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【2026年版】食品ロス削減の企業事例4選|食品メーカーが今からできる取り組みコラム

食品ロス削減への取り組みは、これまでの「廃棄を減らす」という考え方から、さらに広がりを見せています。
近年では、AIやDXを活用した需要予測、賞味期限の延長、フードバンクへの食品寄附、製造副産物のアップサイクルなど、食品を「捨てない」ためのさまざまな取り組みが企業で進められています。
特に食品メーカーにとって食品ロス削減は、環境問題への対応だけではありません。
・原材料費の削減
・歩留まりの改善
・在庫の適正化
・廃棄コストの削減
・生産性の向上
など、工場の収益性や生産性にも関わる重要なテーマです。
今回は、2026年時点で公表されている行政資料や企業情報をもとに、食品ロス削減に取り組む企業の事例と、食品メーカーが今から取り組める方法を紹介します。
2026年、食品ロス対策は「廃棄を減らす」だけではない
食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず廃棄される食品のことです。
消費者庁によると、2024年度の日本の食品ロス量は461万トンと推計されています。
ただし、今回の記事で注目したいのは食品ロスの「量」ではなく、企業がどのように食品ロスを減らしているのかという点です。
2025年3月には、第2次となる「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」が閣議決定されました。
また、食品寄附をより安全・安心に広げるための「食品寄附ガイドライン」も公表されています。
現在の食品ロス対策の考え方
・そもそもロスを発生させない
・できる限り売り切る
・食品として寄附する
・別の商品に生まれ変わらせる
・飼料・肥料・エネルギーなどに活用する
このように食品ロス対策は、複数の方法を組み合わせて考えることが重要になっています。
参考: 消費者庁「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」
食品ロス削減に取り組む企業事例【2026年版】
ここからは、行政機関が紹介している事例や、企業が公表している取り組みを中心に紹介します。
事例1.ライフコーポレーション|食品残渣をバイオガス発電へ
スーパーマーケットを展開するライフコーポレーションでは、惣菜工場から発生する食品残渣を活用したバイオガス発電に取り組んでいます。
農林水産省が紹介している事例では、惣菜工場の隣にバイオガス発電施設を設置し、工場から発生する食品残渣をエネルギーとして活用しています。
食品工場では、製造工程から一定量の端材や残渣が発生することがあります。
これを単純に廃棄物として処理するのではなく、エネルギーや資源として再利用する考え方は、食品ロス・食品廃棄物対策の選択肢のひとつです。
事例2.日本アクセス|「出さない・売る・配る・リサイクル」
食品卸大手の日本アクセスでは、食品ロスへの対応を複数の段階に分けて進めています。
1.出さない:AIやDXなどを活用して過剰在庫を抑える
2.売る:通常とは異なる販売ルートも活用する
3.配る:必要とする人へ食品を提供する
4.リサイクル:食品として利用できないものを飼料や肥料などへ活用する
この考え方は、食品メーカーにも参考になります。
食品ロスが発生してから「どう処分するか」を考えるのではなく、 「発生を防ぐ → 販売する → 寄附する → 資源化する」 という順番で選択肢を持っておくことが重要です。
事例3.日清食品グループ|賞味期限延長で食品ロス削減
食品ロスは、製造工程だけで発生するものではありません。
商品の賞味期限を延ばすことも、流通・販売・家庭まで含めた食品ロス削減につながる方法のひとつです。
日清食品グループでは、商品の賞味期限延長を進めています。
賞味期限を延ばすことができれば、
・メーカー側での在庫廃棄
・物流段階での期限切れ
・小売店での販売期限切れ
・家庭での廃棄
などを抑制できる可能性があります。
食品メーカーにとって、製造条件、包材、保存技術などを見直すことも食品ロス削減策のひとつです。
事例4.規格外品や食品端材を「新しい商品」に変える
食品ロス削減では、捨てられる可能性があった食品を別の商品へ生まれ変わらせる「アップサイクル」も広がっています。
2025年度の食品ロス削減推進表彰では、八芳園交流コンテンツプロデュースによる規格外食材や食品端材を活用した取り組みが紹介されています。
食品工場でも、
「規格外だから廃棄する」のではなく、
・別の商品として加工できないか
・業務用原料として活用できないか
・他の食品メーカーと連携できないか
と考えることで、新しい価値を生み出せる可能性があります。
食品メーカーが今からできる食品ロス対策
企業事例を見ると、食品ロス削減には大規模な設備投資が必ずしも必要ではありません。
まずは、自社工場のロスが「どこで」「なぜ」発生しているのかを整理することが重要です。
1.食品ロスを工程別に見える化する
最初に確認したいのが、どの工程でどれだけロスが発生しているのかです。
原料受入 → 下処理 → 加工 → 充填 → 包装 → 検査 → 保管 → 出荷
といった工程ごとに、廃棄量や不良数量を記録します。
さらに、「切り過ぎ」「過充填」「重量不足」「包装不良」「印字不良」など、ロスの理由まで分類すると改善対象を見つけやすくなります。
2.需要予測と生産計画を見直す
製造工程に問題がなくても、作りすぎれば最終的に食品ロスにつながります。
販売実績、曜日、季節、キャンペーン、天候などをもとに生産計画を見直し、需要と製造量の差を小さくすることが重要です。
AIや生産管理システムを活用する方法もありますが、まずは計画数量・実績数量・廃棄量を比較するところから始めることもできます。
3.賞味期限を延ばせないか検討する
賞味期限延長は、食品メーカーだからこそ取り組める食品ロス対策のひとつです。
製造方法、包装技術、保存条件などを見直し、品質や安全性を確保したうえで賞味期限を延ばすことができれば、サプライチェーン全体の廃棄削減につながる可能性があります。
4.「売れない=廃棄」以外のルートをつくる
通常の販売ルートでは販売できない商品でも、品質や安全性に問題がなければ別の活用方法を検討できます。
・社員販売
・アウトレット販売
・フードバンクへの寄附
・子ども食堂などへの提供
・業務用への転用
食品寄附を検討する際には、消費者庁が公表している食品寄附ガイドラインなどを確認し、安全管理や情報共有の方法を整理したうえで進めることが重要です。
参考: 消費者庁「食品ロス削減の推進」
5.食品副産物を「資源」として考える
食品製造では、皮、芯、搾りかす、端材など、さまざまな副産物が発生します。
これまで廃棄していたものでも、
・別の食品への加工
・飼料
・肥料
・バイオガス
・化粧品や素材の原料
などに活用できる場合があります。
「廃棄物」として見るのではなく、新たな原料・資源として活用できないかという視点を持つことも重要です。
食品ロス削減は「工場改善」のひとつ
食品ロス対策というと、SDGsや環境活動というイメージが強いかもしれません。
しかし、食品工場にとっては、
・原材料費
・歩留まり
・生産数量
・在庫量
・廃棄処理費
・エネルギー使用量
などにも関係する、非常に身近な工場改善テーマです。
食品ロスを減らすことができれば、環境負荷の低減だけでなく、製造コストの削減や生産性向上にもつながります。
「食品ロスを減らすために何をするか」ではなく、「工場内の無駄を減らした結果、食品ロスも減った」という状態を目指すことが重要です。
まとめ
2026年現在、企業の食品ロス対策は「廃棄量を減らす」だけではありません。
AI・DXによる需要予測、賞味期限延長、食品寄附、アップサイクル、食品残渣のエネルギー利用など、食品を最後まで活用するためのさまざまな取り組みが進められています。
食品メーカーがまず取り組みたいのは、自社工場で発生している食品ロスを見える化することです。
発生させない
↓
売り切る
↓
寄附・転用する
↓
別の商品として活用する
↓
資源として再利用する
この順番で対策を検討することで、自社に合った食品ロス削減方法を見つけやすくなります。
食品ロス削減を環境対策だけで終わらせず、工場の生産性向上や収益改善につながる取り組みとして進めていきましょう。
参考資料
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