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食品工場の資格ガイド|衛生管理者とは?コラム

食品工場での安全・安心な製造を支える「衛生管理者」という資格をご存じですか? 食品を扱う現場では、従業員の健康管理や作業環境の衛生状態を適切に保つことが、品質維持や事故防止の観点から非常に重要です。
本記事では、衛生管理者の役割や取得方法、食品工場での活かし方までをわかりやすく解説します。「工場内の衛生管理を強化したい」「キャリアアップを目指したい」そんな方に向けた、実用性の高い資格ガイドです。
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従業員の健康と作業環境を守る責任者
衛生管理者は、労働安全衛生法に基づき「常時50人以上の労働者がいる事業場」において選任が義務づけられている国家資格です。食品工場では、製造室の温湿度管理、作業員の健康・衛生教育、清掃手順の監督など、幅広い範囲で現場の衛生を担保する存在として活躍します。
HACCP対応の現場でニーズ増加
近年、HACCP制度化の影響もあり、工場内での衛生意識が一段と高まっています。特に食品工場では、異物混入防止や温度管理の徹底などが厳格に求められるようになり、衛生管理者の重要性が一層増しています。衛生管理者は法令順守だけでなく、HACCPの構築・運用面でも頼られる存在になりつつあり、現場のルール作りや従業員への教育・指導の中心的な役割も担っています。
衛生管理者の種類と取得方法
衛生管理者は国家資格です。免許の認定(試験の実施)は、公益財団法人 安全衛生技術試験協会(安衛協)が行っており、全国7ヶ所にある安全衛生技術センターで実施する試験に合格し、都道府県労働局長に申請することで交付されます。ここでは、第一種・第二種衛生管理者の違いから、受験資格、試験内容、合格率、費用、学習法までを詳しく解説していきます。
衛生管理者の種類
衛生管理者には「第一種」と「第二種」があり、それぞれに対応する業種が異なります。
第一種衛生管理者
すべての業種に対応(食品・化学・建設など)に対応し、有害物質を扱う工場や衛生管理上のリスクが高い現場でも活動できます。そのため、食品製造業のように異物混入や衛生事故が直接品質や健康に関わる業種では、この資格が必要不可欠です。
第二種衛生管理者
事務職や小売業など、危険性の低い「非有害業種」専用の資格です。比較的簡易な衛生管理が求められる職場向けであり、食品工場には適用されません。
※食品工場で必要なのは第一種です。食品衛生の専門性が問われるため、適切な知識と対応力がある人材が求められます。
受験資格
衛生管理者の試験を受けるには、一定の学歴や職務経験が必要です。具体的には、次のいずれかの条件を満たしていれば受験資格があります:
・高校卒業以上の学歴があり、職場で3年以上の実務経験がある方
・大学または短大を卒業し、理系分野(保健・衛生・化学など)の科目を履修している方
これらの条件は、衛生や労働安全に関する基礎知識と現場経験があることを前提としています。 食品工場での衛生管理を任せられる人材として、現場理解と専門的な視点を持っていることが求められます。
試験概要と難易度
科目数
7科目
- 労働衛生①:有害業務に関する知識(化学物質、騒音、粉じんなど)
- 労働衛生②:作業環境・作業条件・労働衛生一般
- 関係法令:労働安全衛生法、関連規則など法令全般
- 労働生理:人体の構造と機能、疲労、休養、作業における身体的反応など
- 労働安全:機械災害、転倒・感電防止など、事故災害の予防
- 作業環境管理:温湿度、照度、換気、騒音など職場環境の測定と管理
- 作業管理および健康管理:作業姿勢、作業時間、健康診断、過重労働対策などの人的管理要素
試験形式
全択一式、40問中30問以上正解で合格
合格率
例年40~50%前後。しっかり対策すれば十分合格可能です。
費用の目安と支援制度
受験料
6,800円(R6年現在)
企業のスキルアップ支援制度の活用も検討を!
衛生管理者の受験や講座受講にかかる費用は、個人で負担するだけでなく、企業が支援してくれる場合もあります。たとえば、「資格取得支援制度」や「教育訓練費用補助制度」などを導入している企業では、講座費用の一部または全額が補助されることがあります。まずは自社の制度を確認し、活用できるものがあれば積極的に利用しましょう。
試験対策のポイント
法律問題や用語を正確に押さえることがカギ
衛生管理者試験では、専門用語や法令の細かい違いが問われるため、暗記だけでなく正確な理解が必要です。特に関係法令の分野では、言い回しの違いが正誤に影響することがあるため、丁寧な確認が大切です。
独学者は過去問中心の学習が効果的
試験問題は過去の出題傾向を踏襲しているため、過去問を繰り返し解くことで出題パターンを掴めます。間違えた問題は解説を読み、理解を深めるようにしましょう。
スクール・通信講座の活用で学習効率アップもおすすめ
時間が限られている方や独学に不安がある方は、講座の活用が効果的です。重要ポイントを効率的に学べるうえ、模擬試験や講師のフォローで合格までの道筋が明確になります。
衛管理者が現場にもたらすメリット
現場の衛生レベル向上に直結
衛生管理者の配置により、作業場の清潔維持や作業員の衛生意識の向上が期待できます。
HACCP対応や外部監査への対応力が強化され、品質管理体制の安定に貢献します。
コンプライアンスと事故防止の両立
衛生管理者は、労働災害の予防体制を構築し、法令順守を徹底する重要な役割を担います。 作業環境の点検、記録の管理、健康診断の実施といった基本的な取り組みを継続することで、労働災害のリスクを未然に防ぎます。 これは、働く人の安全を守るだけでなく、企業の信頼性向上やクレーム予防にも繋がり、企業ブランドと顧客からの評価を高めます。
キャリアと評価に直結する国家資格
食品業界での希少価値が高い資格として、管理職候補や衛生責任者ポジションへの登用にもつながります。将来的には、品質管理者や工場長へのステップアップにも有利です。
まとめ|衛生管理者は食品工場の信頼を支える資格
衛生管理者は、食品工場における衛生・安全管理の土台を築く重要な国家資格です。
従業員と製品の安全を守り、キャリア形成にもつながる点で非常に魅力的。
現場の“見えないリスク”を見逃さず、安心と信頼を支える存在として、あなたの工場にとっても、きっと欠かせない力となるでしょう。
取得を迷っている方は、まずは過去問のチェックや無料セミナーへの参加から始めてみてはいかがでしょうか?
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