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食品工場のコスト削減術|潤滑剤見直しで大幅コストダウンも可能?チェックリスト付きコラム

2025年、食品業界はかつてないほどのコスト高に直面しています。 原材料費や人件費の高騰が続くなか、"見落とされがちなコスト"に注目する企業が増えています。そのひとつが、食品工場で日常的に使われている潤滑剤やグリースです。本記事では、潤滑剤の役割、安全性、コスト削減の可能性について解説し、現場でできる実践的な見直しポイントを紹介します。
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潤滑剤・グリースは“使うのが当たり前”ではない
潤滑剤は食品工場にとって欠かせない存在ですが、つい惰性で使い続けているケースも少なくありません。この章では、そもそも潤滑剤とは何か、そして食品用潤滑剤がどのような基準で選ばれるべきかを解説します。
潤滑剤の役割とは?
潤滑剤(潤滑油、グリース)は、生産ラインの可動部(チェーン、ギア、軸受など)の摩耗を防ぎ、スムーズな稼働を支える役割を担います。摩耗や摩擦の軽減に加えて、金属部品の表面に油膜を形成することで錆の発生を防止する効果もあります。これにより機械寿命の延長とともに、食品工場内の衛生環境維持にもつながります。
また、潤滑剤の「利用方法」によっても効果に差が出るため、単に良い潤滑剤を選ぶだけでなく、正しいタイミングと適量を守ることが重要です。特に「潤滑剤」のタイプを適切に選定することは、食品安全とメンテナンス効率の両立を図る上で不可欠な要素といえるでしょう。
★潤滑剤についてはこちら
FOODTOWNアドバイザーが食品用潤滑剤・グリースを徹底解説!
食品製造では、機械の停止が納期や品質に直結するため、安定稼働を支える潤滑剤は不可欠な存在です。
食品用潤滑剤の定義と規格
食品用潤滑剤とは、食品と意図せず接触する可能性のある機械に使われる潤滑剤で、米国NSF H1規格や日本のJIS規格に準拠したものが推奨されています。安全性が担保されているものの、製品ごとのグレード差があり、選定ミスによってコストが無駄に膨らんでいるケースもあります。
潤滑剤コストは見えにくい“隠れコスト”
食品工場では目に見えやすい原材料費や人件費に目が行きがちですが、潤滑剤のような小さなコストも積み重なると大きな負担になります。この章では、潤滑剤がどのようにコストに影響するのか、そして見直すための視点について整理します。
潤滑剤がコスト高になる理由
高グレードの食品用潤滑剤(潤滑油やグリース)は、一般工業用と比べて数倍の価格差があることもあります。特に食品安全基準を満たすNSF H1認証やJIS規格準拠の製品では、品質の高さに比例して価格が上昇しやすくなります。また、潤滑剤の種類や用途を十分に精査せずに導入した場合、想定以上のコストを生むことがあります。さらに、過剰な頻度での交換や潤滑油・グリースの塗布量の過不足も、無駄な使用につながり、ランニングコスト増の要因となります。
コストを“見える化”するポイント
まずは潤滑剤使用状況の見えるから始めよう
どの機械にどの潤滑剤をどのくらい使っているのかを明確にすることで、無駄な使用や発注漏れを防ぐことができます。日々の使用量を記録するだけでも、大きな差異に気づける場合があります。
オーバースペック製品の使用有無を確認
必要以上に高性能な潤滑剤を使っていないかを見直すことは、コスト削減の基本です。用途に適したグレードを選定するだけで、品質を落とさずにコストを抑えることができます。
他社製品とのコスト比較
同等性能の潤滑剤でも、メーカーによって価格差があります。複数のサプライヤーに見積もりを取ることで、コストパフォーマンスの高い製品を選定できる可能性があります。
これらをチェックするだけで、今まで気づいていなかったコスト改善の余地が見えてきます。
潤滑剤の最適化による具体的な効果
潤滑剤の選定や運用を見直すことで、どのようなメリットが得られるのか。本章では、材料費・保守・設備の3つの視点から、実際に得られる成果を具体的に解説します。
適正な潤滑管理で得られる3つのメリット
材料費の削減
潤滑剤のグレードや成分によって価格には大きな差があります。適正なグレードに見直すことで、必要以上に高価な製品を避けられ、潤滑剤自体の購入コストを圧縮できます。
メンテナンス頻度の削減
潤滑剤の粘度や耐久性が適切であれば、安定した潤滑効果が長く持続します。その結果、塗布・交換の頻度が下がり、作業時間や人手の節約にも貢献します。
機械トラブルの予防
潤滑不足や過剰給油は、焼き付きや摩耗などのトラブルの原因になります。適切な量とタイミングで潤滑を行うことで、故障リスクを低減し、機械寿命の延長や安定稼働にもつながります。
現場の習慣と体制が最適化の成否を決める
潤滑剤の最適化は、単なる製品選定ではなく、現場の使い方・管理体制といった“人と仕組み”に関わる運用全体の見直しが不可欠です。使用方法が属人化していたり、管理ルールが曖昧なままになっている場合には、どれほど良い製品を選んでも期待する効果は得られません。現場での運用フローを整えることが、最適化の出発点になります。
潤滑剤見直しの現場チェックリスト
実際に潤滑剤を見直すには、まず自社の現状を正しく把握することが大切です。この章では、現場でチェックすべきポイントを表で整理しました。
潤滑剤見直しの成果を最大化するために
潤滑剤の見直しは、単にコストを削るだけの作業ではありません。改善効果を継続的に維持・発展させるには、組織的な体制や情報共有の仕組みが不可欠です。最後に、潤滑剤最適化の成果を最大限に活かすための実践ポイントを解説します。
社内の責任体制を明確にする
潤滑剤の選定や運用管理は、現場の保全担当者が実務を握っていますが、コスト改善として取り組むには経営・管理部門との協働が不可欠です。購買担当者や設備担当者と連携し、目的と数値目標を共有することが成功の鍵となります。
情報共有とPDCAサイクルの定着
外部の潤滑剤メーカーや専門商社からの情報提供を活用することで、自社では気づけない最適解にたどり着けることがあります。また、一度見直したあとも定期的に改善サイクルを回す仕組みを構築することが重要です。
まとめ
潤滑剤は食品工場にとって欠かせない存在ですが、選び方や使い方を見直すだけで、思いもよらぬコスト削減につながる可能性を秘めています。 まずは「見える化」から着手し、現場に潜む“無駄”や“過剰”を洗い出すことが改善の第一歩です。ぜひ現場で確認し、できるところから改善を始めていきましょう。
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