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食品工場の異物混入を防げ!異物対策におすすめのボールペンと選び方ガイドNEWコラム


 異物混入リスクは、思わぬ場所に潜んでいます。その代表例のひとつが「ボールペン」です。オフィスや工場で日常的に使われる定番の用品ですが、食品製造の現場では慎重に選ぶ必要があります。不適切な商品を利用すれば、異物の混入や返品、出荷トラブルの原因にもなりかねません。本記事では、選び方から導入・管理方法、実際の運用に役立つポイントまでを体系的に解説し、現場で即活用できる情報をお届けします。

ボールペンが引き起こす異物混入とは?

 食品工場では、意外にもボールペンが異物混入の原因になるケースがあります。以下では、その主な原因とリスクを分類して詳しく見ていきましょう。

ペン先・内部パーツの破損や脱落

分解構造が引き起こすリスク

 一般的なボールペンは、ペン先・インク芯・スプリングなど複数のパーツで構成されており、落とす、圧力がかかる、頻繁な使用による劣化によって、部品が外れたり割れたりすることがあります。

製品への直接的な影響

 万が一ペンのパーツが食品の上に落ちた場合、異物として混入するだけでなく、インクが漏れて商品が汚染されるおそれもあります。異物の発見が遅れれば、製品の廃棄や出荷停止、注文キャンセルなど大きな損失に直結します。

キャップやクリップの落下

小型パーツは発見されにくい

 キャップが分離型の場合、作業中に外れて落下しやすく、非常に小さいため発見が難しくなります。ポケットの出し入れ時にクリップが折れる・外れるケースも多く、作業者本人が気づかないままラインに混入していたという事例もあります。

キャップの素材と形状にも注意

 キャップの素材が柔らかすぎる場合や、突起のある形状の場合、ちょっとした摩擦や圧力でも外れやすくなります。また、落下後に転がってライン内へ入り込むリスクもあるため、形状設計にも注意が必要です。

外装の割れ・経年劣化

 外装のひび割れや細かな傷は、作業中の衝撃や摩耗によって発生します。これらは肉眼で確認しにくいこともあり、気付かないうちに破片が脱落して異物混入の原因となることがあります。特に油性ペンやステンレス風の素材を模したペンは、見た目に安心してしまうことが多く、注意が必要です。

不適切な使用・携帯方法

 胸ポケットにキャップを外した状態で差す、髪留め代わりに耳にかける、ペンを口にくわえるなど、何気ないクセが異物混入につながることがあります。

食品工場で推奨されるボールペンの条件

 ボールペンは見た目が同じでも、製品ごとに機能や特徴は異なります。食品業界で使用するなら、異物混入リスクを抑える設計であることが必須です。以下に、選定時に確認しておくべき主なポイントを紹介します。

異物混入を検知できる構造

金属検出対応・X線検査対応素材

 検査工程で異物を確実に発見するには、金属検出機やX線検査機に反応する素材が使われた商品を選ぶことが重要です。具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 金属粉を含んだブルー樹脂製のボールペン:金属検出機に反応しやすく、異物混入が発生しても早期に発見・除去可能。
  • X線透過性のあるインク芯を採用した製品:内部パーツまで検査機で確認できるため、分解時の異物混入にも対応。
 実際に、大手食品メーカーではこうした検出対応ペンをライン全体に導入し、年間5件以上のインク芯破損を未然に防いだという事例もあります。購入前には、通販サイトの商品説明欄やメーカーのカタログで、使用素材や検出対応の可否を必ず確認しましょう。

検出感度に適したサイズ・密度

 使用する検査機器の感度に応じて、ペンの素材や太さ・長さなども考慮する必要があります。異物として検知されるには、素材だけでなくサイズも重要です。

パーツ脱落のない一体成型設計

 キャップやクリップなど分離パーツがない一体成型のペンは、部品脱落のリスクを大幅に軽減できます。最近では多色ボールペンでも一体成型の製品が登場しています。

使用中の衛生性の確保

インク漏れ防止設計

 温度変化や高湿度の現場でも安定して使える構造が重要です。

 一般的なボールペンは、耐熱温度が約50〜60℃程度とされており、それを超えるとインクが膨張して逆流やにじみを引き起こす可能性があります。食品工場では、熱源が近い作業場や夏場の高温環境でも使用されるため、インクの成分や耐熱性にも注目して製品を選びましょう。仕様書に「耐熱試験済み」「インク逆流防止構造」などの表記があるか確認することがポイントです。

拭き取りやすい素材と形状

 インクや汚れが付着したとき、拭き取りやすい滑らかな素材であることも重要です。カラー展開や素材によって清掃のしやすさが異なるため、レビューや特集ページを活用して比較しましょう。

認証・基準への対応

GMP・HACCP対応表示の有無

 GMP(Good Manufacturing Practice)※やHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)※に基づく基準に適合しているかどうかは、購入前に商品ページやメーカーサイトで確認が必要です。品番で検索すれば詳細が出る場合もあります。

※GMP=適正製造規範。製品の安全性と品質を確保するための製造管理手法。
※HACCP=危害要因分析・重要管理点。食の安全を守るための衛生管理の国際基準。

書類提出が可能なメーカーの選定

 納品や届け時に、仕様書・適合証明書などの書類提出が可能かどうかも確認しておくと安心です。特に海外工場や複数店舗で使用する場合、書類整備のしやすさは重要な比較ポイントになります。

ボールペン選定・運用の実践ポイント

① 専用備品の一元管理

 異物混入を防ぐためには、従業員が自由に文房具を持ち込むことを禁止し、使用する事務用品や作業用品は会社側が一括で選定・購入・在庫管理する体制が有効です。発注時には商品リストを整理し、品番・カラー・サイズを記録して、購入履歴をシステムに登録しておくことで、在庫確認や再注文の手間を減らせます。

② 工程別に色分け管理

 製造・包装・検品など、工程ごとに異なるカラーのボールペンを使用することで、万が一異物が発見された場合でも、どの工程から混入したかの追跡が容易になります。さらに、色別の収納袋や表示ラベルを活用して整理すれば、管理者・作業者双方の負担軽減にもつながります。

③ 定期点検と予防交換

 ボールペンは消耗品であり、使い続けると破損や劣化によるリスクが高まります。たとえば「1か月で使用終了」「3か月ごとに全数交換」など、ルールを決めて定期的に入れ替えることで、未然に異物混入を防止できます。また、レビューや導入実績が豊富な製品を選ぶことも、長期使用における安心材料になります。

まとめ・関連記事

文房具から始める異物混入対策

 異物混入対策の第一歩は、見落とされがちな文房具類の見直しから始まります。特にボールペンは、物流や製造現場、オフィスやキッチンなど幅広い環境で毎日使用されるため、導入時に適切な商品を選び、管理体制を整備することが求められます。

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