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食品業界でのJANコード活用法:特徴・トレーサビリティ・POS連携の徹底解説コラム
食品業界で広く利用されるJANコードは、商品を識別し、流通管理や品質保証に大きな役割を果たしています。この記事では、JANコードの基礎からトレーサビリティの向上、システムとの連携、他の識別コードとの違いまで、JANコードの特徴やその重要性を徹底的に解説します。
JANコードとは?
JANコードとは、JANコード(Japanese Article Number)は、商品を一意に識別するための13桁または8桁のコードで、バーコードとして商品に印刷され、読み取り可能な形で消費者や流通業者が活用JANコードは主に小売業で使用され、商品管理や流通効率化に使われています。
日本のほとんどの商品に導入され、国際的に標準化された規格として、食品業界では在庫管理や流通のデジタル化を支えています。
JANコードと食品業界におけるトレーサビリティの関係
食品業界におけるトレーサビリティとは、製品の原料調達から最終消費者までの流通経路を正確に追跡できることを意味します。JANコードはこの流れを支える基本的なツールとして、製品に固有の識別番号を与えますたとえば、流通段階でJANコードが商品とともに記録されることで、商品がどのルートを通ったのか、問題発生時にどの段階での製品なのか迅速に把握できますます。
このため、リコール時に製品を特定し、該当する商品を回収することができます。また、JANコードを通じたトレーサビリティは、消費者に対する食品の安全性を保証する機能の信頼の証になり、食品業界全体で品質管理が向上し、JANコードが消費者との構築の基盤となります。
JANコードの種類とその特徴、8桁と13桁の違い
8桁と13桁の違い
JANコードには、一般的な13桁コードと小型商品に適した8桁コードの2種類があります。
どちらのタイプも、GS1事業者コード、商品アイテムコード、そしてチェックデジット(コードが正しいものであるかどうかを検査するために符号に付加される数字)の3つの部分から成り立っており、これらは左から順番に配置されます。
13桁のJANコードは、商品がどこの国で製造されたかを示す「国コード」(最初の3桁)、企業を示す「メーカーコード」、そして個別商品を示す「アイテムコード」から構成されています。一般的に、食品や日用品のパッケージ、店舗の棚に並ぶ商品に多く使用され、世界中で利用されます。
8桁のJANコードは、スペースが限られた商品用に短縮された形式で、13桁版を圧縮して管理できるようにしています。キャンディーやガム、化粧品などの小型の包装に適用され、特にパッケージあたりが小さい商品で見られます。
どのような製品にどの桁数のJANコードを使われているか
13桁のJANコードは、食品、日用品、家電などの短期間の商品で使用され、特に食品パッケージや一般流通製品に適しています。 、8桁のJANコードは、スペースが制限されるキャンディー、ガム、トイレタリーのパッケージなど、パッケージの小さい商品に使われます。
国際的な呼び名
日本では「JANコード」という名称が一般的に使われていますが、国際的には「GTIN-13」という名称で呼ばれています。GTIN(ジーティン)は「Global Trade Item Number」(グローバル・トレード・アイテム・ナンバー)の略称であり、世界の流通を標準化するための国際的な商品識別コードを指します。
また、国際的に、EANコード(イアンコード)「European Article Number」(ヨーロピアン・アーティクル・ナンバー)という名称でも呼ばれます。
JANコードの作成方法
JANコードを作成する手順は、商品を市場に出す企業にとって必須の手続きです。以下に、その作成手順を解説します。
①GS1事業者コードを取得
JANコードの生成に必須の要素がGS1事業者コードです。このコードは、商品の出所を特定するのに役立ち、最初の数桁は国コードを表します(例えば、日本の場合は「45」または「49」)。このコードには、その後に続く事業者固有の識別番号(5桁または7桁)が含まれます。
日本では、GS1Japan(一般財団法人流通システム開発センター)への申請により、インターネットまたは郵送でこのGS1事業者コードを登録することができます。これにより、事業と商品がグローバルな商品識別システムに組み込まれ、正確な追跡と管理が可能になります。
【インターネットでの新規登録の申請方法】
ステップ1: メールアドレスの登録
はじめてGTIN(JANコード)を利用するには、GS1事業者コードの登録申請が必要です。GS1Japanの公式ウェブサイトにある新規登録ページで、Eメールアドレスを登録します。
ステップ2: 申請フォームを完成させる
必要事項を記入して申請フォームを提出します。
ステップ3: 申請料の支払い
申請に必要な料金を支払ってください。支払い方法にはコンビニ支払い、Pay-easy(ペイジー)、または銀行振込があります。
申請料が10万円(消費税込)を超える場合は、銀行振込での支払いをお願いします(コンビニエンスストアやPay-easyでの支払いはご利用いただけません)。
ステップ4: 登録完了と通知書の受領
入金が確認され、申請内容に誤りがない場合、約7営業日で「GS1事業者コード登録通知書」が郵送されます。この通知書には、GS1事業者コードが記載されており、転送はできません。
②商品アイテムコードを設定
GS1事業者コードを取得した後は、販売する商品ごとに独自のアイテムコードを割り当てます。このコードは、商品の特徴を反映させるために使用され、商品の種類、色、内容量などに基づいて異なります。ここでの重要なポイントは、同一商品に異なるコードを割り当てないこと、そして異なる商品に同一のコードを使用しないことです。
GS1事業者コードの桁数によって、商品アイテムコードの設定方法が変わります。
9桁のGS1事業者コードの場合、商品アイテムコードは3桁で「001〜999」の範囲で自由に設定できます。
7桁のGS1事業者コードの場合、商品アイテムコードは5桁で「00001〜99999」の範囲で設定可能です。
GS1Japanは、商品の分類や部門ごとにコードを区分けするのではなく、単純に「001」から順に番号を割り当てる方法を推奨しています。これは、将来的に商品ラインナップが変更された場合にも、商品管理をより簡潔に保つためです。商品アイテムコードの設定にあたっては、将来の商品展開や管理のしやすさも考慮して慎重に行うことが重要です。
③ チェックデジットを計算
チェックデジットは、商品のJANコードなどで見られる、番号の最後に位置する1桁の数字を指します。この数字は、GS1事業者コードや商品アイテムコードの各数字を含む特定の計算方法により求められます。
主に誤入力や読み取りミスを防ぐ検証用の数字として活用され、「検査数字」や「検証数字」とも呼ばれています。計算自体は少々複雑ですが、GS1Japanではこれを簡便に行うための計算フォームを提供しており、13桁の標準JANコードと8桁の短縮JANコードの両方に適用可能です。
④印刷会社への依頼
JANコードを商品に印刷する際、事業者は自らバーコードを作成し印刷する手段もありますが、適切なプリンターや専用ソフトウェアの準備が必要になります。そのため、専門の印刷会社にこの作業を依頼することが一般的です。
バーコードは、JIS規格に基づいた特定のサイズや品質基準を満たしている必要があり、これらの基準を確実に満たしているかは、バーコード検証サービスを提供している業者に依頼し検証することになります。
バーコード印刷や検証サービスを提供する業者については、GS1Japanのウェブサイトに情報が掲載されていますので、参照が推奨されます。印刷を依頼する際には、チェックデジットの事前計算が不要で、印刷業者が対応してくれる場合もあるため、その点も合わせて確認すると良いでしょう。
⑤JANコードの通知
JANコードを作成し、JANシンボルを準備したら、ビジネスパートナーに通知する必要があります。このコードは、商品カタログや契約書、見積もり書に記載することで共有すると便利です。受け取ったビジネスパートナーは、自社の商品データベースにこの情報を登録し、バーコードスキャナーを活用して商品の在庫管理や取り扱いが可能になります。
JANコードの利用により、商品管理がよりスムーズになり、品質検査や在庫確認の作業を効率的に実施できるようになります。
⑥JANコードの変更・更新
商品のJANコードを納品先に通知した後は、商品の出荷を開始します。その後、もし企業の社名や住所、担当者に変更があれば、「登録事項変更届」に必要事項を記入し、GS1Japanへ提出することが必要です。変更手続きを怠ると、JANコードの更新通知が届かなくなり、結果としてJANコードが使用できなくなるリスクがあります。
GS1事業者コードは3年ごとに更新が必要で、更新手続きは1〜2ヶ月前に通知される書類に従って行います。継続してコードを利用する場合は、この更新を忘れずに行うことが必要です。GS1事業者コードの利用を終了する場合は、GS1Japanに連絡して「返還届」を提出し、適切な手続きを踏むことが求められます。
JANコードの具体的な活用事例
流通管理におけるJANコードの活用例
JANコードは、流通業務のスムーズな管理に役立ちます。例えば、倉庫や小売店ではJANコードのバーコードリーダーによるスキャンで、在庫状況の即時確認が可能です。また、出荷時にJANコードを活用することで、間違った商品が出荷されるリスクが大幅に軽減され、顧客への許容性が向上します。
品質管理・トレーサビリティ向上への効果
食品業界のトレーサビリティ向上にもJANコードが重要です。食品の製造・流通段階でJANコードを置くことで、商品がどの製造ラインや出荷経路を経由しての履歴を確認できます。良品やアレルギー表示ミスが発見された際には、リコール対象商品を迅速に特定・回収し、消費者へのリスクを考慮することが可能です。 消費者にとってもJANコードによる追跡システムが安全性の証となり、食品知識向上につながります。
JANコードとPOS・在庫管理システムの連携方法
JANコードは、POS(販売時点管理)や在庫管理システムと密接に連携し、効率的な商品管理を実現します。
POSシステムでの運用:レジでJANコードをスキャンすると、商品名、価格、在庫数が一時的に記録・更新されます。これにより、正確な売上データが取得でき、販売状況の即時確認が可能です。
在庫管理:倉庫や店舗では、JANコードを利用して在庫を自動的に更新し、発注・補充がスムーズに進みます。商品が入荷または出荷されるたびにJANコードがスキャンされ、数量や商品のハンドシステムに即座に反映されるため、在庫不足や過剰在庫を防ぎます。
メリット:JANコードによるデータの一元化は、効率的な在庫管理を可能にし、勝手や過剰在庫のリスクを抑制します。 売上や在庫に基づいた発注管理も可能で、消費者満足度の向上や事業効率の改善に貢献します。
JANコードと他の識別コード・バーコードとの違い
JANコード
日本独自のバーコード規格であり、8桁または13桁の数字で構成され、主に自社の小売業で流通管理に使われます。商品を識別するための標準的なコードで、POSシステムや在庫管理システムで使用され、各商品に一意の番号が付与されます。JANコードは基本的に製品識別のみに特化しております、QRコードのような情報を追加することはできません。
QRコード
二次元バーコードで、1つのコードにテキストやURL、その他詳細情報を入れられます。サイズが驚くほど多くの情報を含むことができ、エラー訂正機能も備えています。
製品情報の詳細提供、リンク先への誘導、マーケティング用途などに使われます。例えば、食品の成分情報や製造元のウェブサイトに直接アクセスするために利用されます。消費者がスマートフォンで簡単に読み取れ、詳細情報を手軽に入手可能です。
UPCコード(ユニバーサルプロダクトコード)
主に北米で使える12桁のバーコードで、国際的な商品識別に対応しています。JANコードに似ていますが、UPCコードは主に米国やカナダで採用されています。
商品流通や在庫管理で使われ、国際標準であるため、北米地域で流通製品に適用されることが多いです。
UPCコードは、日本を含む他国でも拡張することができ、JANコードと統一管理されることで、グローバルな流通管理にも対応します。
まとめ
この記事では、JANコードの基本的な概要からその実用的な活用方法まで、食品業界における重要性について解説しています。JANコードは、商品ごとに固有の識別番号を持たせることで流通経路を管理し、特に食品業界においては品質保証やトレーサビリティ(追跡可能性)の向上に役立っています。
さらに、JANコードはPOSシステムや在庫管理システムと連携して効率的な商品管理を可能にし、店舗や流通センターでの在庫の可視化、商品欠品の防止など、多岐にわたるメリットをもたらします。特に、リコールの際にはJANコードを用いることで該当商品を特定・迅速に回収することができ、安全性を確保し消費者からの信頼を築くことができます。
また、日本独自のJANコードは国際的にはGTIN-13として扱われ、世界基準に準じた商品識別も可能なため、海外展開にも対応します。今後、JANコードのさらなる普及と標準化により、食品業界全体の効率化と消費者の安心を支えるインフラとしての役割が一層期待されます。
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