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AMR(自律走行搬送ロボット)で工場の自動化を加速させよう!コラム


 労働力不足や生産効率の向上が求められる現代の食品工場では、自動化が重要な課題となっています。本記事では、柔軟な運搬作業を可能にし、現場の効率を大幅に向上させる可能性を秘めているAMR(自律走行搬送ロボット)について、導入事例を交えながらご紹介いたします。

 YouTubeでは株式会社HCIとPudu Robotics(PUDU)との対談動画を撮影し、AMRの魅力や最新AMRであるT-300の特長について興味深いお話をたくさん聞くことができましたので是非こちらもご覧ください!

AMRの基礎知識と導入が必要な理由

 ここでは、AMRの基礎知識や導入が必要な理由を簡単にご紹介致します。「もっと詳しいAMRの情報が知りたい!」という方はAMRの商品種別解説をご確認ください。

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AMRの基礎知識

AMRとは?

 AMRとは、Autonomous Mobile Robotの略称で、日本語では「自律走行搬送ロボット」と訳されています。自律走行技術を持ち、特定のプログラムによって動くだけでなく、センサーやカメラ、LIDAR(ライダー)などのシステムや機能を搭載し、周囲の環境を認識し、自分の位置や周囲の環境を把握しながら行動できる搬送ロボットです。専用のガイドラインや磁気テープなどを必要とせず、現場のレイアウト変更に柔軟に対応できるのが大きなポイントです。

 AMRは「人と協働する」ロボットとして、設計されており、ロボットの中に設置されたタブレット等からの指示で自由自在に工場内を動き回る事が可能です。人や障害物などを上手に避けながら移動することも可能で、まさに人と協業しながら働くロボットといえます。

AGVとの違いについて

 AMRとよく比較されるものとしてAGVがあります。AGVはAutomated Guided Vehicleの略称で、日本語では「無人搬送車」と訳されています。AMRとAGVの最も大きな違いは、「自律性」「ルートの柔軟性」にあります。

 まず、自律性についてですが、AMRは、周囲の環境をリアルタイムで認識し、状況に応じて最適なルートを自ら判断して移動します。これに対して、AGVは事前に設定された経路に従って移動するため、ルートの変更には追加の設定が必要です。

 次に、ルートの柔軟性です。AMRは障害物を検知すると、その場で回避しながら目的地に到達できます。一方、AGVは床に敷かれた磁気テープやQRコードなどのガイドに沿って走行するため、障害物がある場合には一時停止し、手動での対応が必要になることが多いです。このため、AMRは変化が多い環境や頻繁なレイアウト変更がある場所で特に有利です。

 AGVについてより詳しい解説が知りたい方はAGVの商品種別解説をご覧ください。

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AMRの導入メリット3選

次にAMRの一般的な導入メリットを3つご紹介いたします。

柔軟性のある運用

 AMRは、工場内のレイアウト変更や生産ラインの構成に合わせて柔軟に運用できます。従来のAGVのように固定されたルートに依存することなく、センサー技術とAIを駆使して最適な経路を選択します。これにより、生産の流れに応じた運搬が可能となり、工場全体の生産効率を向上させることができます。

設置や運用コストの削減

 AMRは従来のAGVと異なり、導入時に高額な設置コストがかからない点も大きなメリットです。AGVはガイドラインや磁気テープを工場内に設置する必要があり、その分コストや手間がかかります。一方でAMRは、既存の工場設備やレイアウトに即時対応できるため、設置にかかるコストを抑え、短期間で導入を完了させることができます。


 また、メンテナンス面でも、AMRはソフトウェアの更新やセンサーのキャリブレーションによってアップデートが可能なため、運用コストの削減に繋がります。

安全性の向上

 AMRには多くのセンサーが搭載されており、障害物や従業員の動きをリアルタイムで感知します。これにより、食品工場内での衝突事故や作業員との接触を防ぎ、安全な作業環境を確保することができます。従業員が作業中にAMRが隣を通過しても、予測的に動作を制御するため、リスクの少ない運用が可能です

食品工場でAMRが必要な理由3選

 AMRは物流現場や倉庫などで多く活用されていますが、食品工場においても導入することで効果を発揮します。ここでは、食品工場でAMRを導入するべき理由を3つに絞ってご紹介します。

1.労働力不足の解消

  日本をはじめ多くの先進国では、少子高齢化により労働力不足が深刻化しており、特に食品工場では人手の確保が難しい状況です。AMRの利用は、従業員が行っていた物資搬送を自動化し、労働力不足をサポートする手段として注目されています。重い荷物や複雑な搬送作業をAMRがサポートすることで、従業員の負担が軽減され、より価値の高い業務に集中できる環境が整います。

2.作業効率と生産性の向上


 AMRを導入することで、搬送業務が効率化され、工場全体の生産性が向上します。手作業での搬送には時間がかかり、人為的ミスや遅延も発生しやすいですが、AMRは常に一定のペースで正確に作業を遂行します。また、24時間稼働可能であり、夜間の作業でも問題なく運用できるため、生産ラインが止まることなく稼働し続けることが可能です。

3.フードセーフティの強化

 食品工場では衛生管理が非常に重要です。人手による搬送作業では、手袋や防護服などを使用しても、交差汚染や異物混入のリスクが残ります。AMRを導入することで、人との接触を最小限に抑え、搬送業務をより清潔に行うことができます。AMRが自律的に動作するため、作業環境の衛生状態を高め、フードセーフティの強化に寄与します。

AMRの導入事例

最後に、食品工場で実際にAMRが導入された事例を3つご紹介します。

原材料の搬送

導入前

 従業員が手動で原材料を運搬し、重労働による疲労と運搬時間の問題が顕在化していた。重量のある材料を人力で運ぶため、従業員の負担が大きく、運搬効率が低下。結果として、原材料の供給が滞り、生産ラインへの影響が発生していた。

導入箇所

 原材料の受け取りエリアから生産ラインまでの搬送経路にAMRを配置し、自動搬送システムを導入。

導入後

 AMRが原材料をスムーズに自動搬送することで、従業員の労力が軽減され、疲労の軽減とともに作業環境が改善。材料供給のスピードが向上し、生産ラインの稼働率も安定化。従業員が他の付加価値の高い業務に集中できる環境が整い、工場全体の生産効率の向上。

パレタイズ工程の効率化

導入前

 製品が生産ラインから出るたびに手作業でのパレタイズ作業が求められ、単調な業務による肉体的な負担が大きい状況であった。負担の大きい作業が繰り返されることで、作業スピードの低下や作業ミスの発生リスクが高まり、生産効率が低下。労働環境の改善が求められていた。

導入箇所

 パレタイズ工程にAMRを導入し、ロボットアームと組み合わせて全工程を自動化。製品の運搬とパレタイズを一連の自動システムで実現し、作業のスピードアップと精度の向上を図る体制を構築した。

導入後

 AMRが製品を自動搬送し、ロボットアームがパレタイズ作業を行うことで、工程全体の自動化が実現された。従業員の肉体的負担が軽減されると同時に、作業のスピードと精度が向上。作業ミスの減少とともに生産性が大幅に向上し、従業員が本来の業務に集中できる労働環境の改善を実現させることができた。

出荷準備と梱包作業の自動化

導入前

 製品の出荷準備および梱包作業が手作業で行われており、特に出荷ピーク時には人手が不足していた。手作業での梱包と搬送には時間がかかり、作業効率が低下。さらに、出荷にかかる時間の長期化による出荷業務の遅延が課題となっていた。

導入箇所

 梱包エリアと出荷準備エリアにAMRを設置し、製品を梱包ステーションから出荷準備エリアまでの自動搬送システムを導入した。

導入後

 梱包された製品がAMRによって自動で出荷準備エリアまで搬送される仕組みが整い、出荷作業の効率が大幅に向上した。さらに、スムーズな搬送と出荷時間の短縮によるコスト削減が実現し、出荷能力も増強した。作業者は効率的に業務管理ができ、より多くの製品を迅速に出荷できる環境を整備することができた。

まとめ

 本記事では、食品工場におけるAMR(自律走行搬送ロボット)の重要性とメリットについて、労働力不足や生産効率の向上という現代の課題に対する解決策としてご紹介しました。AMRは、人と協働できる設計と柔軟な運搬システムにより、工場内の作業を大幅に自動化し、従業員の負担を軽減しながら、生産性を向上させることができます。また、レイアウト変更への対応力とセンサーを用いた自律走行機能により、従来のAGVとは異なり、作業環境に適応した効率的な搬送が可能です。導入により、コスト削減、作業の正確性、安全性の向上が期待され、食品工場の競争力強化にも貢献します。自動化を検討中の食品工場の関係者にとって、AMRは生産性向上のための次世代ソリューションとして注目すべき技術です。


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