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食品工場でも使える!QRコード活用事例3選コラム


 食品工場では、安全・効率・衛生の3拍子が求められる中で、いかに現場の「ムダ」を省くかが課題となっています。そんな中、注目を集めているのが、誰でもすぐに使えるQRコードの活用です。

 「デジタル化は難しい」「ITに詳しくない」という現場でも、QRコードなら貼るだけ・読むだけで作業が一変します。本記事では、現場で実際に役立っている活用事例を5つ厳選して紹介。明日から使えるヒントが満載です!

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食品工場でもQRコードは活用できる?

「QRコードって飲食店のメニューくらいでしか見たことがない」
「うちの工場には関係ないのでは?」と思っている方も多いかもしれません。
 しかし実は、QRコードは食品工場のさまざまな場面で活躍しています

 例えば、作業手順書をいつでも確認できるようにしたり、衛生チェックの記録を簡略化したり、教育コンテンツへのアクセスをスムーズにしたりと、活用の幅は非常に広いです。しかも導入は簡単、コストはほぼゼロ。「貼るだけ・読むだけ」で現場の効率と衛生レベルを大きく底上げすることができるのです。このあと紹介する3つの事例は、いずれも現場で実際に使われている工夫ばかり。どれもすぐに試せる内容なので、自社に取り入れられそうなものをぜひ見つけてみてください。

活用事例①:製造ラインの作業手順書リンク

現場でよくある課題

手順書の所在が不明確

 「作業手順書がどこにあるか分からない」

紙媒体の劣化

 「紙の手順書が破れたり、汚れたりして読めない」

多言語対応が不十分

 「外国人スタッフが理解しづらい」

 こうした声は、製造ラインの現場で日常的に聞かれます。特に多品種・小ロットの生産を行っている工場では、作業手順の入れ替わりが激しく、管理が追いつかないというケースも。

QRコードでどう変わる?

手順書が“すぐに見られる”環境に

 製造ラインごと、あるいは作業機器ごとに専用QRコードを貼付することで、スマートフォンやタブレットで作業手順書に即時アクセス可能になります。

活用方法の具体例

 ▶ QRコードを読み込むと、クラウドに保存されたPDFマニュアルが表示される

 ▶ 動画形式で視覚的に作業工程を確認できる

 ▶ 言語切り替え機能により、外国人スタッフも母国語で確認できる

導入効果

教育コストの削減

 新人教育にかかる時間や手間が減少し、作業者がより早く独り立ちできるようになります。マニュアルの配布や説明の手間も軽減され、教育担当者の負担が軽くなります。

作業ミスの防止

 いつでも正しい手順を確認できるため、作業者の記憶や経験に頼らず、一定の品質が保たれます。ミスや手順違反の防止に大きく貢献します。

印刷コスト・管理負担の軽減

 紙のマニュアルを都度印刷・差し替える必要がなくなるため、コストも削減できます。更新もクラウド上で一括管理でき、管理者の業務も効率化されます。

活用事例②:衛生チェックリストの電子化

現場でよくある課題

紙のチェックリストの手間

 「作業ごとに紙のリストへ記入が必要で、時間がかかる」

記入漏れ・虚偽記録のリスク

 「書き忘れや、記録したように見せかける不正が起きやすい」

保管や確認が煩雑

 「チェックリストの管理や監査対応が手作業で非効率」

QRコードでどう変わる?

チェック入力が“その場”でできる仕組み

 各衛生管理ポイント(手洗い場、エアシャワー、入室前の鏡の前など)にQRコードを設置。読み取った先で簡易的なフォーム入力やチェックができるようにすることで、ペーパーレスかつリアルタイムの管理が可能になります。

活用方法の具体例

 ▶ QRコードを読み込むと、スマホやタブレットにフォームが表示される

 ▶ 項目にチェックを入れて送信するだけで記録完了

 ▶ 記録はクラウドに自動保存され、後から確認・集計も可能

導入効果

記入ミスや虚偽記録を防止

 デジタル記録は入力時間や場所のログも記録されるため、不正の抑止効果があります。記入漏れのアラート機能も付ければ、さらなる安心に。

管理・監査がスムーズに

 紙に比べて、記録の検索や集計が圧倒的に早くなります。監査や是正対応の際にもデータを即時提示でき、信頼性の高い対応が可能です。

業務効率と衛生意識の向上

 記録の手間が減ることで、衛生管理そのものに集中できます。チェックする意識が習慣化され、衛生水準の底上げにもつながります。

活用事例③:在庫・ロット管理との連携

現場でよくある課題

ロット番号の書き間違い

 「手書きによる記録ミスでトレーサビリティが不完全に」

在庫情報の更新遅れ

 「入出庫のタイミングで管理システムが追いつかない」

棚卸の時間がかかりすぎる

 「手作業による集計で、人的リソースも時間も膨大」

QRコードでどう変わる?

在庫やロットの“リアルタイム追跡”が可能に

 資材や製品ごとにQRコードを発行し、入庫時・使用時・出庫時に読み取る運用をすることで、リアルタイムに在庫状況やロットの流れを把握できます。

活用方法の具体例

 ▶ 入庫した段ボールやパレットにロット別QRを貼付

 ▶ 製造時・使用時に読み取るだけで数量や日付が自動記録

 ▶ システムに連携することで在庫残や使用履歴を一元管理

導入効果

トレーサビリティの強化

 ロット情報の誤記載や記録漏れが防止され、問題発生時にも迅速な追跡・対応が可能になります。

棚卸作業の効率化

 読み取りによるデータ集計で、在庫数の把握が自動化。棚卸作業の時間が大幅に短縮され、労働負担も軽減されます。

入出庫管理の精度向上

 人の手を介さない記録により、記録の精度が向上。在庫の過不足や誤出荷などのヒューマンエラーを大きく削減できます。

QRコードを導入する時のポイント

 事例①〜③を通して見えてきた共通の導入ポイントを以下に整理します。QRコード導入を成功させるための準備と運用のヒントとして、ぜひ活用してください。

通信環境と端末の整備

安定したネットワークの確保がカギ

 現場でQRコードを活用するには、安定したWi-Fiやモバイル通信環境が必要です。とくにクラウド型のマニュアルや記録システムを導入する場合、読み込みの遅さや接続切れは作業ストレスにつながるため、通信環境の整備は最優先事項といえます。

スマホやタブレットの使用ルールも整備

 スマートフォンやタブレットを使うためのルール作りも同時に行いましょう。私物端末の使用可否や使用時間の制限、清掃・消毒の手順を決めておくことで、食品工場内でも安心して運用できます。

印刷と設置方法の工夫

耐久性に優れた印刷方法を選ぶ

 耐水性・耐熱性のある素材を使ったシール印刷が推奨されます。水場の多い工場では、通常の紙製QRコードはすぐに劣化するため、ラミネート加工や防水・耐熱ステッカーの導入が有効です。

視認性と動線を意識した設置

 作業者がスムーズにアクセスできるように、視認性の高い位置に貼付しましょう。動線を妨げないように、かつ手を伸ばしやすい場所を選ぶことが重要です。

情報更新と運用ルールの整備

定期更新のルールを設ける

 マニュアルや在庫情報、記録フォームなどは定期的な見直しと更新スケジュールを設けておきましょう。古い情報が表示され続けると、現場の混乱や事故の原因になります。

「誰が・いつ・何を更新するか」を明確に

 情報更新の責任者や手順を明文化しておくことで、トラブルや抜け漏れを防止できます。更新履歴を残す仕組みもあわせて取り入れると、監査対応にも役立ちます。

 まとめ|QRコードは小さなツール、大きな力

 食品工場における業務改善や衛生管理の強化は、複雑で大がかりなシステム導入だけが答えではありません。QRコードというシンプルなツールでも、作業手順の共有、記録の効率化、在庫・ロット管理まで、あらゆる場面で現場を変える力を発揮できます。

 特に人手不足や多国籍スタッフが多い現場では、「誰でもすぐ使える仕組み」としてQRコードの利便性は際立ちます。最初は一つの工程からでも構いません。まずは“貼るだけ、読むだけ”の第一歩を踏み出してみてください。明日からの現場が少し楽に、そして少し安全になるヒントが、QRコードには詰まっています。

 

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