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ロボットを選ぶ時の注意点と防水・防塵性能IPコードコラム
【解説】防水・防塵性能を表すIPコードとは?規格の読み方や、ロボットを選ぶときの注意点などを説明します。
ロボットを選ぶ時の注意点と防水・防塵性能IPコード
「IP〇〇」という表記は、「IP(International Protection)」コードと呼ばれ、2003年に国際電気標準会議で定められた、精密機器の水や固形物に対する保護性能を表しています。
この「IP」コードは、防水・防塵の両方を表記する場合と、それぞれ一方の性能のみを表記する場合の2通りがあります。
IPコードの構成と読み方
IPコードは「IP」の文字の後ろに2つの数字が続き、前の数字が防塵性能の等級を、後ろの数字が防水性能の等級を表します。つまり、図のように「IP68」と書かれていた場合、その製品は6級の防塵性能と8級の防水性能を備えていることを示します。
防水等級について
防水等級(IPX)は、0から8までの9段階にわけられる。それぞれに定められた保護内容とテスト方法は以下のようになっている。なお、テストで用いられる水は常温の水道水を用い、テスト後に機器として正常動作することが前提です。
防塵等級について
食品工場における配膳ロボットの導入
配膳ロボットは、食材や料理を運ぶためにレストランで使用されることが一般的ですが、その技術は食品工場においても資材や食材の運搬システムとして応用されています。この技術の開発により、自動化が進み、指定された場所へ効率的に物を運ぶことが可能になりました。これにより、作業の自動化と効率化が実現します。
食品工場における配膳ロボットの導入過程では、防塵・防水性能が非常に重要な要素となります。衛生管理が厳格な食品工場では、塵や水分が混入することを防止するため、配膳ロボットの選定や運用に際して以下のポイントに対応する必要があります。
1. 防塵・防水規格の確認
食品工場で使用される配膳ロボットは、IP規格(International Protection、国際防護等級)によって定められる防塵・防水性能を満たす必要があります。IP規格では、最初の数字が防塵性能、二番目の数字が防水性能を示します。食品工場では一般的に以下のレベルが求められます。
●防塵性能(IP6X以上):完全に粉塵が内部に入らないことを示す。
●防水性能(IPX5以上):あらゆる方向からの水の噴射に耐えることができる。
これにより、製造工程で発生する粉塵や水分からロボットを保護し、衛生基準を満たすことができます。
2. 防塵対策
食品加工エリアでは、粉状の食材や調味料などが飛散することがあり、ロボット内部に塵が侵入すると故障や衛生問題につながります。防塵対策としては以下の取り組みが必要です。
●密閉構造の採用:ロボットの駆動部や制御部が完全に密閉され、塵が内部に入り込まない設計を選ぶ。
●フィルター装備:外部からの空気の取り込み口などに高性能フィルターを装備し、塵や異物の侵入を防ぐ。
3. 防水対策
食品工場では、清掃や洗浄の過程で水を大量に使用することが多く、ロボットが濡れるリスクがあります。特に衛生管理のために機械の洗浄が日常的に行われるため、防水性は重要です。主な対策としては以下の点が挙げられます。
●防水シール:ロボットの接合部や電気系統の配線部分に防水シールを施し、水が侵入しない構造にする。
●排水設計:ロボット本体に水がかかっても、内部に浸透せずに排出されるような設計(排水口や傾斜)を考慮。
●防水コーティング:電子部品やモーター部分に防水コーティングを施し、水濡れによるショートや腐食を防ぐ。
4. メンテナンスと清掃
食品工場の衛生基準に従い、ロボット自体の清掃やメンテナンスが必要です。防塵・防水性能が高くても、清掃が行いやすい設計であることが求められます。例えば、外装が簡単に取り外せる、もしくは洗浄液での拭き取りがしやすい素材が使用されていることが理想です。
5. 実際の導入プロセス
●ニーズ分析:どのエリアで配膳ロボットを使用するか、粉塵や水の影響がどの程度かを評価します。
●ロボット選定:上記の防塵・防水性能を基に、適切な機能を搭載したロボットを選定します。必要であればカスタマイズも検討します。
●試運転とテスト:実際の環境で、防塵・防水性能が問題なく機能するかを確認するための試運転を行います。この際、工場の洗浄スケジュールや使用頻度も考慮してテストを実施します。
●スタッフ教育:防塵・防水機能を維持するためのメンテナンスや清掃手順について、スタッフに適切な教育を行います。
防塵・防水の観点で適切な対策を講じることで、配膳ロボットの長寿命化と工場の衛生管理の向上が期待できます。
まとめ
食品工場の中には狭いスペースの工場もあります。そのような環境では、安定した生産性を提供し続けるために、配膳ロボットのような小回りの効くAGVが産業用ロボットとして大活躍します。導入の際には、IPコードと実際のロボットのテストデータを確認し、適切なロボットを選定することが重要です。自動化による省力化や省人化を進め、食品の製造工程を効率化し、安全・安全にお客様に商品を提供しましょう。次回は、配膳ロボットの種類やその活用方法についての情報を解説します。
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