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食品工場自動化導入におけるROIを徹底解説コラム
今回は食品工場におけるROIについて徹底解説していきます。
食品工場自動化導入におけるROI
食品工場において、新たな事業の設備投資や自動化プロジェクトを進める際に、その効果を正確に評価するための情報や指標が重要です。特に、ROI(Return on Investment)は、投資した資金がどれだけ利益を生み出すかを計るための基本的な経営指標として広く使われています。本記事では、ROIの基本的な計算方法と、食品工場における具体的な事例を通して、どのようにこの指標を活用すればよいかを解説します。
ROIとは
ROIは、投資によって得られた利益を投資額で割ったもので、投資の成果を示すための指標です。
「ROIがどの程度であればいい投資なのか」などの判断は業種や商材によって大きく変わります。 そのため、ROIの明確な平均値・基準値などはなく、あくまで一指標でしかないということを意識しましょう。
計算方法
ROI (%) = (利益 - 投資額) ÷ 投資額 × 100
例:ある設備に1,000万円の投資をし、年間で1,500万円の利益を得た場合、ROIは次のように計算されます
ROI = (1,500万円 - 1,000万円) ÷ 1,000万円 × 100 = 50%
この場合、投資に対して50%のリターンがあったことを意味します。
食品工場におけるROIの計算の重要性
食品工場においてROIを計算することは、設備投資や自動化の導入がどれだけの利益をもたらすかを定量的に把握するために重要です。食品業界では、原材料費、労働力コスト、エネルギーコストなど、多くの経費がかかるため、どのような投資が効率的かを判断する指標が必要です。
一部の企業にとって、自動化への移行はとても大変な仕事のように見えるかもしれません。とりあえず最初の一歩は、社内の課題を洗い出すことです。多くの場合、次のことなどが課題に挙げられます。
食品工場特有の課題
●社内に技術部門がない
●反復的な手作業
●予算が限られている
●安全な労働環境の維持
●スペースが限られている
●他品種少量生産
食品工場特有の投資項目
●自動化設備:包装機械、検査装置、パレタイズシステムなど。
●ITシステム:生産管理システムや在庫管理システムの導入。
●省エネ設備:エネルギー効率の高い冷凍装置や照明。
食品工場の自動化プロジェクトにおけるROI事例
事例1:包装機械の導入による労働力削減
ある食品工場では、従来手作業で行っていた包装作業を自動化するために、2,000万円を投じて最新の包装機械を導入しました。この結果、包装作業にかかる人件費が年間1,000万円削減され、加えて包装効率の向上により製品出荷量が10%増加しました。これにより、追加の利益として年間500万円が得られました。
ROIの計算
投資額:2,000万円
年間コスト削減額:1,000万円
年間利益増加額:500万円
合計利益:1,500万円
ROI = (1,500万円 - 2,000万円) ÷ 2,000万円 × 100 = -25%
この結果を見ると、初年度のROIはマイナスとなりますが、このプロジェクトは単年度ではなく、長期的な視点で見た場合に投資以上に回収が期待できるものです。例えば、次年度以降は投資額が0円となるため、コスト削減額と利益増加額がそのままリターンとなります。
事例2:省エネ冷凍機導入によるエネルギーコスト削減
次に、ある冷凍食品を扱う工場では、年間エネルギーコストが非常に高く、そのコストを削減するためにエネルギー効率の高い冷凍機を導入しました。この投資には、1,500万円がかかり、導入後に年間のエネルギーコストが500万円削減されました。
ROIの計算
投資額:1,500万円
年間コスト削減額:500万円
合計利益:500万円
ROI = (500万円 - 1,500万円) ÷ 1,500万円 × 100 = -66.7%
この場合も、初年度はマイナスのROIですが、3年目には投資額を回収し、それ以降は削減されたエネルギーコストがそのまま利益となります。長期的な視点では非常に高いROIが期待されます。
ROIの向上に向けた戦略
1. 初期投資額の最適化
自動化や新技術の導入は初期投資が高額になり、リスクと捉えられることがありますが、適切なベンダーの選定や導入機器の仕様を最適化することで、初期コストを抑えることができます。例えば、カスタマイズが不要な標準仕様の機器を選ぶことで、コストを削減できます。
2. 効果的なメンテナンス
設備の故障やトラブルを最小限に抑えるために、定期的なメンテナンスや点検を行うことで、予期せぬダウンタイムを防ぎ、ROIの低下を防ぐことができます。特に食品工場では、品質管理が厳しく求められるため、安定した生産を維持するために、機械のメンテナンスは非常に重要です。
3. 生産性向上の工夫
自動化だけではなく、工場全体のプロセス改善や従業員のトレーニングを通じて、生産効率を向上させることがROI向上につながります。例えば、KYT(危険予知訓練)を活用した安全対策や、5S活動を通じて作業環境を整えることで、無駄な時間やコストを削減することができます。
ROI計算時の注意点
・間接的な効果:例えば、従業員の労働環境の改善によるモチベーション向上や、品質向上によるクレーム削減など、ROIにすぐには反映されない効果も考慮することが重要です。
・長期的視点:短期的なROIだけでなく、5年後、10年後のROIを見据えた判断が必要です。特に食品工場関連の設備投資は、長期的な視野を持って計画を立てるべきです。
まとめ
食品工場におけるROIは、経営判断を行う上で売上増加を含めた非常に重要な指標です。自動化や新技術の導入、エネルギー効率の改善など、さまざまな施策を通じてコスト削減や利益増加を図るため、ROIの分析は欠かせません。ROIを適切に計算し、事前に投資効果を予測することで、より効率的で利益を生む工場運営を実現することが可能です。
また、製品を受け渡す反復的な手作業が多い食品工場は、従業員の激しい入れ替わりや品質問題につながる可能性があります。反復作業は自動化の格好のターゲットですが、新しく自動化設備を導入するには製造スペースや予算の制限もあるでしょう。多くの食品製造会社は多品種少量生産や季節による生産量の波にも対応しなければならず、ロボットプログラマーでもなければ従来の自動化ではコスト効果を得ることができません。たとえ作業の一部を自動化できたとしても、従業員に安全な労働環境を確保できるかという問題が残ります。
ほとんどの食品メーカーにとって、自動化を真っ先に考えるのが製品の包装です。これは業績向上にもつながります。ところが、実際に自動化を始めると、最適化できそうな工程がもっといろいろあることが見えてきます。
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