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QCとは?【食品工場の用語解説】コラム

QCって聞いたことはあるけど、具体的に何をするのかはよく分からない」
「品質管理って検査だけじゃないの?」
食品工場で働く方から、こうした声を耳にすることは少なくありません。
QC(Quality Control=品質管理)は、食品工場において“当たり前”とされてきた考え方ですが、実はこの「当たり前」を真剣に見直す動きが、いま現場の間で静かに広がっています。
本記事では、QCの基本から、なぜ今改めてQCが注目されているのか、そしてこれからの食品工場におけるQCのあり方について、分かりやすく解説します。
QCとは?
QCとは「Quality Control」の略で、日本語では「品質管理」と訳されます。
食品工場におけるQCの目的は、安全で美味しい製品を、安定して作り続けることにあります。
QCは単なる「検査」ではありません。製造の各工程を確認・管理し、異常の兆候を早期に発見したり、再発防止策を考えたりする“全体最適”のアプローチです。
QCには大きく分けて以下の2つの視点があります。
品質を「守る」
不良を出さないための管理
品質を「高める」
より良い商品を作るための改善活動
たとえば、以下のような取り組みがQCの一部です。
・原材料の受け入れ時チェック(異物・規格外の混入防止)
・温度・湿度・時間の工程管理(加熱や冷却のムラを防ぐ)
・製品検査(外観・重量・異物混入・味などの確認)
・クレームや不良発生時の原因究明と改善策立案(再発防止)
なぜ今、QCが改めて注目されているのか?
食品工場では、以前からQC活動は行われてきました。しかし近年になって再びQCが注目されている背景には、以下のような社会的な要因があります。
人手不足と熟練者の減少
熟練の作業員が減り、「見て覚える」「感覚で判断する」方法では品質の安定が難しくなっています。
誰が作業しても同じ品質を維持するためには、数値化されたQC体制が不可欠です。
自動化・機械化の拡大
作業工程の自動化により「異常が起きたとき、どのデータを見て判断すればいいか」が重要に。
QCは、人と機械を繋ぐ“共通言語”となっています。
消費者の目の厳格化と情報拡散スピードの加速
SNSやレビューサイトによって、ひとつの品質トラブルが企業イメージに大きな影響を与える時代。
未然に不良を防ぎ、素早く原因を追える体制が求められています。
食品工場におけるQCの具体例
異物混入を防ぐQC例
・髪の毛・金属・虫などの異物混入を防ぐため、金属探知機・X線検査機を導入
・入室前のエアシャワーやローラー掛けを記録として残す運用
・定期的な清掃チェック表の運用と突発チェックの実施
重量バラつき対策
・自動計量器の導入で目視のばらつきを回避
・製品重量のデータを記録・分析し、傾向を見える化
クレーム発生時の再発防止
・クレーム情報をQC工程表にフィードバック
・発生時の写真・工程記録を共有し、作業手順を修正
QCサークル活動とは?
現場で働く従業員がチームを組み、QC手法を活用して自ら改善に取り組む活動を「QCサークル活動」と呼びます。
製造現場の課題を「現場の声」で発見し、「現場の知恵」で改善するこの取り組みは、多くの食品工場でも導入されています。
小さな改善でOK
まずはやってみる姿勢が大切
成果は“見える化”
改善前と後を比較することで達成感アップ
評価と共有の場がある
朝礼での発表、改善提案制度などがあると定着しやすい
QCは「品質を守るだけ」でなく、「働く人のやりがい」や「チームの一体感」を生み出す効果もあるのです。
QCとQAの違いは?
混同しやすいのが「QA(Quality Assurance)」との違いです
QAは企業全体の品質体制、QCは現場の実務的な品質管理と考えると分かりやすいでしょう。
QCは“人が中心”である
QCを考えるとき、忘れてはいけないのが「人の関与」です。
どれだけ機械化が進んでも、QCを動かすのは現場で働く人の気づきや判断です。
QCサークル活動が広がる理由も、そこに「人の力」があるからです。
QCがただのマニュアル作業になってしまうと、柔軟な対応や本質的な改善ができません。
現場の知見を活かしたQC体制こそが、食品工場の強さにつながるのです。
まとめ
QCは、最終製品の品質を守る「最後の砦」ではなく、
「品質を作り込む」ための現場の知恵が詰まった考え方です。
人手不足や自動化が進む今だからこそ、QCの視点を見直し、
人と仕組みが両輪で動く工場作りが求められています。
QCを現場に根づかせることで、食品工場はより安全に、より効率的に、そして働きやすく変わっていくはずです。
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