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製品の出来栄えはもちろん、後工程設備の稼働率にも大きな影響を与える装置!?製品情報

食品工場では、製品の形状やサイズを一定に保ちつつ、効率的に大量生産することが求められます。特に、ハンバーグ、餃子、かまぼこ、クッキーなど、均一な外観が求められる製品においては「成型装置」の存在が欠かせません。

本記事では、食品工場向けの成型装置について、基本構造や種類、用途、導入時のチェックポイントなどを、現場視点で詳しく解説します。



成型装置とは?食品に“形”を与える自動化機械

成型装置とは、原料をあらかじめ決められた形状・サイズに加工する装置のことです。食品の成型工程を自動化することで、作業者の負担軽減、歩留まりの向上、品質の均一化が実現できます。

食品業界向けの成型装置は、次のような材料に対応しています。


・ミンチ肉(ハンバーグ、メンチカツなど)

・魚肉すり身(かまぼこ、ちくわなど)

・小麦生地(クッキー、ビスケット)

・粘性の高い原料(餅、あんこ、チーズなど)


成型工程は、原料の投入→圧縮・充填→型成形→排出・搬送→冷却または焼成という一連のサイクルで構成されます。


食品工場で使われる主な成型装置の種類

成型装置は「射出成形方式」や「プレス成形方式」など、プラスチック加工業界でも使われる技術が食品産業向けに応用された例もあります。とくに食品用容器やトレーの形成においては、熱を加えてペレット状の原料を溶かし、金型に射出して形を作る射出装置が使われることもあり、国内外の株式会社や製作所が多様な製品を提供しています。

1. 押し出し式成型装置

原料をスクリューで押し出して、一定形状にカットしながら成型する装置です。ハンバーグやミンチ製品に多く使われています。

特徴

成型速度が早く、大量生産に最適

対応製品

冷凍ハンバーグ、惣菜用ミンチ加工品


2. 型抜き式成型装置

ローラーや金型を用いて、生地を好みの形状に打ち抜くタイプです。お菓子製造などでよく使われています。

特徴

形状のバリエーションが豊富、デザイン性に優れる

対応製品

クッキー、ビスケット、最中の皮

3. 圧縮式成型装置

上下の金型で原料を圧縮し、手作業に近い質感で成型できます。

特徴

柔らかい素材でも安定した成型が可能

対応製品

和菓子、餅、あんこ、魚肉加工品

成型装置の構造と衛生・操作性への配慮

食品工場での使用にあたり、以下の点が構造上の重要ポイントになります。

金型の交換性

製品に応じた型が簡単に交換できる構造

分解洗浄が容易

清掃性の高さはHACCP対応に不可欠

スクリュー構造

粘性のある素材の搬送に必須

温度制御と冷却構造

充填後の冷却処理をライン化できる設計

操作盤の視認性・安全性

タッチパネル式など操作性の高い機種が主流

食品衛生法対応材質

使用部品は全て食品接触材料に準拠し、金属探知機で検出できる樹脂部品を用いるなどの工夫も見られます


また、成型装置は食品の粘度や粒度、水分量により最適な仕様が異なるため、機種選定時には必ず原料サンプルでのテストが推奨されます。近年では、AI搭載のモデルも登場しており、過去の成型データを基にした成形条件の自動最適化や、設備トラブルの予兆検知といった高度な機能も実装されています。

成型装置導入のメリット

人手不足への対応

成型工程の自動化により作業人数を削減可能

生産の安定化

重量・形状のばらつきが減少し、規格外製品の削減

衛生管理の強化

手作業に比べ、コンタミリスクや異物混入の低減が可能

製品ラインナップの拡充

金型交換により、多品種少量生産にも対応可能

工程管理とデータ活用

IoT連携により、温度・圧力・成形時間などの条件を一元管理。トレーサビリティの強化にもつながります。


成型装置の選び方と導入前のチェックリスト

・対象製品の原料物性に合うか?(粘度・粒度・水分量)

・ライン全体とのレイアウト整合性は?

・成型後の工程(冷却・焼成・包装)と連動できるか?

・洗浄・保守点検のしやすさは?

・設備導入に必要なスペース・電源容量は?

・自動化対応機器との連携性は?(ロボット、計量機、検査機など)

食品工場での導入事例

冷凍食品メーカーA社(ハンバーグ)

成型装置を導入し、1日4000食のハンバーグ製造を2ライン化。重量誤差±2g以内に抑えたことで、歩留まりが向上し、食品ロス削減にも成功。


和菓子メーカーB社(餅・あんこ)

従来手包みだった和菓子製品を圧縮式成型に切り替え、品質の均一化と作業者の負担軽減を同時に実現。

惣菜メーカーC社(魚肉ねり製品)

夜間操業で人手が不足していたが、成型装置を導入したことで深夜帯の成型工程を無人化。生産効率が35%向上し、深夜割増人件費の大幅削減にも寄与。

導入時のサポート体制とメンテナンスの重要性

成型装置の性能だけでなく、導入後のサポート体制やメンテナンスのしやすさも非常に重要です。食品工場では、装置が一時でも止まると生産スケジュールに大きな影響を及ぼすため、トラブル発生時の迅速な対応が求められます。


惣菜メーカーC社(魚肉ねり製品)

・全国対応のサービス拠点があるか?

・消耗部品や金型の供給スピードは?

・定期点検やリモートメンテナンス対応の有無

・技術者の派遣までのリードタイム


多くの食品機械メーカーでは、オンライン監視やデータログによる予防保全システムの導入も進んでおり、異常値を検出して保全対応を提案する“ミマモル”型のサービスが広がっています。

成型装置とスマートファクトリー構想

近年、食品業界においてもスマートファクトリー(スマート工場)化が進んでいます。成型装置もその一翼を担う存在であり、IoTを活用したリアルタイムモニタリングや、製造条件の自動記録、履歴管理などへの対応が求められるようになっています。

さらに、ライン全体を通じての連携、たとえば以下のようなシステム統合が進められています

・原料投入から包装・出荷までの一括データ連携

・生産履歴の可視化とHACCP文書自動作成支援

・設備ごとの稼働データをクラウドで一元管理


成型装置はこうした構想の中核機器の1つとして、他の装置やシステムと柔軟に接続できる「オープン設計」が重要視される傾向にあります。



これらを踏まえることで、成型装置の導入は単なる「機械更新」ではなく、工場の未来を支える戦略投資としての意味を持つようになります。

必要なのは、「どの機械を選ぶか」だけでなく、「どう活かすか」の視点です。


まとめ

成型装置は、食品工場の省力化と品質安定を両立させるための中核設備です。射出成形や油圧・電動式の装置を含む多様な方式があり、それぞれに適した用途や製品特性があります。

加熱・溶融・充填・冷却という工程を高精度かつ自動で行い、食品業界における多様なロットやニーズに対応する力を持っています。国内外の多くの株式会社や製作所が開発・提供する成型装置の中から、最適な1台を選ぶことが重要です。

導入にあたっては、性能や環境への配慮はもちろん、メンテナンス性・資料のダウンロード可否・技術支援体制・採用情報など、関連情報を幅広くチェックしましょう。

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