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産業用ロボットとは?定義や導入事例を解説コラム


 産業用ロボットは、製造業において自動化の要となる存在です。近年、日本の産業界全体で労働力不足や効率化のニーズが高まる中、半導体等の電子部品や医薬品の製造などでも導入が進んでおり、食品産業でも例外ではありません。本記事では、産業用ロボットの定義から種類、食品製造で産業用ロボット導入するメリットや実際の導入事例をご紹介致します。

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産業用ロボットとは?

 産業用ロボットとは、製造業を中心に生産現場の効率化を目的として導入されてきました。最近では、技術やシステムも向上し、様々な用途向けの産業用ロボットが開発された結果製造業に限らず様々な業界で利用され始めています。まず初めに、産業用ロボットの基本的な定義と協働ロボットとの違い、代表的な種類について解説します。

産業用ロボットの定義と協働ロボットとの違い

定義と特徴

 産業用ロボットは、自動化、効率化、精度の向上を目的としてさまざまな作業を行うために設計されています。国際標準化機構(ISO)によると、産業用ロボットは次のように定義されています:

「産業用ロボットとは、複数の自由度を持ち、自動制御によってプログラム可能な操作装置であり、製造工程において固定または移動できるものである。」

この定義に基づき、産業用ロボットは以下のような特徴を持ちます:

プログラム可能:動作は事前にプログラム可能で、同じ作業を繰り返し正確に行うことができます。

多軸の可動性:産業用ロボットには複数の関節があり、自由度が高いため、人間の腕のような動きを実現できます。

自動制御:一度設定された動作を自動で実行し、手作業の代替となるだけでなく、作業の精度や速度を向上させます。

高耐久性:産業用ロボットは、長時間にわたる連続稼働や高負荷作業に耐えられるように設計されています。

 食品産業では、主にパッケージング、搬送、切断、組み立て、検査といった作業に使用されており、特に衛生管理が重要視される環境下でも、産業用ロボットの活用が進んでいます。

協働ロボットの違い

 産業用ロボットと似たような言葉として「協働ロボット」があります。協働ロボットの説明についてはここでは省略しますが、この2つのロボットには、作業環境安全性の面で大きな違いがあります。

協働ロボットの商品種別解説はコチラ

作業環境の違い:産業用ロボットは通常、人と隔離された環境で使用されます。これは、ロボットが高速かつパワフルに動作するため、安全柵やフェンスで囲まれた専用エリアが必要なためです。自動車の組立ラインなど、大規模な製造現場で効率的に繰り返し作業を行うことが求められる場合に適しています。一方、協働ロボットは人と同じ作業エリアでの共存を前提に設計されています。小型で設置や再配置が容易なため、組み立てや検査といった作業で、人を支援することを目的としているため、小規模な工場などで活躍します。

安全性の違い:産業用ロボットは作業者と隔離されることで安全を確保しますが、協働ロボットには力制限や接触センサが搭載されており、人と接触した際にセンサが感知し自動停止する仕組みがあります。これにより、協働ロボットは安全柵なしで人と同じ作業エリアで使用可能です。ただしパワーを制限しているため産業用ロボットに比べて動作速度や出力が低く、重い物や高速な作業には不向きです。

産業用ロボットの種類

 産業用ロボットには様々な種類がありますが、ここでは食品製造現場でよく導入されている産業用ロボットに絞ってご紹介いたします。各産業用ロボットのより詳しい情報は商品種別解説をご覧いただければと思います。

多関節ロボット

 多関節ロボットとは、複数の関節を持ち、人の腕のような動きができるロボットです。英語では「Articulated robot」や「Multi joint robot」と呼ばれます。このロボットは、人間が手作業で行っていた作業を自動化し、効率や生産性を向上させる効果が期待できます。また、動作精度が高いため、人的ミスを減らし品質の安定にも貢献します。一般的に4軸から6軸のものが多く、6軸あれば手先の位置や姿勢を自在に制御できます。さらに、軸数が多いほど複雑な動きが可能になり、さまざまな用途に対応できる汎用性が魅力です。


多関節ロボットのもっと詳しい解説はコチラ

スカラロボット

 スカラロボットとは、水平多関節ロボットとも呼ばれる複数の回転軸とアーム、先端部にZ軸を持つロボットです。4自由度構成からなっていて、平面3自由度の位置決めとアーム先端の上下運動による押し込み動作が可能です。構造が単純で制御がしやすいこと、高速化で高精度なのがこのロボットのメリットです。垂直多関節ロボットのように3次元的な動作はできませんが、一方向からの単純作業を行う際には最適なロボットです。


スカラロボットのもっと詳しい解説はコチラ

パラレルロボット

 パラレルロボットとは、複数のコンピューター制御シリアルチェーン(リンクやジョイントで構成される3本のアームが並列に繋がれたもの)を使用してアーム先端部一点の動きをサポートする産業用ロボットです。構造はいたってシンプルで主にモーターやペアリング、リンクアームなどによって構成されています。その為メンテナンス性にも優れています。

 従来型の多関節ロボットに比較して高速かつ高出力で高精度な動作に優れているので主に自動化設備のピックアップ作業などで活用されています。


パラレルロボットのもっと詳しい解説はコチラ

パレタイズロボット

 パレタイズロボットとは、荷物をパレットに並べたり(パレタイズ)、パレットから取り出したり(デパレタイズ)する荷積み、荷下ろしに特化したロボットです。このロボットを導入することで、人力で重い荷物を荷積み、荷下ろししていた作業を代わりに行います。重量物も軽々と持ち上げ移動させたり、パレットに並べることができます。また、最近では原材料や製品などのワークを掴むために使うハンド先端部の性能が進化してきており、段ボールや紙袋などのより幅広い荷積み現場に対応できるようになってきています。


パレタイズロボットのもっと詳しい解説はコチラ

ガントリーロボット

 ガントリーロボットとは、直交ロボットとも呼ばれる2軸もしくは3軸の直交するスライド軸により構成される非常にシンプルな構造の産業用ロボットです。

 製造業では射出成型機からの取り出しや組み立て、搬送工程に活用されることが多いですが、ブレが少なく作業が高精度で出来る点から食品分野では繊細な食品の運搬に活用されることが多いです。また、他のロボットと組み合わせることで作業を自動化できます。垂直多関節ロボットのように旋回する動きはできませんが、縦と横の直線的な動きによる繊細な作業は得意です。高速な作業を継続的に行いたい際にも適していると言えます。

ガントリーロボットのもっと詳しい解説はコチラ

食品工場における産業用ロボットの導入メリット3選

食品工場における産業用ロボットの導入メリット

1. 効率性の向上とコスト削減

 産業用ロボットは、同じ作業を高速かつ正確に繰り返すことが可能で、効率性が大幅に向上します。特に食品工場では、包装、組み立て、検査といった多くの工程を自動化することで、従業員の負担を軽減できるだけでなく、稼働時間も延ばすことができます。ロボットは24時間稼働できるため、夜間や休憩中も生産を続けることが可能です。これにより、総生産量が増加し、労働コストの削減に繋がります。また、人手による作業に比べ、ロボットの導入により作業ミスが減り、無駄な原材料の消費も抑えられます。これらの点から、効率性とコストの両面での改善が見込めます。

2. 品質の安定と改善

 食品工場では、衛生管理と製品の品質が特に重要視されます。産業用ロボットは高い精度で動作し、ばらつきのない一定の品質を維持することができます。例えば、包装やラベル貼り、切断といった工程では、ロボットが正確かつ均一に作業を行うため、製品ごとの品質差が生じにくくなります。また、ロボットは衛生的に設計されているため、人が関わることで生じる可能性のある異物混入や汚染リスクを低減できます。さらに、データ収集や分析を通じて、品質管理の精度が向上し、長期的に見ると食品工場の全体的な品質基準の向上にも貢献します。

3.労働力不足の解消

 食品工場では、人口減少や少子高齢化の影響で労働力不足が深刻化しています。産業用ロボットの導入は労働力不足の対策として非常に有益です。人間の代わりに繰り返し作業や重労働を行うことで、作業の効率化が図れ、人手に依存しない生産体制を確立できます。また、ロボット導入により、従業員はより高度な管理や品質検査などの作業に集中できるため、労働力の効率的な配置が可能となります。これにより、現場作業者の負担も軽減され、食品工場が持続可能な生産体制を築くことができるようになります。

実際の導入事例

最後に食品現場における実際の産業用ロボットの導入事例をご紹介いたします。

 パン工場での事例 ~自動包装ロボットの導入~

導入した背景

 従業員が一つずつ手作業でパンを袋に入れ、シールを貼るため、作業スピードに限界がありました。さらに、手作業による包装では、袋にシワが寄ったりシールの位置がずれたりすることがあり、品質にムラが生じていたため、見た目の統一感が損なわれていました。

導入後の変化と効果

 自動包装機の導入により、包装ラインの生産スピードは手作業の約3倍に向上しました。ロボットが正確に袋詰めとシール貼りを行うため、包装の見た目がきれいに統一され、品質が安定しました。自動化のおかげで繁忙期にも十分な生産量を維持でき、納期遅延が減少。従業員は重労働から解放され、より重要な管理や品質検査に集中できるようになり、労働環境も改善されました。


まとめ

 本記事では、食品産業における産業用ロボットの定義、特徴、および導入メリットについて解説しました。産業用ロボットは、自動化と効率化を目的としてさまざまな作業に活用されており、特に食品工場では品質の安定、効率性の向上、コスト削減に大きく貢献しています。 今後も食品産業において、産業用ロボットは、労働力不足や生産性向上といった課題解決の手段として、さらに活躍が期待されます。企業が持続可能な生産体制を築くためにも、産業用ロボットの導入は重要な選択肢となるでしょう。


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