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スカラロボット(パッケージ含む)徹底解説!

スカラロボット(パッケージ含む)とは?

スカラロボットとは、水平多関節ロボットとも呼ばれる複数の回転軸とアーム、先端部にZ軸を持つロボットです。
4自由度構成からなっていて、平面3自由度の位置決めとアーム先端の上下運動による押し込み動作が可能です。構造が単純で制御がしやすいこと、高速化で高精度なのがこのロボットのメリットです。
垂直多関節ロボットのように3次元的な動作はできませんが、一方向からの単純作業を行う際には最適なロボットです。

  • スカラロボットの種類、原理、使用用途について

    このロボットが使われる工程の例としては、ネジ締め、圧入、材料塗布、ピック&プレースがあります。
    ネジ締めはロボットの先端に電動ドライバーを設置することでネジ締めの工程を自動化できます。

    ネジ締め箇所をプログラミングすることで、複数の箇所であっても効率よくスピーディーにネジ締めできます。
    圧入はロボットの軸にトルク制御機能があるタイプだと先端でワークを押し付ける推力を制御することが可能です。
    材料塗布はロボットの先端にディスペンサを取り付けることで作業を自動化できます。
    ピック&プレースは取り出したワークを目的の場所に置く一連の動作のことです。主に組み付け工程やトレイなどの容器の整列工程に使われます。

  • スカラロボットの価格について

    スカラロボットの本体参考価格は約80万円~200万円と価格幅があります。
    (可搬重量に大きく影響を受けます)
    能力やサニタリー仕様・オプションなど、製品や使用環境に合わせて選定が必要になります。
    本体のみの価格であり、別途インテグレーション費用やビジョン費用、設置工事費用、運搬費用などがかかります。

    ※インテグレーション費用とは、ロボットのティーチングや周辺装置の設計、製造業務の事を言います。
    ロボット導入時には、インテグレーション費用は約500万円~1000万円はかかることを考慮しておく必要があります。

  • スカラロボットの選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    スカラロボットを選定する際には以下のことに考慮しましょう。
    「自由度」
    単純な組み立て工程は自由度の低い軸数が少ないロボットが行い、アクセスが難しい奥まった場所での作業は
    自由度が高いロボットが行うなど、ロボットの特徴を活かしたシステム構成が必要です。

    「可搬重量」
    ロボット全体の重量バランスを考慮したり、運搬する対象物の重量に合わせて選択することが必要です。

    「駆動方式」
    対象物の重量や動作の速度や精度を考慮して選定します。また、駆動装置の幅や高さ等の大きさも大切な検討要素です。

    「速度」
    ロボットの動作速度は、パラレルロボット>スカラロボット>多関節ロボット>協働ロボットの順で速くなります。
    製造ライン全体の流れに合ったものであることが大切です。作業速度を検討する際には、安全対策にも配慮しましょう。

    スカラロボットは、先端に様々なユニットを取り付けることが可能なので、用途に合わせて形状や重量、剛性を選択してください。
    ロボットの動作速度は、各ロボットメーカーの機種によって違うのでその確認をすることもポイントです。

    また、水平多関節ロボットは水平方向の動きを重視した構造であるため、垂直方向の作業には適していません。
    対象作業に水平多関節ロボットが適しているかどうかよく検証しましょう。

  • スカラロボット導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて

    トラブル事例
    可搬重量が20㎏の多関節ロボットを導入し、20㎏のワークを掴んで
    搬送したためロボットに負荷がかかり、導入後すぐに故障した。

    原因
    ロボットハンド約2㎏、ブラケット約1㎏、イナーシャを考慮していなかった。
    安全率も見ていなかった。

    対策
    ロボット導入前には、必ず3Dシミュレーションを行い、各軸の負荷率などを確認しておく
    ※モータ容量の選定に必要な“イナーシャ(慣性モーメント)”とは、
    モータが回転を続けようとするときにかかる質量の指標です。
    モータの加減速時に必要なトルク(推力)はこのイナーシャの大きさで決まります。
     イナーシャが大きいほど回転しにくい・回転を止めにくいため、大きなトルクが必要になります。

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