員の健康管理ができる

食品衛生責任者は従業員の健康管理においても重要な役割を果たします。従業員が腹痛や下痢、発熱、化膿性の傷などの症状を示した場合、食品に直接触れる作業から離れた部署への配置転換などの措置を取ります。


さらに、食中毒を引き起こす可能性のある細菌に対する定期的な便検査を実施することで、従業員の健康を守りながら食品の安全性を確保することができます。

食品衛生責任者の資格の取得方法

特定の資格を持つ人は自動的に取得可能

食品衛生監視員や食品衛生管理者など特定の資格を持っている人は、自動的に食品衛生責任者の資格を得ることが可能です。


以下の資格を持つ人々は追加の講習を受ける必要なく食品衛生責任者となれます


・調理師

・製菓衛生師

・栄養士

・船舶料理士

・と畜場法に規定する衛生管理責任者

・と畜場法に規定する作業衛生責任者

・食鳥処理衛生管理者

・食品衛生管理者・食品衛生監視員の資格要件を満たす者


これらの資格がない場合でも、食品衛生責任者講習に参加し、その講習を完了することで資格を取得することができます。

食品衛生責任者講習の受講方法は地域によって異なる

食品衛生責任者講習の受け方と申し込み方法は地域によって違いますので、住んでいる地域の自治体が提供する情報を確認する必要があります。例えば、東京都では一般社団法人東京都食品衛生協会が講習の申し込みを受け付けています。


受講形式には、直接会場に行って受講するオフライン形式と、オンラインで受講するeラーニング形式があります。オフラインでは、指定された会場での一日講習を完了すると修了証を受け取れます。eラーニングでは、自宅などからインターネットを通じて講習内容を学び、所定の期間内に講習を完了すると修了証が発行されます。

オンラインで講習を受講する場合、修了証の発行に数日を要することがあるため、修了証が必要となる日に間に合わせるためには、余裕を持った計画で受講を進めることが望ましいです。


どちらの受講方法を選ぶかは、個人の状況や好みに応じて選べます。各自治体の提供する情報をもとに、最適な講習方法を選択しましょう。

食品衛生責任者講習の受講費用

受講料は都道府県によって異なりますが、大体1万円前後となります。

東京都の一般社団法人東京都食品衛生協会では、12,000円となります。内訳として、受講料10,000円、教材費等2,000円となっています。

食品衛生責任者講習の受講内容

食品衛生責任者になるためには、以下の計6時間程度(テスト含む)の養成講習会を受講します。講習会終了時に修了証が交付されます。

食品衛生学(2時間30分)

・食中毒、健康被害や食品事故の原因(微生物・自然毒・化学物質・汚染物質、異物など)。

・食中毒の発生を防ぐための基本的な対応。

公衆衛生学(30分)

・環境衛生や労働衛生など。


食品衛生法(3時間)

・食品衛生法の概要。

・自主的な衛生管理。(営業者の責務、一般衛生管理やHACCPに沿った衛生管理の基準など)

・自主回収の報告制度について。

・許可、届出、施設基準に関する営業規制。

・その他、食品衛生に関連する法律や規制など。

確認テスト

・講義内容の理解と知識の習得状況を評価するためのテスト。

まとめ

食品衛生責任者とは?

食品衛生責任者とは、飲食店を含め食品に関わるほとんどの施設で必要とされ、食品取扱施設で衛生管理を指揮する重要な役職であり、食品衛生法に基づいて規定された基準を遵守するための資格です。


・取得に年齢制限がある

・有効期限や更新がない

・紛失したら再発行が必要


食品衛生責任者と食品衛生管理者の違いとは?

食品衛生管理者と違い、食品衛生管理者は衛生管理が特に重要視される肉、魚、乳製品などの食品を製造する場合に必要な資格です。


食品衛生責任者のメリット

・衛生管理が適切にできる

・従業員の衛生教育ができる

・従業員の健康管理ができる


食品衛生責任者の資格の取得方法

・特定の資格を持つ人は自動的に取得可能

・食品衛生責任者講習の受講方法は地域によって異なる

・食品衛生責任者講習の受講費用は1万円前後


食品衛生責任者講習の受講内容

・食品衛生学(2時間30分)

・公衆衛生学(30分)

・食品衛生法(3時間)

・確認テスト


この記事では、食品衛生責任者とは何か、メリット、資格の取得方法について解説しました。食品衛生責任者を取得することで、食品取扱施設における衛生管理の水準を高め、消費者に安全な食品を提供することが可能となるでしょう。


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