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食中毒の原因アニサキス症について徹底解説

食中毒の原因としてもメジャーなカンピロバクターやアニサキス。
アニサキスが原因となる食中毒は約40%も占めているんです!


アニサキスによる食中毒が全体の40%を占める驚きの事実!安全に魚料理を楽しむための知識と対策を徹底解説

アニサキスによる食中毒が全体の40%!

日本では、お刺身やお寿司など、魚介類を生のまま食べる文化があります。しかし、この美味しい文化の裏には、魚介類の中にアニサキス(幼虫)が寄生していることがあり、これが生きたまま体内に入ってしまうと、食中毒の原因になる可能性があります。

美味しい魚料理を安全に楽しむために、アニサキスによる食中毒(アニサキス症)の特徴と予防対策をまとめました。(※1)

 アニサキスとは?

アニサキスは線虫という生き物です。自然界には非常に多くの種類の線虫が存在し、単体で自由に生活す るものや、アニサキスのように他の生き物の体内で寄生生活をする種類も多くいます。 現在、世界では9種類のアニサキス属の線虫が知られています。このうち日本では主に、太平洋側の魚に多 く寄生が見られるアニサキス・シンプレックス・センス・ストリクト(Anisakis simplex s. s.)と、東シナ海から日本海側の魚に多く寄生が見られるアニサキス・ペグレフィー(Anisakis pegreffii)という種類がいます。これら 2種類は形態的に非常によく似ていますが、日本でのアニサキス食中毒の原因はほぼシンプレックスによるものです。しかし、世界的にはペグレフィーでも食中毒が起こっています。どこの産地の魚であっても注意が必要 です。

 




形態

半透明な白色で細長い糸状

体長

約20~35mm

0.3~0.6mm

主な宿主と寄生部分

サバ、サンマ、アジ、カツオ、サケ、スルメイカ、等海産魚介類の内臓周辺、腹腔内、筋肉内

生息可能温度

-20℃以上40℃以下(低温に強い)



アニサキスによる食中毒の症状とは?

食後、数時間〜10時間でみぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐を起こします。

食後、10時間〜数日後に激しい下腹痛、腹膜炎症状を起こす事もあります。

ですが、本症による死亡例は報告されていません。




 アニサキス症による食中毒の原因になりやすい食品は?

サバ、サンマ、アジ、イワシ、ヒラメ、サケ、カツオ、イカ等の海産魚介類の刺身、冷凍処理をしていないシメサバなどの加工品です。

生きたアニサキス幼虫がついたままの海産魚介類を生食、あるいは冷凍や加熱が不十分な状態で食べると、アニサキスによる食中毒を引き起こす事があります。


 アニサキス症を予防するためのポイント


1.鮮魚はすぐに内臓を取り除く

アニサキスは主に内臓の表面に寄生しています が、鮮度の低下や時間経過とともに筋肉 (可食部) 内へ移行する場合があります。氷でよく冷やして 持ち帰り、鮮度が良いうちに内臓を取り除き、お腹 を綺麗に洗って、アニサキスがいないか確認しましょう。しかし、魚が生きている時からすでに筋肉 内に寄生している場合もあるため注意が必要で す。内臓周りの腹身(ハラス)を取り除くことも対策 に有効です。


2.十分に冷凍された魚を選ぶ

-20℃で24時間以上冷凍すれば、アニサキスは死にます。中心部まで完全に冷凍してください。 ※アニサキス食中毒の原因として最も報告が多い魚はサバであり、その内6割は“しめサバ”(※2)です。しめサバを作る 場合は、サバを酢でしめる前か後に冷凍することをお薦めします。


3.加熱調理を徹底する

60℃で1分以上加熱すれば、アニサキスは死にます。筋肉の深くにアニサキスが潜ん でいる場合、表面を少し炙っただけでは退治できません。



4.シメサバの扱いに注意

特にシメサバはアニサキス症の原因になりやすいです。自家製で作る場合は、内臓を早めに除去し、冷凍処理を行うことでリスクを下げることができます。


5.調理器具は使い分ける

魚介類を調理した包丁やまな板で、野菜など別の調理をしないこと。調理器具は使っ た後にすぐ洗い、熱湯で消毒すれば、アニサキスだけでなく他の食中毒の予防対策に もなります。


 アニサキス症に対する誤解と正しい知識

一部では、酢や塩、しょうゆ、ワサビなどの調味料でアニサキスが死ぬといった誤解がありますが、これらの調味料では死滅しません。また、噛み切れば大丈夫という説もありますが、アニサキス幼虫は非常に細くて滑らかであり、噛み切ることはほぼ不可能です。



まとめ


アニサキスによる食中毒は、特に生魚を楽しむ日本の食文化において、衛生管理の観点からも注意が必要です。豊富な水産資源と食文化があるにもかか わらず、アニサキスを恐れるあまり消費者の魚食離れ が起こるとすれば非常に残念なことです。アニサキス食中毒の正しい知識を持つ ことで、魚を取り扱う皆様や消費者の方々の不安の解消につながることを願います。



参考文献

・(※1)日本水産資源保護協会(2019)「アニサキスによる食中毒の現状」

https://www.fish-jfrca.jp/suisan/docs/anisakis/pamphlet.pdf (参照 2024-09-02)

・※2 厚生労働省「平成29年食中毒発生事例」より

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000197210.pdf (参照 2024-09-02)


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