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ロードセルとは?食品工場における活用と利点コラム


 ロードセルは、物の重さや力を測定するためのセンサーの一種であり、製造業を中心に様々な業種で利用されています。測りたい物の重さを電気信号に変換して測定することで、物の重さをより正確に計測することができます。食品工場でもロードセルは様々な場面で利用されています。本記事では、ロードセルの基本的な知識と共に、食品工場での活用事例を併せてご紹介いたします。また、YouTubeではロードセルが良く利用されている工程の1つである「小分け装置」について詳しく解説した動画を公開しておりますのでコチラの動画もぜひご覧ください。

ロードセルの基礎知識

ロードセルとは

 ロードセルは、物体に加えられた力や重さを測定するためのセンサーです。主に圧力や重量を検知し、その情報を電気信号として出力します。この技術により、機械装置や計量システムが重量や力のデータを正確に解析することが可能です。金属の内部に取り付けられたひずみゲージ(ストレインゲージ)を用いて構成されており、物体に力が加わると金属が微細に変形し、その変形に応じてひずみゲージが電気抵抗を変化させます。この抵抗の変化を電気信号として測定し、力や重量を数値化します。製造業、医療機器、輸送機器などさまざまな産業で使用されており、計量や品質管理のプロセスを支えています。

ロードセルの種類と特徴

 ロードセルは用途に応じて様々な種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。ここでは「ビーム型」、「コラム型」、「ダイアフラム型」の3つの主要なタイプについて、それぞれの特徴を説明します。

ビーム型

 ビーム型ロードセルは、一端が固定され、もう一端が自由に動く構造で、飛び込み台のようにたわむことで荷重を測定します。曲げ荷重やせん断荷重を計測する際に適しており、高精度な計測が可能です。一般的に1トン程度までの荷重に対応でき、計量精度の求められる環境で活用されます。

コラム型

 コラム型ロードセルは、円柱形状のボディを持ち、その高さ方向にかかる荷重を測定します。内部には金属製のスプリングがあり、荷重が加わることでこのスプリングが変形し、ひずみゲージによってその変形が電気信号として出力されます。大きな荷重の計測に適しているため、重工業や大型の計量設備でよく使用されます。


ダイアフラム型

 ダイアフラム型ロードセルは、円形の薄い構造を持ち、裏面にひずみゲージが貼り付けられています。主に圧縮荷重の検出に使用され、高さを抑えた設計が可能という利点があります。ただし、他のタイプに比べて計測精度が若干劣る場合があります。限られたスペースでの設置が求められる場所で使用されることが多く、小型の機械などに導入されているケースが多いです。

食品業界におけるロードセルの役割

 食品業界でもロードセルは様々な機会に導入されています。ここでは、充填機、包装機、ホッパースケールの3つの機械に注目し、それぞれの機械にどのようにロードセルが利用されているのかについてご紹介致します。なお、下記には一般論を記載しておりますので、詳細は各機械メーカーのウェブサイトやカタログ、製品サイトのページをご確認ください。

充填機

 充填機では、製品や液体の正確な充填量を計量するためにロードセルが使用されています。ロードセルを用いることで充填量の値をリアルタイムで把握することが可能であり、生産ライン上で容器に充填される食品や飲料の量が規定通りであることを保証します。過剰充填による材料の無駄を防ぎ、生産コストの削減に貢献します。また、充填の均一性が確保されることで、製品の品質も安定します。

包装機

 包装機では、ロードセルは個々のパッケージにおける製品の重量を測定し、一定の重さであることを確認するために使用されます。「小分け包装」などで良く用いられており、各パッケージの内容物を均一に包装することが可能となります。

ホッパースケール

 ホッパースケールは、粉末や粒状の原材料を計量する際に使用され、ロードセルはホッパー内に投入される材料の重量を正確に計測します。食品工場においては、例えば粉末状の原料や穀物、調味料などを製造工程に投入する際、正確な分量を計量することが求められます。ロードセルが搭載されたホッパースケールは、高精度な計量を可能にし、原材料の適切な配合を支えます。これにより、製品の味や品質を一定に保つことができ、無駄な原材料の使用を防ぐことができます。


食品工場における導入事例

 最後に、ロードセルの導入事例として①ふりかけ工場の小分け包装工程と②パン工場の生地原料混合工程の2つの事例についてご紹介します。

1.ふりかけ工場での導入事例(小分け包装工程)

導入した背景

 ふりかけ工場では、製品をパッケージごとに均一な重量で包装することが求められます。あるふりかけ工場では製品の小分け作業をはかりを用いた手作業で実施していましたが、過剰充填や不足充填が課題として挙がっており、製品ロスや品質のばらつきが生じたりするリスクがあり、ロードセルの導入が検討されました。

導入効果

  ロードセルを使用した小分け包装工程では、パッケージごとの重量がリアルタイムで正確に計測され、基準に合わない製品を自動的に識別することが可能になりました。これにより、過剰充填や不足充填の問題が解消され、製品のばらつきを最小限に抑えることができました。その結果、製品ロスの削減が実現し、安定した品質管理が可能になりました。また、効率的な生産プロセスが確立され、消費者からの信頼性も向上しました。

 さらに従来の手作業の工程よりも生産スピードが上がり、さらに省人化も実現することができたようです。

2.パン工場での導入事例(生地原料の混合工程)

導入した背景

 あるパン工場では、複数の小麦粉を混合してパンの生地を作っていました。正確な配合がパンの食感や風味に影響する事から正確な計量が求められていましたが、簡易的な計量器を使用していたため、精度が課題として挙がっていました。また、季節や天候、気温によっても小麦粉の配合比率が細かく設定されていましたが、確認ミスにより間違った配合比率で混合してしまうケースがたびたび発生していたためロードセルの導入が検討されました。

導入効果

 ロードセルを導入したことで、パン工場では各小麦粉の投入量を高精度で管理することが可能となりました。これにより、配合ミスが大幅に減少し、パンの食感や風味が安定し、製品品質が向上しました。また、ロードセルを組み込んだ計量システムにより、各工程がリアルタイムでモニタリングされ、自動的に正確な重量で配合が行われるようになったため、作業者の確認作業の負担が軽減されました。

 さらに、ソフトウェアとの連携によって、季節や天候、気温に応じた細かな配合比率の調整も自動化され、手動での確認ミスが減少しました。これにより、生産効率が向上し、原材料の無駄も削減され、コスト面でもメリットを享受することができました。結果として、製品の均一性が保たれ、消費者の信頼性が高まり、競争力のある商品づくりが実現しました。

まとめ

 ロードセルは、物の重さや力を正確に測定するセンサーとして、食品工場をはじめとする様々な業種で重要な役割を担っています。食品工場では、充填機、包装機、ホッパースケールなどの機械に導入され、製品の計量精度を高め、品質管理や生産効率の向上に貢献しています。

ふりかけ工場の小分け包装工程においては、ロードセルの導入により、過剰充填や不足充填のリスクが低減され、製品ロスの削減と品質の均一化が実現されました。また、パン工場の生地原料混合工程では、ロードセルを用いた高精度な計量によって、原料の配合が正確に管理され、製品品質の向上とコスト削減が達成されました。

 これらの導入事例は、ロードセルが生産ラインでの精密な計量と効率的な管理をサポートする重要な要素であることを示しています。ロードセルを活用することで、食品工場は安定した生産を行い、製品の品質を向上させ、会社の競争力を高めることが可能になります。


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