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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?【食品工場の用語解説】コラム


近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)への関心が高まり、会社での意識の変革が促されています。この記事ではDXとは何か、DXが重要視されている理由、DXとIT化との違い、DXの課題を解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がAIやIoTなのデジタル技術やビッグデータを駆使し、業務プロセスを向上させることに留まらず、製品やサービス、さらにはビジネスモデル自体を一新し、組織や企業文化、風土を刷新することで、市場での競争力を強化する戦略です。つまり、DXは企業がデジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを根本的に改革する取り組みです。


英語では「Digital Transformation」と表記されるため、DXという略称で呼ばれます。「DX」という略称は、英語圏における「Trans」を「X」と略す慣用から来ており、単に頭文字を取る「DT」とは異なります。


ITとデジタル技術の進化は、未だかつてない新たな価値を生み出し続けています。これは単に生産性の向上やコスト削減を超え、顧客や社会の要求に応える新しい体験価値や、人々、物、金融、情報が繋がることで見えてくる革新的な発見や市場の機会を含んでいます。


これらの技術は、個々のライフスタイルから全産業の構造に至るまで、社会を変革する力を持っています。変動が激しいビジネス環境に適応するため、企業は情報(データ)を戦略的資源として活用し、顧客に提供する価値の再定義と、新しい組織能力の開発を通じて、自身の変革を迫られているといえるでしょう。

DXの定義

DXの本質は、デジタル技術を活用して社会全体を変革し、人々の生活を向上させることにあります。この概念は、ビジネス界に限らず、より広い社会的文脈において重要な意味を持っています。エリック・ストルターマン教授によって2004年に提唱されたこの概念は、「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにする」というビジョンに基づいているのです。


DXは、「デジタル変革」と直訳されることが多いですが、その影響は単なる変革を超え、「デジタル・ディスラプション」とも呼ばれる破壊的な変革を指します。これは、デジタル技術によって既存の価値観や業務の枠組みを根本から覆し、革新的なイノベーションを生み出すことを意味しています。ビジネスの文脈では、これが企業の製品、サービス、ビジネスモデル、さらには業界全体の再定義につながることがあります。


このように、DXは技術の進歩を単に取り入れること以上の意味を持ち、社会や経済における根本的な変化を促す動きとして捉えられています。企業や組織にとって、DXは単に新しいテクノロジーを導入することではなく、これらのテクノロジーを使って、顧客に新たな価値を提供し、持続可能な成長を達成する新しい方法を模索するプロセスです。社会全体においても、DXは人々の生活の質を高め、より持続可能な未来を実現するための鍵となり得ます。


DXが重要視されている理由

DXがこれほどまでに重要視されている背景には、2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の世界的流行、頻発する大規模自然災害、そして世界各地で高まる地政学的リスクなど、不確実性が増大している現代社会の状況があります。これらの要因は、企業や組織に前例のない種類の挑戦をもたらしており、単に既存の競合との戦いではなく、業界の枠組みを変え、従来のビジネスモデルを根本から覆す「破壊的イノベーター」の出現により、ビジネスのルール自体が再定義されています。


このような環境下では、企業が生き残り、かつ競争で優位に立つためには、従来のビジネスモデルやサービスを単純に改善するだけでは不十分です。根本的な変革、すなわち、ビジネスプロセス、製品やサービスの提供方法、さらにはビジネスモデル自体の革新が求められます。この変革を実現するための鍵がDXです。DXを通じて、企業はデジタル技術を最大限に活用し、変化する市場ニーズに迅速に対応し、未来のリスクに備えることが可能になります。


加えて、近年のSDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりに伴い、企業には経済的な成功だけでなく、社会的な課題の解決への貢献も求められています。DXは、これらの社会的課題への対応を可能にする新たなソリューションやビジネスモデルを創出し、業界や業種の垣根を越えた社会全体への貢献を実現するための強力なツールとなり得ます。このように、DXは単に技術的な進歩を意味するのではなく、社会的責任と経済的成功を両立させる企業戦略の核心として位置づけられているのです。


DXとIT化との違い

これまでのIT化は主に内向きに集中していました。具体的には、企業内の業務効率化、コスト削減、品質向上といった目標達成にITを利用することが中心でした。このアプローチでは、業務プロセスの自動化(例えば、承認プロセスのデジタル化や売上管理の自動化など)を通じて、既存の業務をより効率的に行う方法を模索します。IT化のこの段階では、基本的に既存の業務やプロセスの最適化が目的とされており、企業内部のユーザーや業務に焦点を当てています。


一方で、DXはより広範囲に及びます。DXは企業が外部に目を向け、顧客や取引先を含めた広範な利害関係者に対して、新しいビジネスモデルやサービスを創出し、提供することを目指します。この過程では、デジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスプロセス自体を根本から見直し、革新することに重点が置かれます。DXの目標は、既存の業務プロセスの効率化を超え、新しい市場機会の創出、顧客体験の向上、そして最終的には企業の持続可能な成長と競争力の強化にあります。


要するに、IT化は「既存業務の効率化」に重点を置き、主に企業内部に焦点を当てた改善活動です。対照的に、DXは「事業創発と業務変革」を目的とし、社内外の幅広い関係者との関係を再構築し、企業全体の変革を目指すより野心的なアプローチです。これにより、企業はデジタル時代における新しい価値創出と成長の機会を追求します。

DXの課題


国内企業のDX推進に関する現状と課題は、いくつかの重要な点で注目されています。多くの企業がDXの必要性を認識しているものの、その実践においては大きな障壁に直面しています。ビジネスモデルや組織構造の根本的な変革に至っていないのが実情です。

「2025年の崖」問題

経済産業省が指摘する「2025年の崖」問題では、既存システムの問題を解決しなければ、2025年以降、毎年最大12兆円の経済損失が発生する可能性があると警告しています。これは、古いシステムの更新や統合の遅れがDXの大きな障害となっていることを示しており、企業はこの技術的な債務に対処する必要があります。

世界デジタル競争力ランキングが低い

スイスの国際経営開発研究所(IMD)による世界デジタル競争力ランキングでは、日本が63カ国中27位と、デジタル技術の活用において主要国に後れを取っています。特に「デジタル技術を使える人材」や「デジタル技術をいかに迅速に活用できるか(ビジネスアジリティ)」の項目での評価は低く、これは企業がデジタル化を進める上での大きな課題となっています。

組織全体の連携が必要

DXを推進するには、単に技術の導入だけでは不十分です。経営幹部、事業部門、情報システム部門などが一体となり、共通の目標に向かって取り組むことが必要です。これには、データやデジタル技術を活用してどのような新しい価値を創出するかについての共通認識の構築が含まれます。また、ビジネスアジリティを高め、デジタル人材を育成・獲得するための戦略も重要です。



国内企業におけるDX推進の課題は多岐にわたりますが、これらを克服するためには、組織全体での共通認識の形成と、経営層からの強力なリーダーシップが求められます。また、古いシステムの更新、ビジネスアジリティの向上、デジタル人材の確保と育成に対する明確な戦略と実行計画が不可欠です。これらの取り組みを通じて、日本企業はDXを成功させ、国際競争力を高めることが可能になります。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXは企業がデジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを根本的に改革する取り組みです。


この記事ではDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か、DXが重要視されている理由、DXとIT化との違い、DXの課題を解説しました。DXとは何かを理解し、自社でもDXを推進していきましょう。


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