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食品工場の異物混入を防げ!検査機関の活用方法と選び方ガイドコラム

異物混入が発生したとき、原因を突き止め再発を防ぐには「検査機関」の力が欠かせません。社内調査だけでは限界がある中、専門的な分析手法や客観的な報告書で、迅速かつ的確な対応が可能となります。本記事では、食品製造現場における異物混入の対策として検査機関をどう利用すべきか、選定時の注意点や活用事例を交えて詳しく解説します。
検査機関が担う異物混入対策とは?
検査機関とは?
検査機関とは、食品工場などで発生した異物混入や衛生トラブルに対し、科学的かつ客観的な検査・分析を行う第三者機関のことを指します。これらの機関では、物理・化学・微生物などさまざまな視点から異物の正体や原因を調査し、必要に応じて対策のアドバイスや再発防止の指導も行います。
主な利用ケース
主に以下のようなケースで検査機関が利用されます:
- 原因不明の異物混入が発生した際の素材同定
- 異臭・変色・カビなど、品質異常の発生原因調査
- 顧客からのクレーム対応や社内報告書の裏付けデータ取得
- 新製品開発時の衛生リスク評価
公的な研究機関から民間の専門ラボまで、対応範囲や設備・技術力は機関ごとに異なるため、用途や目的に応じた選定が重要です。
食品工場で発生する異物混入の現実
製造工程中に混入しやすい異物には以下のようなものがあります:
金属片(破損した機械部品)
ベルトコンベアやカッターなどの老朽化・破損部から発生することが多く、磁力選別機の導入である程度防止可能です。
プラスチック片(パッケージ材料やペン部品)
包材の裁断ミスや、従業員の文具のパーツが原因になることもあります。
ガラス片(照明・容器などの破損)
工場内のガラス器具や落下した照明カバーからの飛散が主な原因です。
繊維くず(作業着や手袋由来)
ナイロンや綿素材の衣類から繊維が落下するケースが多く、静電気によって製品に付着することもあります。
木片やゴム片(パレットや部品由来)
搬送時に使用される木製パレットや緩衝材の摩耗が原因となります。
虫や毛、骨などの生物由来の異物
原材料や作業環境に由来するケースもあり、衛生管理の徹底が求められます。
よくある混入ルートの例
原材料搬入時の包装破損
原料が梱包された袋が破れたり、異物がすでに包装内に混入しているケースもあります。仕入れ先の品質保証体制の確認が重要です。
設備の劣化や部品摩耗
定期的なメンテナンスを怠ると、金属粉や部品の破片が製品に混入するリスクが高まります。
作業者の衣服や持ち込み物
ペン、手袋、マスクなどのパーツが製造ラインに落下する事例も多く、持ち込み物の制限ルールや入退室チェックの強化が求められます。
こうした異物の正確な分析と再発防止には、外部の専門機関の知見が不可欠です。
検査機関で行われる主な検査内容
食品工場で発生した異物の正体や原因を突き止めるために、検査機関では多岐にわたる試験・分析が行われます。検査の方法や項目は異物の性質によって異なり、微生物、化学物質、物理的な特徴など、さまざまな視点からアプローチされます。ここでは、検査機関で一般的に実施される主な検査項目とその内容について紹介します。
1. 物理的検査
- 異物の外観や硬さ、質感などを観察し、製造ライン上のどの工程で混入したかを推定します。
- 光学顕微鏡やX線、ステンレス製器具による検出が用いられることもあります。
- 外観検査では異臭の有無なども評価されます。
2. 化学的検査
- 成分の分析を通じて、異物の素材や構成を特定します。
- フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)や蛍光X線分析装置などを用いて、金属や油性インクなどの化学成分を調査します。
- カタラーゼなど酵素類による変質も調べる場合があります。
3. 微生物検査
- カビ、細菌、酵母などの微生物汚染が疑われる場合に実施されます。
- 菌の同定や数値測定、カビの種類特定などが行われ、再発防止策の提案につながります。
- ペットフードや動物用医薬品を扱う製造現場では動物由来の菌のチェックも重要です。
検査依頼の流れとポイント
検査を依頼する際の基本的な流れは以下の通りです:
1.異物の採取・保管
付着している製品や包装、関連情報をできるだけ多く集め、清潔に保管。
2.検査依頼書の作成
異物の発見状況、混入時期、希望する検査項目などを明記。
3.フォーム送信・相談
サイト上の専用フォームやメールを通じて、正式に依頼を行います。
4.検査の実施・報告
測定・分析が行われたのち、報告書が届けられ、対策に活用します。
※検査費用や納期は検査機関によって異なるため、事前に相談・見積もりが重要です。
検査機関を選ぶ際のチェックポイント
検査機関を選定する際には、単に価格や納期だけでなく、対応力や実績、技術的な裏付けなどを総合的に判断することが求められます。特に食品異物に関する実績や、分析に使用する設備、提供されるサポートの内容などが重要な判断材料になります。
チェックポイント
- 食品異物に対応実績があるか
- 異物分析や物質同定に必要な機器を備えているか
- 顧客サポート(相談対応、情報提供など)が充実しているか
- 必要に応じて出張採取・現場調査が可能か
- 替えの検体を用意する必要があるかどうか
- 衛生管理に関する取り組みやコンサルティングも行っているか
まとめ・関連記事
検査機関との連携がもたらす効果
異物混入の原因を正しく突き止め、再発を防ぐには、信頼できる検査機関との連携が重要です。調査・分析・対策まで一貫してサポートしてくれる機関を選び、適切な方法で依頼を行うことで、迅速な問題解決につながります。
また、検査依頼は一度きりでなく、社内の改善活動と連動させて継続的に活用していくことが、製品品質と企業信頼の向上につながります。検査機関によっては、最新の技術情報を掲載したコラムや事例紹介のページを運営しており、ダウンロード可能な資料やサイトマップも充実しています。検査サービスの比較・選定にあたっては、ぜひこれらの情報も参考にしてください。
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