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食品工場の省人化を実現!バランサー導入で作業効率と安全性を向上コラム


 食品工場において、人手不足や高齢化が深刻化する中、現場では重量物の搬送や持ち上げといった負荷の高い作業が依然として多く存在しています。これにより、作業者の腰痛や疲労、作業ミス、さらには離職といった問題に直面している工場も少なくありません。こうした課題に対し、近年注目を集めているのが「バランサー」の導入です。バランサーは、重量物を軽々と持ち上げ、移動や設置をサポートすることで、作業の省力化と安全性向上を実現する機器です。

バランサーとは?

バランサーの定義と仕組み

 バランサーは、作業者が持ち上げるには重すぎる対象物を、力を使わずにスムーズに操作できる補助装置です。重心を保つ(バランスをとる)ための装置ではなく、重量物の作業補助を目的とした機器を指します。
 バランサーのもっと詳しい情報はFOOD TOWNの商品種別解説をチェックしてみて下さい。また、製品検索で「バランサー」と検索して見るとFOOD TOWNに掲載されているバランサーの一覧を閲覧することができます。各メーカーの商品説明を見たり、カタログをダウンロードしてみましょう。

 食品工場でよく見られるバランサーとしてはスプリングバランサー、エアバランサー、電動バランサー等が挙げられます。

主なバランサーの種類と特徴

スプリングバランサー

特徴:スプリングの力を利用して、工具や軽量機器を吊り下げ、動作を補助します。軽量な物の持ち上げに適しており、主に小型部品の組み立て作業で使用されます。

適用シーン:軽量部品を多く取り扱う組立作業や検査作業での使用が効果的です。バネの力で吊るしているため、微調整が求められる作業に便利です。

エアバランサー

特徴:圧縮空気を動力源にして、物体を浮かせて移動できるタイプ。上下・水平の移動がスムーズで、操作性が非常に高いです。力加減も自在に調整できるため、精密な作業にも向いています。

適用シーン:重量物の搬送が必要な場面で活躍します。例えば、食品工場での大きな原料袋の移動や、パレットへの積み込み作業などで使用されます。

電動バランサー

特徴:電動モーターを使用して動作します。力加減がしやすく、精密な位置決めが可能。操作が非常にスムーズで、精度が求められる作業に最適です。

適用シーン:金属製の容器や大きな機械部品の取り扱い、製品の積み込みや移動作業で特に有効です。細かい位置決めや重さに合わせた微調整が求められる作業でも、安定した操作を実現します。

設置スタイルの柔軟性

 天吊り式やアーム式など、設置スタイルも作業内容に応じて多様化しており、導入の柔軟性が高まっています。

食品工場での活用事例

原料投入作業にアーム式バランサーを活用

 バランサーの導入事例として、ある食品工場では原料の投入作業にアーム式バランサーを採用。1袋18〜20kgの原料をパレットから取り出し、コンベヤに投入する作業に使用されています。以前はこの作業に2名を必要としていましたが、バランサー導入後は1名で対応可能になりました。さらに、アームの可動範囲が広いため、2ライン分の作業を1台でカバーでき、導入効果は抜群です。


 女性や高齢者でも無理なく操作できるため、人材の多様化にもつながっています。原料投入だけでなく、製品の箱詰めや、パレットへの積載、部品の取り外し・洗浄後の再設置など、さまざまな工程で活用が可能です。

洗浄後の容器搬送に電動バランサーを導入

 別の事例として、調理済み食品を製造する工場では、金属製の調理用容器(約25kg)を洗浄後にラックへ戻す作業に電動バランサーを導入しました。以前はこの作業が作業者の負担となり、特に腰痛を訴えるケースが頻発していました。バランサー導入後は、軽い力で正確に容器を持ち上げて配置できるようになり、作業者の負担軽減と作業時間の短縮を同時に実現。

 さらに、電動バランサーの滑らかな操作性により、金属容器の衝突や落下などの事故も激減。設備の損傷や製品の破損リスクも大幅に抑えられるようになりました。

バランサーの導入メリット

主な効果と改善点

1. 省人化の実現

 人手が必要だった工程が、バランサーにより1人で対応できるようになります。人材不足の現場では大きなメリットとなり、労働力の最適化に貢献します。

2. 作業者の負担軽減

 腰や肩に負担のかかる作業が大幅に減り、作業者の身体的な負担を軽減。慢性的な疲労や腰痛のリスクも減少します。

3. 安全性の向上

 重量物の落下や誤操作による事故のリスクが低減。滑らかな動作で、作業の安定性も向上します。

4. 作業効率の向上

 搬送や持ち上げにかかる時間が短縮され、作業の流れがスムーズに。結果として、生産性の向上が期待できます。

5. 品質の安定化

 微調整や精密な位置決めが求められる作業においても、電動・電空バランサーなら高精度な作業が可能。製品品質のばらつきを抑えます。人手が必要だった工程が、バランサーにより1人で対応できるようになります。人材不足の現場では大きなメリットとなり、労働力の最適化に貢献します。

導入時のポイント

バランサー選定で押さえるべき観点

1. 荷物の重量・形状に適したバランサー選定

 バランサーを選ぶ際、まず考慮すべきは「取り扱う荷物の重量と形状」です。重量が大きい物を扱う場合は、エアバランサーや電動バランサーが適しているでしょう。軽い作業や微調整が必要な場合は、スプリングバランサーが有効です。


 荷物が不規則な形状の場合や、重さが均一でない場合は、アームの可動範囲や柔軟性が重要です。このため、バランサーのアームに広い可動域があり、様々な角度で操作できるタイプが選ばれます。


2. 作業スペースに合わせた設置スタイル

 作業環境に合わせて設置方法を決定します。例えば、天井に取り付けるタイプの天吊り式バランサーや、作業台に設置するアーム式バランサーなどがあります。

 天吊り式は天井から吊るすため、スペースを最大限に活用できますが、天井の強度や空間の広さに制限があります。一方でアーム式は、可動範囲が広く、作業者が手元で操作しやすいため、比較的狭いスペースにも対応できます。


3. 動力源の確認

 バランサーにはエアバランサー、電動バランサー、電空バランサーなどがあります。それぞれに適した動力源(エアコンプレッサーや電源)が必要となるため、工場内で使用できる動力源が整っているかを確認することが大切です。

 エアバランサーは圧縮空気を使用するため、エアコンプレッサーが必要です。工場内にすでにエアシステムが整備されている場合、エアバランサーの導入は効率的ですが、エアシステムが無い場合は電動バランサーが便利です。


4. 操作性・安全性の確認

 バランサーの選定において、操作性の良さと安全性も重要です。作業者が無理なく直感的に操作できるかどうか、また安全装置(過負荷防止装置やストッパーなど)が搭載されているかを確認しましょう。

 操作が複雑であれば、作業効率が落ち、誤操作が発生しやすくなります。特に重量物を扱う場合は、バランサーの操作がスムーズでなければ、作業者の負担が減らず、効果的な省力化は実現できません。


5. アフターサポート

 バランサー導入後のメンテナンスや修理対応が充実しているかも選定の重要なポイントです。機器の長期運用を考え、サポート体制がしっかりと整備されている製品を選びましょう。

 導入後のトラブルを避けるために、サポートが迅速であることが求められます。また、定期的なメンテナンスを受けることで、バランサーの寿命を延ばすことができ、長期的に安定した運用が可能となります。

 まとめ

 食品工場において、バランサーは単なる搬送補助機器ではなく、作業者の安全と効率を守る重要な存在です。省人化や作業負担軽減といった現場課題に対し、バランサーは確実なソリューションを提供してくれます。まずは現場の課題を明確にし、適切なバランサーの選定・導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 FOOD TOWNでは、バランサーの導入支援を行っています。お気軽にご相談ください。

 

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