news

【2026年版】食品工場のトレイ供給装置の選び方|ラインを止めない7つの確認ポイント製品情報


食品工場では、人手不足への対応や生産性向上を目的に、盛り付け・包装工程の自動化が進んでいます。

その中でも、比較的単純に見えて、実はライン全体の安定稼働に大きく関わるのが「トレイ供給」です。

人が積み重ねられたトレイを1枚ずつ取り出してコンベアへ配置する作業は、製品そのものを加工する作業ではありません。

しかし、

「トレイが2枚重なって出てしまう」
「トレイをうまく分離できない」
「補充が間に合わずラインを止めてしまう」
「品種切替のたびに調整に時間がかかる」

といった問題が発生すると、その後の盛り付け機、充填機、シール機などの工程まで止まってしまう可能性があります。

農林水産省では、食品製造業を人手不足が深刻な業種の一つと位置付け、2029年度まで集中的に省力化投資・生産性向上を進める方向性を示しています。

今回は、トレイ供給装置そのものの仕組みではなく、食品工場がトレイ供給装置を導入する際に確認したい7つのポイントを2026年版として解説します。

2026年、トレイ供給装置は「トレイを出せればよい」では不十分

トレイ供給装置は、積み重ねたトレイを1枚ずつ分離し、決められた位置・タイミングでコンベアなどへ供給する設備です。

基本的な役割はシンプルですが、食品工場の自動ラインでは、その後ろに複数の工程が続きます。

トレイ供給
↓
盛り付け・充填
↓
検査
↓
トップシール・包装
↓
ラベル・印字
↓
箱詰め

つまり、トレイ供給だけが不安定でも、後工程全体へ影響する可能性があります。

そのため設備選定では、「1枚ずつ出せるか」だけではなく、 「必要な速度で、長時間安定して、次工程が必要とする位置へ供給できるか」 を見ることが重要です。

参考: 農林水産省「食品製造業等の生産性向上」

トレイ供給装置を選ぶ7つの確認ポイント

1.実際に使用するトレイで分離できるか

最初に確認すべきなのは、実際に使用するトレイそのものです。

一口に食品用トレイといっても、さまざまな違いがあります。

・サイズ
・深さ
・形状
・材質
・厚み
・フランジ形状
・表面状態

また、同じ型式のトレイでも、積み重ねた際の密着具合や反りなどによって、分離のしやすさが変わる場合があります。

そのため、「対応サイズ内だから大丈夫」と判断するのではなく、実際に使用するトレイを設備メーカーへ渡し、連続供給テストを行うことが重要です。

2.必要なタクトに追従できるか

トレイ供給装置単体の最高速度ではなく、実際のラインタクトに追従できるかを確認します。

例えば、後工程が1分間に30パック処理するのであれば、トレイ供給側も安定してその能力を維持する必要があります。

確認したいこと
・1分間に何枚供給できるか
・連続運転しても能力を維持できるか
・供給ミス発生時の復旧時間
・トレイ補充中も運転を継続できるか

重要なのは「最高能力」ではなく、長時間連続運転した場合の安定能力です。

3.「2枚取り」「供給ミス」をどう防ぐか

トレイ供給で重要なのが分離性能です。

トレイ同士が密着していると、1枚のつもりが2枚重なって供給される可能性があります。

逆に、うまくトレイを取り出せず、供給されない場合もあります。

「2枚重なった場合に検知できるか」
「トレイがない場合に停止・警報できるか」
「供給ミス後に簡単に復旧できるか」

単純な供給能力だけでなく、異常を検知して後工程へ流さない仕組みまで含めて比較することが重要です。

4.トレイ補充でラインを止めなくてよいか

自動化設備を導入しても、頻繁に人がトレイを補充しなければならない場合、省人化効果は限定的になります。

そこで確認したいのが、トレイ収納量です。

1回に何枚セットできるのか
↓
現在の生産速度では何分でなくなるのか
↓
1時間に何回補充する必要があるのか

・稼働中に追加補充できるか
・予備マガジンを用意できるか
・残量低下をセンサーで知らせられるか

「トレイを自動供給できる」だけではなく、人が設備の前に張り付かなくてよい状態をつくれるかという視点で評価しましょう。

5.前後工程と同期できるか

食品工場では、トレイ供給装置だけで製品は完成しません。

トレイ供給機
↓
盛り付け・充填機
↓
検査機
↓
シール機

・コンベア高さ
・トレイの向き
・供給位置
・搬送速度
・トレイ間隔
・停止・再起動時の動作
・センサー信号
・PLCとの連携

設備単体ではなく、ライン全体のタクトを基準に設計することが重要です。

6.品種切替にどれだけ時間がかかるか

多品種を製造する食品工場では、トレイサイズの変更も珍しくありません。

「AトレイからBトレイへの変更に何分必要か」
「工具が必要か」
「部品交換が必要か」
「調整位置を数値化・再現できるか」

多品種生産では、処理能力と同じくらい段取り替え時間を見ることが重要です。

7.清掃・点検しやすい構造になっているか

食品工場の設備では、処理能力だけでなく衛生性も重要です。

・食品残さがたまりにくいか
・清掃しにくい隙間がないか
・部品を取り外しやすいか
・工具なしで外せる箇所があるか
・清掃後に組み付けを間違えにくいか
・センサー周辺を確認しやすいか
・消耗部品を点検しやすいか

厚生労働省では、HACCPに沿った衛生管理として、必要に応じて清掃・洗浄・消毒などの手順を定め、その実施状況を記録・見直すことを示しています。

設備選定では、「生産中に使いやすいか」だけではなく、「生産後に清掃・点検しやすいか」まで確認することが重要です。

参考: 厚生労働省「HACCP(ハサップ)」

導入前には「連続供給テスト」を行う

トレイ供給装置では、1枚だけ正常に供給できても十分とはいえません。

実際の食品工場では、何百枚・何千枚と連続して供給します。

そのため、可能であれば実際に使用するトレイを用いて、連続供給した際の安定性を確認することが重要です。

連続テストで確認したいこと
・2枚取りが発生しないか
・供給抜けがないか
・トレイが途中で引っ掛からないか
・位置ずれが発生しないか
・長時間運転しても状態が変わらないか

正常なトレイだけではなく、実際の生産時に起こり得る多少の反りや個体差がある場合に、どこまで安定供給できるのかも確認しておきましょう。

省人化効果は「何人減るか」だけで判断しない

トレイ供給装置の導入効果を検討するときに、「何人減らせるのか」だけを見るのは十分ではありません。

食品工場では、トレイ供給だけを専門に行っている作業者ではなく、複数の作業を兼務しているケースもあります。

トレイ補充
+
盛り付け
+
製品確認
+
ライン対応

そのため導入前には、1日何分をトレイ供給・補充に使っているのかを計測する方が、実態を把握しやすくなります。

・トレイ供給作業時間
・トレイ補充回数
・供給ミスによる停止時間
・品種切替時間
・復旧対応時間

導入後に同じ数字を測定すれば、設備投資によって何が改善したのかを具体的に評価できます。

トレイ供給だけでなく、前後工程まで自動化できないか考える

トレイ供給装置を導入する際は、その工程だけを自動化するのではなく、前後工程も確認してみましょう。

トレイ供給
↓
ロボット盛り付け
↓
計量
↓
検査
↓
トップシール
↓
印字・ラベル
↓
箱詰め

までつなげられれば、包装工程全体の自動化につながります。

逆に、トレイ供給だけを高速化しても、その後の盛り付け作業が人手で追いつかなければ、ライン全体の生産能力は上がりません。

設備を「1台導入する」という考え方ではなく、 「ライン全体のどこを自動化すると最も改善効果が大きいか」 という視点で検討することが重要です。

2026年、食品製造業では省力化投資がさらに重要に

食品製造業では、人手不足・人材不足への対応が引き続き重要な課題となっています。

農林水産省では、食品製造業の省力化に向けて、AIやロボットなどを活用した新技術の導入や生産性向上を進めています。

トレイ供給のような定型作業は、大規模なロボットシステムを導入する前にも検討しやすい自動化ポイントの一つです。

「どの作業に時間がかかっているのか」
「どこでラインが止まっているのか」
「自動化した後、作業者をどこへ配置するのか」

まで整理したうえで設備導入を検討することが重要です。

参考: 農林水産省「食品製造業等の生産性向上」

トレイ供給装置を選ぶためのチェックリスト

トレイ条件

・トレイの写真
・メーカー、型番
・外形寸法
・高さ
・材質
・1スタック当たりの枚数
・使用するトレイの種類数

生産条件

・1分当たり必要供給枚数
・1時間当たり生産量
・連続稼働時間
・1日の生産量

ライン条件

・コンベア高さ
・搬送方向
・供給位置
・前後設備
・既存PLCとの連携有無

運用条件

・トレイ補充回数
・品種切替回数
・洗浄頻度
・必要な作業者数

将来計画

・自動盛り付け予定
・シール機との連携
・画像検査との連携
・生産量増加の予定

この情報を整理しておくことで、 「トレイ供給機を探す」から「自社ラインに必要な供給システムを設計する」 という検討に変えることができます。

まとめ

トレイ供給装置は、一見すると「トレイを1枚ずつ出すだけ」の設備です。

しかし、食品工場の自動ラインでは、その供給安定性が盛り付け、包装、検査など後工程全体に影響します。

・トレイとの相性
・供給能力
・分離性能
・補充頻度
・前後工程との同期
・品種切替
・清掃・メンテナンス性

まで確認したうえで設備を選ぶことが重要です。

また、トレイ供給装置だけを導入するのではなく、 「次はどの工程まで自動化できるのか」 まで考えることで、省人化効果をさらに高められる可能性があります。

参考資料

FOOD TOWNで自社の製造している食品から探してみませんか?

FOOD TOWNでは、食品ごとの製造工程から、トレイ供給装置をはじめとした盛り付け、包装、搬送、自動化設備などを探すことができます。

FOOD TOWNで食品から探す ▶ FOOD TOWNの無料会員登録はこちら ▶

無料会員登録ページへ移動します。

無料ヒアリング受付中|食品工場の自動化をサポート

「使用しているトレイに対応できる設備を探したい」「既存ラインへ接続できるメーカーを知りたい」「盛り付け・包装までまとめて自動化したい」といったお悩みがある場合は、FOOD TOWNの無料ヒアリングもご活用ください。

お問い合わせ

FOOD TOWNに関するお問い合わせはこちらまで。

Robots Town株式会社
〒532-0011
大阪府大阪市淀川区西中島6丁目6-17 RIC 1stビル501号室
TEL:06-4703-3098

関連リンク・資料