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秒単位の改善!食品工場5S・探し物ゼロの定位置管理術コラム

食品工場の現場において、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)は「当たり前のマナー」だと思われがちです。しかし、真の5Sの価値は、掃除そのものではなく「1秒単位のムダを削り取り、生産性を最大化する戦略」にあります。
既存の記事では5Sの「概念と重要性」を学びましたが、本記事ではさらに踏み込み、「探し物ゼロ」を実現する具体的な動線設計と定位置管理の極意を徹底解説します。
「探し物」は最大のコスト。秒単位のロスを削る定位置管理
食品工場において、1人の作業員が1日合計5分間、道具や資材を探しているとしましょう。従業員が100人いれば、毎日500分(約8.3時間)の労働力が「何も生まない時間」に消えていることになります。
これをゼロにするのが、徹底した定位置管理です。
三定管理(さんていかんり)の徹底
「どこに(定置)」「何を(定品)」「いくつ(定量)」置くかを明確にします。
- 定置: 床面や棚にラインを引き、住所(アドレス)を振る。
- 定品: 容器や工具に名前を書き、中身が一目でわかるようにする。
- 定量: 最大在庫量と発注点(これ以下になったら補充するライン)を見える化する。
影絵収納(シャドーボード)の導入
「定位置管理」の究極形が、工具の形を背景に描くシャドーボード(影絵収納)です。
影絵収納(シャドーボード)の作り方
- ボードの選定: 水洗いが必要なエリアならステンレスや樹脂製、乾いたエリアならペグボード(有孔ボード)を用意します。
- 配置の最適化: 使用頻度の高いものを中央に、低いものを端に配置します。
- 影の作成: 道具を置き、その外形をマーカーでなぞります。カッティングシートを道具の形に切り抜いて貼るのが、見た目も美しく剥がれにくいため推奨されます。
- フックの固定: 道具がズレないよう、専用のフックやクリップで固定します。
導入の効果
- 欠品の即時把握: 道具が使われているのか、紛失したのかがコンマ1秒で分かります。
- 教育コストの削減: 新人でも「どこに戻すべきか」を迷いません。
- 異物混入防止: 終業時に全ての影が埋まっていることを確認すれば、工場内への道具置き忘れ(=混入リスク)を確実に防げます。
現場の動きを最小化する「動線最適化」の考え方
どれだけ整理整頓されていても、作業員が工場内を歩き回っていては効率は上がりません。食品工場のレイアウト改善で核となるのが「U字型ライン」と「L字型ライン」です。
U字型ライン:1人多工程の実現
投入口と出口を隣接させるレイアウトです。
メリット
作業員が元の位置に戻る歩行ムダがなくなります。また、生産量の変動に応じて作業員の配置人数を柔軟に変えやすい(1人で全工程を見る、または複数人で分担する)のが特徴です。
活用例
惣菜の盛り付け工程、小包装パッキングなど。
L字型ライン:省スペースとスムーズな合流
直角に曲がった配置です。
メリット
工場の柱や壁際を有効活用でき、次の工程(包装から梱包など)への受け渡しがスムーズになります。
活用例
原料投入から加熱処理、冷却工程への移行など、大型機械が並ぶエリア。
「人」と「モノ」の動線を分ける(交差の排除)
動線改善で最も重要なのは、「作業員の動き」と「原材料・製品の動き」を交差させないことです。
一方向の原則
原料入荷 → 前処理 → 加熱 → 包装 → 出荷まで、逆流しない「ワンウェイ」の動線を引きます。
最短距離の原則
よく使う資材(段ボールやフィルム)は、使う場所の「利き手側」に配置します。
改善スピードを上げる「改善提案」の書き方とネタ探し
5Sや動線改善を形骸化させないためには、現場からの「改善提案」を活性化させる仕組みが不可欠です。
改善のネタが見つかる「3つの視点」
ネタ探しに困ったら、以下のキーワードで現場を観察してください。
「あいうえお」の視点
- あ:歩く(もっと歩かずに済まないか?)
- い:急ぐ(焦って作業していないか?危険はないか?)
- う:動く(無駄な動作、屈む、手を伸ばす動きはないか?)
- え:選ぶ(探したり、迷ったりしていないか?)
- お:置く(置き場所が悪くて二度手間になっていないか?)
スクラップ&ビルドより「微調整」
大きな設備投資を考える前に、「棚の高さを5cm変える」「ゴミ箱にキャスターを付ける」といった、数千円・数分でできる改善を探します。
「やりにくい」という感情を逃さない
ベテランが「慣れ」でカバーしている不便さこそ、最大の改善ポイントです。新人に「どこがやりづらかった?」と聞くのが最も効果的です。
まとめ
食品工場の5Sは、単なる美化活動ではありません。 「探し物をゼロにする」 「歩行距離を最短にする」 「誰でも迷わず作業できる」 これらを追求することで、現場のストレスは激減し、必然的に品質と利益が向上します。
まずは、あなたの足元にある「1歩のムダ」を見つけることから始めてみませんか?
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