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SSOP(衛生標準作業手順)とは?【食品工場の用語解説】コラム


食品工場で働くすべての人にとって、衛生管理は最優先事項です。食品の安全性を保証し、消費者に安心を提供するため、SSOP(衛生標準作業手順)は食品製造過程における衛生管理の基礎を固めるために必要です。

この記事ではSSOP(衛生標準作業手順)とは何か、SSOPの対象項目を解説します。

SSOP(衛生標準作業手順)とは?


SSOP(衛生標準作業手順)(エスエスオーピー)は、一般衛生管理プログラムを効果的に実施するためのガイドラインです。これはHACCPの運用の基盤として機能し、「誰が・いつ・どの場所で・何を・どのように」行うべきかを明確に定義し、食品製造過程における異物混入などのリスクを最小限に抑える目的を持っています。


SSOP(衛生標準作業手順)は英語の、Sanitation Standard Operating Proceduresの略称です。Sanitation(サニテーション)は衛生、Standard(スタンダード)は標準、Operating(オペレーティング)は作業、Procedures(プロシージャ)は手順という意味になります。

SSOPの文書化

SSOP(衛生標準作業手順)の遵守には、その手順を明確に文書化することが必須です。これは、作業員が現場で直ちに手順を参照し、業務を正確に実行できるようにするためです。文書化に際しては、情報を単にテキストで伝えるだけでなく、図表やイラストを使用して視覚的に理解しやすくすることが推奨されます。重要なのは、「全員が同一の解釈をすること」であり、誤解を招くような曖昧な表現は避けるべきです。


SSOPは単なる手順書ではなく、その目的と重要性を作業員全体に共有することが重要です。作業員がSSOPの内容を十分に理解していない場合、業務に対する満足度が低下し、結果的に衛生管理の質が低下するリスクがあります。全員がSSOPの内容を理解し、自らの業務に取り組むためには、SSOPの作成初期段階から作業員の参加を促し、共同で内容を練り上げていくことが非常に有効です。作業員が自ら関与することで、手順の重要性をより深く理解し、現場での実践においても積極的な態度が期待できます。


また、SSOPの導入後も定期的に見直しを行い、現場のフィードバックを反映させることが重要です。これにより、常に現場の状況に即した実効性のある手順書を維持することができます。教育・訓練の一環として、定期的な説明会やワークショップを開催し、SSOPの内容やその重要性について再確認する場を設けることも有効です。


さらに、SSOPがもたらす効果や成功事例を共有することで、従業員のモチベーションを高めることができます。具体的な成果が見えることで、従業員は自分たちの努力が実を結んでいることを実感し、さらなる改善に向けて意欲的に取り組むことができるようになります。全員が一丸となってSSOPを遵守し、実践することで、食品の安全性と品質を高め、消費者の信頼を獲得することができます。


このように、SSOPの文書化と共有は、単なる手順の伝達にとどまらず、その目的と重要性を全員が深く理解し、日常業務において確実に実践するための基盤となります。従業員の参加を促し、教育・訓練を継続的に行うことで、食品工場全体の衛生管理レベルを向上させ、持続可能な発展を支えることができるでしょう。

SSOPの点検と管理

SSOP(衛生標準作業手順)に基づいた衛生管理プログラムを実施する際、点検と管理の記録が見過ごされがちです。特に、冷蔵庫の温度チェックは疎かにされやすい点検項目の一つです。しかし、HACCP(危害分析重要管理点)の実践においても、正確な記録保持は非常に重要です。HACCPでは、各工程における危害要因を特定し、それを管理するための重要な管理点を設定します。そのため、温度管理や清掃・消毒の実施状況、製造環境の状態などを正確に記録することが求められます。これにより、異常が発生した際に迅速に対応でき、トラブルを未然に防ぐことが可能となります。


作業員が点検・管理を日常の習慣として身につけることが重要であり、そのためには初期段階からの注意が必要です。新しい従業員に対する適切なトレーニングの実施や、定期的な教育・訓練を通じて従業員の意識を高めることが求められます。点検と管理を日常業務の一部として習慣化することで、食品の安全性と品質を維持し、消費者の信頼を得ることができます。

SSOPの対象項目

SSOPの対象項目には、食品製造施設の全体的な衛生管理と保守を強化するための幅広い領域が含まれます。これらの項目は、製造環境を清潔に保ち、食品の安全性を確保するために必要です。

SSOP対象項目① 施設設備の衛生管理


施設設備関連の衛生管理は、食品製造施設での衛生と安全を維持するために不可欠です。特に、有害微生物の汚染防止、異物混入の防止、および外部からの害虫の進入防止を目的として、施設内の清掃と保守点検は重要な役割を果たします。食品残留物や汚れは、細菌や昆虫、ねずみなどにとって重要な栄養源となりうるため、これらを効果的に管理することが必要です。


SSOP対象項目② 従事者の衛生教育


衛生管理の教育は、パートタイマーやアルバイトスタッフを含む全ての従業員を対象に行います。詳細なマニュアルの提供だけでは十分ではなく、清潔さを保つ理由と衛生管理の必要性について、従業員一人ひとりが深く理解していることが重要です。この理解を基に、衛生的な行動を自然と取り入れることが、効果的な衛生管理を実現するためには不可欠です。


SSOP対象項目③ 施設設備・機械器具の保守点検


不完全な洗浄や消毒により、機械や器具に残った汚れは細菌の増殖を促進します。これら汚染された道具を使用することで、細菌は食品間で移動し、二次汚染を引き起こすリスクが生じます。このリスクを避けるには、使用後の機械や器具を正確に洗浄し、適切に消毒する必要があります。機械や器具には分解可能なものとそうでないものが存在し、それぞれの素材や特性に応じた洗浄および消毒方法の選定が重要です。


SSOP対象項目④ ねずみ・昆虫の防除


ねずみやハエ、ゴキブリなどの衛生害虫は、多種多様な有害細菌を体内に持ち、その活動により食品を直接汚染するだけでなく、施設全体に汚染を広げる可能性があります。製品にこれらの害虫が混入することは、消費者からの苦情の主な原因となり得ます。このため、ねずみや害虫の発生を事前に把握し、彼らが生息・繁殖できないような環境を維持することが、汚染や異物混入を防ぐ上で重要です。


SSOP対象項目⑤ 使用水の衛生管理


水道水を貯水槽で一時的に保管したり、水道水以外の水源(井戸水など)を利用する場合は、定期的な点検と年に最低一度の水質検査が不可欠です。また、水道水を利用する際にも、供給される水の状態を定期的に自身で確認することが重要です。


SSOP対象項目⑥ 排水及び廃棄物の衛生管理


不適切な排水や廃棄物の処理は、調理場における細菌の繁殖や害虫の増加を促進し、結果として食品の汚染や異物混入のリスクを高めます。さらに、施設外への排水、排煙の臭気、騒音への対策が不十分な場合、地域住民からの苦情に繋がる可能性があります。


排水や廃棄物の管理にあたっては、油の下水流入防止、廃棄物の分別・リサイクルの推進など、環境への影響を最小限に抑える措置が求められます。廃棄物からの悪臭や汚れた液体の漏れは衛生状態の悪化を招くため、迅速な処理と処理後の清掃を徹底することが重要です。


SSOP対象項目⑦ 従事者の衛生管理


食中毒のケースでは、調理スタッフから患者に検出されたのと同種の食中毒菌が見つかることがあります。このように、調理従事者が食中毒菌に感染している場合、食品を調理する過程でそれを汚染してしまうリスクがあります。従って、従業員が食品を汚染することがないように、定期的な健康診断や便検査を含む健康管理の徹底が必須です。


SSOP対象項目⑧ 食品等の衛生的な取扱い


原材料の受け入れから保管、調理、配缶、配送、さらには食器類の洗浄および保管に至るまで、品質維持と食中毒菌の増殖を防ぐためには、各工程での厳格な衛生管理が必要です。これにより、有害微生物による汚染や異物混入を予防し、万が一事故が発生した場合にはその原因を迅速に究明できる体制を整えることが求められます。


SSOP対象項目⑨ 製品の回収方法の設定(事故発生時の対応)


消費者からの苦情には、広範な健康被害を引き起こす可能性があるものも含まれています。そのため、苦情が寄せられた際には、その原因を迅速に究明し、被害の拡大を防ぐための対策を即座に講じる必要があります。

このプロセスに遅れが生じれば、迅速な対応が難しくなり、さらなる被害の拡大を招く恐れがあります。また、対応履歴の記録を残すことで、再発防止策の検討や対応の正当性を後に証明することが可能になります。


消費者からの苦情の中には、「店舗の対応が不十分だ」という内容も少なくありません。苦情を受けた時には、消費者も従業員も感情的になりがちですが、事態を悪化させないためにも、冷静で誠実な対応が求められます。

そのためにも、苦情受付時のマニュアルを事前に準備しておくことが重要です。このマニュアルにより、どのような状況でも適切な対応ができる体制を整えることができます。


SSOP対象項目⑩ 製品等の試験検査に用いる設備等の保守管理


食品製造過程で使用される測定機器および検査機器は、製品の品質と安全性を保証する上で不可欠です。これらの機器の正確性と信頼性を維持するために、定期的な校正、維持、および管理のプロセスを厳格に規定します。これにより、測定値の誤差を最小限に抑え、製品が安全規格および品質基準を満たしていることを確実にすることができます。


まとめ

SSOPとは?

SSOP(衛生標準作業手順)(エスエスオーピー)は、一般衛生管理プログラムを効果的に実施するためのガイドラインです。


SSOPの対象項目

SSOP対象項目① 施設設備の衛生管理

SSOP対象項目② 従事者の衛生教育

SSOP対象項目③ 施設設備・機械器具の保守点検

SSOP対象項目④ ねずみ・昆虫の防除

SSOP対象項目⑤ 使用水の衛生管理

SSOP対象項目⑥ 排水及び廃棄物の衛生管理

SSOP対象項目⑦ 従事者の衛生管理

SSOP対象項目⑧ 食品等の衛生的な取扱い

SSOP対象項目⑨ 製品の回収方法の設定(事故発生時の対応)

SSOP対象項目⑩ 製品等の試験検査に用いる設備等の保守管理


この記事ではSSOP(衛生標準作業手順)とは何か、SSOPの対象項目を解説しました。SSOPは、食品工場における衛生管理を体系的に行うための極めて重要な手順書です。食品の安全性を確保し、高品質な製品を提供するための基盤を形成します。SSOPの実施により、食品工場全体の衛生レベルが向上し、結果として消費者の信頼を得ることができます。


SSOPの実施は、食品工場におけるトラブルやクレームの減少にもつながり、結果としてコスト削減にも寄与します。徹底した衛生管理は、従業員の働きやすさやモチベーションの向上にもつながり、生産性の向上にも大きく貢献します。


SSOPの導入と実施は、食品工場における持続可能な発展を支える重要な要素です。食品工場で働くすべての人が協力し、SSOPを徹底することで、消費者の信頼を獲得し、企業のブランド価値を高めることができます。これにより、食品工場は安全で高品質な製品を安定的に供給し続けることができ、ひいては企業の成長と発展を促進することができるでしょう。



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