食品工場の現場では、検品やラベル確認、製品のチェックなど、意外と目を酷使する作業が多いものです。細かい作業や一定の光環境にさらされることで、気づかないうちに"目の疲れ（眼精疲労）"が蓄積されていきます。

今回は、目の疲れや疲労感の原因、そしてその解消法・セルフケア法について、休憩中にもできる簡単な方法を中心にご紹介します。目の健康は集中力や作業効率にも大きく関わるため、ぜひ日々の対策に取り入れてください。

目の疲れはなぜ起こる？

　作業に集中していると気づきにくいですが、目の疲れにはいくつかの原因があります。とくに食品工場ならではの環境にも注目することが大切です。

一定の光環境による負担

　工場内は明るく照明が整っている反面、目にとっては光の反射や刺激がストレスになることも。特に白色や銀色のパッケージは光を強く反射し、目に負担をかけます。こうした反射光は、眼球の表面にダメージを与えやすく、涙の蒸発を促進させて乾燥の原因にもなります。

長時間の同じ姿勢

　実は、肩や首のこりが目の疲れにつながることも。目の奥が重だるく感じるときは、血流の悪化が原因になっている場合があります。とくにスマートフォンやパソコン画面を使う作業では、目と画面との距離が近くなりがちで、眼精疲労が進行しやすくなります。

細かい作業の繰り返し

　検品や計量、ラベル貼りなど、視線を集中させる作業が多いため、目の筋肉（毛様体筋）が緊張しっぱなしに。まばたきの回数が減ることでドライアイにもなりやすくなります。また、目の位置を変えずに画面や対象物を長時間見続けると、疲れ目を引き起こしやすくなります。

目の疲れが引き起こすリスク

　目の疲れを軽視して放置してしまうと、思わぬ不調や作業への支障をきたすことがあります。ここでは、放っておくことで起こりうるリスクについて紹介します。

視力の一時的な低下

　目の焦点が合いにくくなり、細かい作業や検品でのミスにつながります。

頭痛や吐き気

　眼精疲労が悪化すると、身体の自律神経に影響を与え、頭痛や吐き気を引き起こすことも。

肩こり・首こりとの連動

　目の疲れと首・肩のこりは密接に関連しており、全身の疲労感へと波及する可能性もあります。

集中力の低下

　視界のぼやけや目の痛みは、集中を妨げ、作業の質を下げる要因になります。

休憩中でもできる！目の疲れ解消セルフケア

　短時間でもできる目のリフレッシュ法を紹介します。毎日の休憩に取り入れて、少しでも目の負担を軽くしましょう。

ホットアイケア

　眼を温めることで血流がよくなり、眼精疲労の回復を促します。

セルフケア手順

　１．蒸しタオルや市販のホットアイマスクを使って、目をじんわり温める

　２．5分程度でリラックス効果が期待できます

　３．目尻や目頭のあたりまで包み込むように温めるのがポイントです

目の周囲のストレッチ＆ツボ押し

　目の周りの筋肉を動かすことで、緊張をほぐし血流を促進します。特に目の疲れを感じやすい部分には、ピンポイントで働きかけることで効果的なリフレッシュが期待できます。

セルフケア手順

　１．まぶたをギュッと閉じてパッと開ける運動を数回繰り返す

　２．眼球を上下左右にゆっくり動かす体操もおすすめ

目の疲れに効く代表的なツボ

ツボ押しは指で軽く圧をかけ、5秒程度キープするのがポイントです。

• 睛明（せいめい）： 目頭と鼻の付け根の間にあるくぼみ。目の疲れや充血に有効です。
• 攅竹（さんちく）： 眉頭のすぐ下。目の奥のだるさや頭痛を和らげます。
• 太陽（たいよう）： こめかみの中央。目のかすみや眼精疲労に効果的。

ツボを押す際は無理のない範囲で行い、気持ちよいと感じる強さに調整しましょう。

遠くを見る＆まばたき意識

　目の周りの筋肉を動かすことで、緊張をほぐし血流を促進します。特に目の疲れを感じやすい部分には、ピンポイントで働きかけることで効果的なリフレッシュが期待できます。

セルフケア手順

近くばかりを見ていた目を、遠くに向けてリセットしましょう。

　１．屋外や窓の外を数分眺める（目のピント調節機能がリラックス）

　２．意識してまばたきを増やし、涙の蒸発を防ぐ

　３．乾燥が気になる場合は、目薬やコンタクトレンズの保湿機能を活用するのも有効です

日常習慣でも差が出る！目の疲れに効く生活習慣

　目の疲れは一時的なケアだけでなく、日々の生活習慣の改善が大きく影響します。ここでは、日常の中で意識したいポイントをさらに詳しく解説します。

栄養バランスの良い食事

　ビタミンA・C・E、ルテイン、アントシアニンなどの栄養素は目の健康に効果的です。緑黄色野菜やブルーベリー、ナッツ類などを積極的に摂りましょう。ビタミンEは毛細血管の血流を促進し、眼精疲労の緩和にも役立ちます。

目に良い食材の例

• 　ルテイン（ほうれん草、ブロッコリー）
• 　ビタミンA（にんじん、レバー）
• 　アントシアニン（ブルーベリー、黒豆）

睡眠の質を高める

睡眠中に目の疲れは回復します。

• スマホやPCは就寝1時間前にはオフ
• 寝る前の深呼吸やストレッチで自律神経を整える
• 目をしっかり休める時間を意識的に確保する

定期的な目の休憩を忘れずに

　1時間に1回、1〜2分だけでも遠くを見たり目を閉じたりすることで、疲れの蓄積を防げます。また、作業場所の照明が明るすぎたり、反射が強い場合は、目にストレスを与えてしまいます。可能であれば、作業台の照明の角度を調整したり、まぶしさを抑えるフィルムを使用するのも効果的です。

目の疲れをケアする便利アイテム紹介

セルフケアに加えて、市販アイテムを活用することでより効率的に疲れを和らげることができます。ここではおすすめのアイテムをご紹介します。

ホットアイマスク

　繰り返し使えるタイプや使い捨てタイプがあり、目元をじんわり温めてくれます。

ブルーライトカット眼鏡

　ラベル確認用の端末やパソコンを使用する際に、目を守ってくれます。

目元マッサージャー

　軽い振動や温熱機能を備えた機器で、目の周囲の筋肉をリラックス。

眼精疲労用目薬

　血行促進成分やビタミンが配合された目薬は、乾燥や疲れに効果的です。

冷タオル＆蒸しタオルの併用

　温冷刺激で血行を促し、緊張を緩和します。

まとめ・関連記事

目の疲れは早めのケアが大切！

　目の疲れは、体調や集中力、作業の正確性にも影響を与えます。食品工場で働くあなたにとって、目の健康は安全な作業のカギともいえるでしょう。

　今日からできるセルフケアや生活習慣の見直しで、目の疲れをやさしくリセットしていきましょう。

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