news

FA機器とは?【食品工場の用語解説】コラム


食品工場において、生産性向上や品質管理の強化、人手不足の解消を目的に導入される FA(Factory Automation)機器。特に近年、食品の安全性を確保しつつ、効率的な製造プロセスを構築するため、FA機器の重要性が高まっています。

本記事では、食品工場で導入されているFA機器の種類やその役割、導入事例、メリット・デメリットを詳しく解説します。

FA機器とは?

FA(Factory Automation)の定義

 FA機器とは、生産ラインや製造プロセスの自動化を実現するための装置やシステムの総称であり、製造業における効率化を目的として導入される技術です。食品工場では特に、厳格な衛生管理や品質管理が求められ、人手不足の課題も深刻化していることから、FA機器の導入が積極的に進められています。


 FA機器の活用により、生産ラインの自動化が実現し、作業者の負担を軽減するとともに、ヒューマンエラーを減らし、安全で高品質な製品の供給が可能となります。また、製造データの収集・分析を行うことで、工程の最適化やトレーサビリティの強化も実現できます。

FA機器導入のメリット

FA機器を導入することで得られるメリットは複数あります。例題も併せて見ていきましょう。

生産効率の向上

 自動化を導入することで、連続的な生産が可能となり、作業の中断が減少し、生産スピードが大幅に向上します。さらに、一定のリズムで生産が行われることで、工程ごとの時間管理が容易になり、全体の作業効率も向上します。

事例1

 大手食品メーカーでは、ロボットアームを活用してピッキング作業を自動化することで、1時間あたりの生産量が50%向上。

事例2

自動包装機の導入により、手作業と比較して包装スピードが2倍以上に向上し、出荷作業の効率も改善された。

品質の安定化

 人為的なエラーを排除し、均一で高品質な製品を安定して供給することが可能になります。これにより、消費者の信頼を獲得し、ブランド価値の向上にも寄与します。また、製造過程の標準化が進むことで、品質管理の効率化が図られ、継続的な改善が容易になります。

事例1

 自動計量システムとX線検査機を組み合わせることで、製品の重量や品質を正確に管理し、規格外品の発生を大幅に減少。

事例2

 AI技術を活用した検査機器の導入により、微細な異物混入や欠陥を瞬時に検出し、不良品の出荷を防止。

コスト削減

 人件費の削減だけでなく、原材料の無駄を減らし、総コストを最適化することが可能です。さらに、自動化による効率的な生産管理が実現されることで、エネルギー消費の最適化や廃棄物の削減にもつながり、持続可能な運営が可能になります。

事例

 食品ロスを最小限に抑えるため、リアルタイムでの生産管理や最適な在庫管理システムを導入。

安全性向上

 危険な作業を機械が担うことで、作業員の負担を軽減し、労働災害のリスクを最小化することができます。また、作業環境の改善にも寄与し、従業員の安全意識向上にもつながります。特に、高温・高圧・鋭利な工具を扱う工程では、FA機器の導入により事故の発生率を大幅に低減することが可能です。

事例

 加熱や高温処理を伴う工程では、FA機器を導入することで作業員の火傷リスクを低減。

食品工場で活用されるFA機器の種類と役割

 FA機器は大きく分けて 生産工程の自動化、検査・品質管理、包装・物流 の3つのカテゴリに分類できます。ここでは、各工程でよく用いられるFA機器をご紹介します。

生産工程で良く用いられるFA機器

ロボットハンド

 食品の ピッキング、パッケージング、搬送 などの作業を自動で行うロボットシステムです。ロボットハンドは、細かな動作も可能なので動作のコントロールが必要な食品の取り扱いに適しており、作業の効率化と品質向上に貢献します。例えば、コンベア上を流れる食品をセンサーで検知し、適切な位置でピッキングしてパッケージングすることで、手作業によるばらつきを防ぎます。

ロボットハンドをもっと詳しく知りたい方はコチラ!

搬送装置(コンベアシステム)

 食品工場内で 原料や製品をスムーズかつ効率的に移動 させるための装置です。コンベアシステムや自動搬送ロボットを活用することで、作業の手間を減らし、生産ラインの流れをスムーズに維持できます。また、衛生管理の観点からも手作業よりも清潔な搬送が可能になります。

搬送装置をもっと詳しく知りたい方はコチラ!

検査・品質管理工程で良く用いられるFA機器

X線検査装置・金属検出装置

 X線検査装置や金属検出装置は、異物混入を防ぐための 品質管理機器として使用されています。 食品の安全性を確保するために不可欠な設備であり、目視では発見が難しい異物を検出し、品質管理の精度を高めます。例えば、製造ラインで混入する可能性のある小さな金属片や異物を自動で識別し、問題のある製品を即座に排除することができます。

X線検査装置をもっと詳しく知りたい方はコチラ!

金属検出装置をもっと詳しく知りたい方はコチラ!

自動計量装置

 自動計量装置は、製品の 重量や分量を正確に測定するための装置です。食品工場では、食材や製品の重さを正確に管理することが求められるため、精度の高い自動計量装置が不可欠です。この装置を導入することで、手作業による計測ミスを防ぎ、一貫した品質を維持することができます。例えば、包装前の製品を自動で計測し、規格外のものを除外することで、品質管理の精度が向上します。

自動計量装置をもっと詳しく知りたい方はコチラ!


包装・物流工程で良く用いられるFA機器

自動包装装置

 自動包装装置は、食品を自動で包装し、出荷までの時間を短縮するための装置です。手作業では時間がかかる包装工程を効率化し、大量生産にも対応可能になります。例えば、パンやおにぎり、スナック菓子などの包装を自動化することで、生産ラインの流れがスムーズになり、製品の衛生管理も向上します。また、包装の一貫性が保たれるため、見た目の統一感があり、ブランド価値の向上にもつながります。

自動包装装置をもっと詳しく知りたい方はコチラ!

FA機器導入の課題と解決策

FA機器の導入にはいくつかの課題があります。ここでは代表的な課題を2つ挙げそれぞれおすすめの解決策をご紹介します。

初期導入コストの高さ

 FA機器の導入には、高額な初期投資が必要になることが多く、中小企業にとっては大きな負担となることがあります。特に、ロボットアームや自動検査機器、高度なセンサー技術を組み込んだ設備は、数百万から数千万円規模のコストがかかる場合もあります。そのため、導入に慎重になり、結果として生産効率の向上を後回しにするケースも少なくありません。

解決策1 助成金や補助金の活用

 政府や自治体が提供する補助金・助成金を活用することで、初期投資の負担を軽減できます。例えば、ものづくり補助金や省エネルギー投資促進補助金などが該当します。

解決策2 リース契約・分割払いの導入

 機器の購入ではなく、リース契約を活用することで、初期費用を抑えながら導入することが可能です。特に、最新技術を適用した機器を定期的に更新できるメリットもあります。

解決策3 段階的な導入計画の策定

 一度にすべての機器を導入するのではなく、優先度の高い箇所から段階的に自動化を進めることで、コストの分散が可能となります。

導入時のスキル不足

 新しいFA機器を導入する際には、その操作方法や管理方法を十分に理解している従業員が必要となります。しかし、多くの食品工場では、FA機器の扱いに精通した技術者が不足しており、適切な教育や研修が求められます。特に、IoTやAI技術を活用した最新のシステムでは、より高度な知識が必要になるため、導入後の運用がスムーズに進まないケースもあります。

解決策1 技術研修の実施

 メーカーや専門の研修機関と連携し、FA機器の操作やメンテナンスに関する研修を定期的に実施することで、従業員のスキルを向上させることができます。

解決策2 メーカーのサポート活用

 多くのFA機器メーカーでは、導入時のサポートやアフターサービスを提供しています。これを活用することで、スムーズな立ち上げを実現できます。

解決策3 社内の技術者育成

 長期的な視点で、社内にFA機器に精通した技術者を育成することが重要です。特定の担当者を選定し、継続的にスキルアップを図ることで、安定した運用が可能になります。

まとめ

 FA機器の導入は、食品工場の生産性向上や品質管理の強化に大きく貢献しますが、初期コストやスキル不足、メンテナンスといった課題も伴います。しかし、適切な対策を講じることで、これらの課題を克服し、長期的なメリットを最大化することが可能です。

 今後も、AIやIoT技術の進化により、FA機器はさらに高度化し、より使いやすくなっていくでしょう。企業ごとに最適な導入計画を策定し、スムーズな自動化を進めることが、競争力を強化するカギとなります。

FOOD TOWNでは他にも様々な食品業界に特化した内容を随時更新中です!

 まずは下記から無料会員登録をお願いします!

お問合せはこちらまで

Robots Town株式会社

〒532-0011

大阪府大阪市淀川区西中島6丁目6-17 RIC1st.ビル 501号室

TEL:06-4703-3098



関連リンク・資料