news

食品工場のコスト削減術|包材・副資材の最適化でムダを減らす!調達改善のヒントコラム


 食品工場では、原材料費や人件費などの主要コストに注目が集まりがちですが、実は「包材」や「副資材」といった間接的な資材にも、大きなコスト削減の余地が潜んでいます。本記事では、包材・副資材の最適化によってムダを減らすための具体的なヒントと、全社での取り組み体制について解説します。

包材・副資材の見直しがコスト削減のカギとなる理由

包材・副資材とは?その定義と役割

 包材は製品を包装する資材(パウチ、段ボール、ラベル等)、副資材は製造・物流を補助する消耗品(テープ、バンド、保護フィルム等)です。


 製造コストに占める比率の目安:目立たない存在ながら、全体コストの3〜10%を占めるケースもあります。生産数が多いほど、この“わずかな差”が年間で数百万円以上のインパクトになる可能性も。

ムダが潜む副資材の盲点

使用単価が低いため後回しにされやすい

 高額な原材料に比べて注目されにくく、見直しが後回しになりがちです。

情報連携と在庫管理の不足

 現場と購買の間で在庫量や使用頻度の共有が不足しており、適正在庫や発注タイミングを逃すリスクがあります。また、同一資材を異なる品番や業者で購入している場合、分析が困難になり、最適な調達判断を妨げます。

波及コストの見落とし

 副資材の保管スペースが不足すると保管コストや棚卸負荷が増加します。さらに、余剰在庫や不良在庫の蓄積、生産ライン停止といった隠れたコストを引き起こす可能性もあります。

ムダを減らす包材・副資材の見直しポイント

使い方とスペックの適正化

オーバースペック包材を見直す

 過剰な強度や耐久性の資材を見直すことで、コストと環境負荷の両方を削減できます。たとえば、耐水性や厚みが必要以上の仕様になっていないか確認しましょう。

現場での使いすぎ・使い忘れ対策

 マニュアルの整備や目視管理によって日常的な無駄を抑制します。また、1製品あたりの使用量を定量的に記録する仕組みも有効です。

調達・在庫管理の改善

調達・在庫管理の見える化と平準化

 発注ロットを調整して保管コストや余剰在庫を抑えると同時に、在庫の見える化や棚卸の習慣化によって在庫最適化を図ることが重要です。サプライヤーとの連携で小ロット分納を導入する企業もあり、棚卸頻度の見直しと合わせて“異常”の早期発見につながります。

代替材・汎用品の活用

サプライヤー提案を受け入れる体制

 価格だけでなく提案力を重視した仕入先選定がポイントです。単なるコストダウン交渉より、現場課題を共有するパートナーとして関係を築く姿勢が重要です。

複数工場間の共通化とスケールメリット

 複数拠点で同一資材を使用することで調達コストを一括低減できます。仕様統一によって仕入単価が20%以上削減できたケースもあります。

全社で最適化を進めるための体制づくり

現場と購買部門の役割分担と連携

 現場は日々の消費傾向を正確に把握し、購買部門と共有することが重要です。一方、購買はその情報を基に仕入先との価格・納期交渉を行い、継続的な見直しを図ります。こうした役割分担と連携体制を明確にすることで、資材コストの最適化が実現します。

仕入先との協働によるコスト削減

価格交渉より提案型取引へ

 単価だけでなく、代替提案や改善提案を引き出す関係構築が重要です。サンプル検証やテスト導入のハードルを下げることも有効です。

共同開発や汎用材活用の推進

 新しい包装仕様の共同開発や資材の汎用化によって長期的な削減が可能です。補助金を活用した開発事例もあります。

成果の見える化と社内展開

 副資材のコスト削減活動を社内に定着させるには、改善効果を定量的に示すことが重要です。たとえば「副資材単価の平均値」や「在庫回転率」といったKPIを設定し、削減効果を定期的に数値で追跡・報告する仕組みが求められます。また、一部のラインや拠点で得られた成功事例を他部署へ展開する“横展開”を積極的に進めることで、全社最適化につながります。横展開では「誰が」「何を」「どう変えたか」を可視化し、再現可能なナレッジとして共有することが、継続的改善の文化を根付かせるカギとなります。

まとめ|包材・副資材の最適化は「見えないムダ」削減の第一歩

 包材・副資材の見直しは、日常の細かなコスト意識と現場・購買・仕入先の連携が鍵となります。調達・使用・廃棄の各段階におけるムダを最小限に抑えることで、製造コストの構造を根本から見直す好機になります。

 まずは目に見えない資材の使い方に目を向け、全社で改善に取り組む体制づくりから始めましょう。

関連記事はこちら:

 FOOD TOWNでは他にも様々な食品業界に特化した内容を随時更新中です!

 まずは下記から無料会員登録をお願いします!

お問合せはこちらまで

Robots Town株式会社

〒532-0011

大阪府大阪市淀川区西中島6丁目6-17 RIC1st.ビル 501号室

TEL:06-4703-3098