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食品工場の資格ガイド|ボイラー技士とは?コラム


 ボイラー技士は、食品工場の安定稼働を支える“縁の下の力持ち”。加熱・殺菌・蒸気利用など、食品の製造に欠かせない熱源設備を安全に運用するためには、確かな知識と技術を持った専門人材が必要です。

 本記事では、ボイラー技士の役割・資格の種類・取得方法・現場でのメリットをわかりやすく解説。食品工場でのキャリアアップや、安全管理の体制強化を目指す方におすすめの内容です。

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食品工場におけるボイラー技士の役割とは?

熱源設備の安全運転を担う専門職

 食品の蒸気加熱や洗浄工程、包装機器の温調に至るまで、熱エネルギーは食品工場のあらゆる工程に関与しています。ボイラー技士は、これらの熱源となるボイラーの点検・管理・運転操作を行う国家資格保持者。万が一の事故やトラブルを防ぐ、安全管理の要でもあります。

効率的なエネルギー管理と法令対応のキーパーソン

 ボイラーは法令によって運転や保守に関する厳格な管理が求められており、資格を持った技術者が対応することが義務化されているケースも多くあります。また、燃料使用量や排熱回収、CO₂排出削減といったエネルギー効率の改善を図るうえでも、ボイラー技士の役割は極めて重要です。

ボイラー整備士との違い

 ボイラー技士と似た名前の資格に「ボイラー整備士」という資格もありますが、これはボイラー技士とは異なる国家資格です。
 ボイラー技士は「運転・操作」を担当するのに対し、ボイラー整備士は「整備・点検・補修」を専門に行う国家資格です。整備士の資格は、特に高圧ボイラーを分解整備する場合に必要となります。
 両者はそれぞれ役割が異なりますが、安全で効率的なボイラー運用のためには、どちらの資格者も現場で重要な役割を果たします。

ボイラー技士の種類と取得方法

資格区分の違い(特級/一級/二級)と業務範囲

資格区分、受験資格

 ボイラー技士の資格にはレベルに応じて3つの区分があります。区分によって扱える設備の規模や管理業務の範囲が異なります。また、等級によって受験するための条件が異なります。実務経験や下位資格の取得が必要なケースもあり、段階的にステップアップしていく仕組みです。


区分

操作可能なボイラーの種類/規模

受験資格

特級

複数のボイラーの管理や大規模施設のエネルギー管理(管理職・監督職向け)

一級取得後、さらに実務経験2年以上。管理監督者としての知識と経験が求められる

一級

すべてのボイラー(特級が必要な場合を除く)

二級取得後、ボイラー実務経験1年以

二級

小型ボイラーおよび伝熱面積25㎡未満のボイラー

誰でも受験可能(指定の講習を修了している必要あり)

 食品工場では主に一級または二級ボイラー技士の資格が求められることが多く、扱う設備の規模に応じて適切な資格取得が必要です。

試験内容

 2級は誰でも受験できますが指定の講習を事前に修了している必要があります。講習は全国の指定機関で受講可能で、一定期間の受講と修了試験の合格が必要です。


区分

主な試験科目

試験形式

特級

設備管理全般、複数設備の統括、安全衛生管理、関係法令の応用解釈など

筆記試験(記述含む)

一級

二級の範囲+応用的な設備管理、蒸気の性質、安全設計知識など

筆記試験(択一式)

二級

機械、燃焼、燃料、ボイラー構造、関係法令

筆記試験(択一式)

 試験は全国各地で年に数回実施され、詳細は各地域の労働局や試験センターの公式情報で確認できます。実技試験はありません。

費用

 受験料は等級により異なりますが、数千円〜1万円台が一般的

 講習費用は1万円〜3万円前後

ボイラー技士が食品現場にもたらすメリット

安全・安定稼働による生産トラブルの予防

 資格保有者がボイラーを管理・運用することで、事故・爆発・蒸気漏れといった重大トラブルのリスクを回避できます。生産ラインを止めることなく、安定した稼働を維持できることは食品工場にとって大きな強みです。

燃料コストの削減と環境負荷の低減

 ボイラーの稼働効率を適切に維持・調整できる人材がいることで、燃料のムダを防ぎ、ランニングコスト削減にも貢献。また、省エネ化やCO₂排出削減といった環境配慮の取り組みとも密接に関係しています。

国家資格による信頼性とキャリアアップの後押し

 ボイラー技士は国家資格であるため、工場内外問わず信頼性の高いスキルとして評価されます。昇進や異動時に有利に働くほか、資格手当が支給される企業もあります。将来的には設備保全・工場管理部門へのステップアップを目指すことも可能です。

まとめ|熱”を扱う技術者として現場を支える資格

 ボイラー技士は、食品工場の「見えない基盤」を支える技術者として欠かせない存在です。安全な設備運用と効率的なエネルギー管理を両立し、工場の安定稼働に大きく貢献します。比較的短期間で取得可能な二級から始め、実務を積みながら上位資格へのステップアップが可能なのも魅力のひとつです。

 これから食品工場で活躍したい方、設備保全・エネルギー管理の分野で専門性を身につけたい方は、まず「ボイラー技士」の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?

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