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コンプレッサー徹底解説!

コンプレッサーとは?

コンプレッサーとは、日本語で圧縮機と呼ばれ、空気やガスを圧縮してレシーバータンクに貯め、圧縮気体を動力源とするための装置です。食品工場においては、圧縮空気を生成するために欠かせない設備であり、コンプレッサーを使用していない工場はほとんど存在しないと言っても過言ではありません。
日常生活でも、ガソリンスタンドの車の空気入れや洗車機の乾燥ブローなど、多くの場面でコンプレッサーによる圧縮空気が利用されています。

エアコンプレッサーは、粉体輸送など製品に直接触れる工程や、製造設備の電磁弁バルブの開閉など、間接的な用途でも活用されるため、工場内で極めて重要なユーティリティー機器です。このようなコンプレッサーには、駆動方式やエアの取り扱い、内部構造、小型部品の使用、一般的な用途、周辺機器との互換性など、さまざまな違いがあります。

本記事では、コンプレッサーの種類や選定方法、そして確認すべきポイントについて詳しく解説していきます。最適なコンプレッサーを選び、効率的な運用を目指すための情報を提供し、ツールや機器の選定に役立つ内容をお届けします。

  • コンプレッサーの種類、原理、使用用途について

    コンプレッサーの種類は大きく分けて3種類あります。

    【レシプロコンプレッサー】
    レシプロコンプレッサーは、最も一般的なコンプレッサーの一種であり、さまざまな産業や用途で広く使用されています。以下に、レシプロコンプレッサーの種類、原理、および使用用途について詳しく説明します。

    ◎レシプロコンプレッサーの種類
    レシプロコンプレッサーには、いくつかの種類がありますが、主に次の2つに分類されます。

    ・単段式レシプロコンプレッサー
    このタイプは、1つのシリンダーで空気を吸い込み、圧縮するものです。低圧用途に適しており、比較的シンプルでコストも抑えられますが、高圧が必要な場合には不向きです。

    ・多段式レシプロコンプレッサー
    空気を複数のシリンダーで段階的に圧縮するタイプです。これにより、高圧を得ることができ、効率が向上します。高圧が求められる用途やエネルギー効率が重視される場面で使用されます。

    ◎レシプロコンプレッサーの原理
    レシプロコンプレッサーの動作原理は、ピストンの往復運動を利用して空気やガスを圧縮するものです。

    ・吸入行程
    ピストンが下がることでシリンダー内の圧力が低下し、吸入弁が開いて外部から空気が吸い込まれます。

    ・圧縮行程
    ピストンが上昇することで吸入弁が閉じ、シリンダー内の空気が圧縮されます。この際、圧縮された空気は出力弁を通じて排出されます。

    ・排気行程
    圧縮された空気がレシーバータンクや使用機器に供給されます。
    この基本的な動作サイクルが繰り返され、空気やガスが連続して圧縮される仕組みです。

    ◎レシプロコンプレッサーの使用用途
    レシプロコンプレッサーは、以下のようなさまざまな用途で使用されています。

    ・産業用途
    工場や製造業では、機械の動力源としての圧縮空気供給、ペイントスプレー、エアツールの駆動などに使用されます。

    ・自動車整備
    タイヤの空気入れ、ブレーキシステムの作動、塗装など、自動車のメンテナンスや整備に広く活用されています。

    ・医療用途
    歯科用機器や医療用吸引ポンプなど、医療機器の駆動に使用されることがあります。

    ・冷凍および空調
    レシプロコンプレッサーは、冷媒を圧縮して冷却サイクルを実現するために冷凍機やエアコンで使用されています。
    レシプロコンプレッサーは、その耐久性、汎用性、および効率性から、さまざまな分野で信頼される機器です。選定時には、用途に応じた圧力要件や効率性を考慮することが重要です。

    【スクリューコンプレッサー】
    スクリューコンプレッサーは、産業用として広く使用される効率的な圧縮機の一種です。以下に、スクリューコンプレッサーの種類、原理、および使用用途について詳しく説明します。

    ◎スクリューコンプレッサーの種類
    スクリューコンプレッサーは、主に次の2つの種類に分類されます。

    ・オイルインジェクションスクリューコンプレッサー
    このタイプでは、圧縮プロセス中にオイルが圧縮空気と混ざり合い、摩擦を減らし、シールを向上させます。その後、オイルは分離器で除去されます。オイルを使用するため、非常に高い効率を実現しますが、オイルの管理が必要です。

    ・オイルフリースクリューコンプレッサー
    こちらは、圧縮過程にオイルを使用しないタイプで、クリーンな空気が必要な場合に適しています。オイルが混入しないため、医療、食品、電子部品などの業界で利用されています。オイルインジェクションに比べると若干効率が劣りますが、空気の品質が高く保たれます。

    ◎スクリューコンプレッサーの原理
    スクリューコンプレッサーの動作原理は、2つのメインローター(オスとメス)と呼ばれるスクリューが互いに噛み合いながら回転することで、空気やガスを圧縮する仕組みです。

    ・吸入
    空気が吸入ポートからコンプレッサー内部に入り、回転する2つのスクリューの間に閉じ込められます。

    ・圧縮
    スクリューが回転することで、空気はスクリューの間で次第に圧縮され、密度が高くなります。この過程で、オイルインジェクションタイプの場合、オイルが噴射されて冷却とシールが行われます。

    ・排気
    圧縮された空気は出口ポートから排出され、レシーバータンクや使用機器に供給されます。
    スクリューコンプレッサーは、連続した圧縮が可能であり、効率的に高い圧力を得ることができます。また、構造上振動や騒音が少ないのが特徴です。

    ◎スクリューコンプレッサーの使用用途
    スクリューコンプレッサーは、その安定した性能と高効率性から、さまざまな産業で使用されています。主な用途としては以下の通りです。

    ・産業用途
    工場での生産ラインの駆動力として使用されるほか、製品の包装、組み立てライン、ペイントスプレー、機械の清掃など、多岐にわたる作業に活用されています。

    ・医療および食品業界
    オイルフリータイプのスクリューコンプレッサーは、クリーンな空気が必要な医療機器や食品加工ラインで重要な役割を果たしています。

    ・エネルギー業界
    エネルギー効率の向上が求められる場面で、スクリューコンプレッサーは、ガスの圧縮や冷凍機、空調設備などに使用されます。

    ・電子部品製造
    オイルフリータイプは、電子部品製造のように、微細なコンタミネーションも許されない環境で広く使用されています。

    スクリューコンプレッサーは、安定した圧力供給と長寿命が求められる環境で非常に有効です。また、振動が少なく静かな動作を実現するため、設置環境への影響も少なく済みます。用途に応じた適切なタイプの選定が、効率的な運用につながります。

    【スクロールコンプレッサー】
    スクロールコンプレッサーは、特に冷凍・空調業界で広く使用されている圧縮機の一種です。そのシンプルで信頼性の高い設計により、エネルギー効率が高く、静音性に優れています。以下に、スクロールコンプレッサーの種類、原理、および使用用途について詳しく説明します。

    ◎スクロールコンプレッサーの種類
    スクロールコンプレッサーは、その設計や用途に応じていくつかのタイプに分けられます。

    ・オイルインジェクションスクロールコンプレッサー
    このタイプでは、圧縮中にオイルが使用され、摩擦を減らし、冷却効果を高めます。特に高圧が必要な場合や、連続運転が求められる場面で利用されます。

    ・オイルフリースクロールコンプレッサー
    圧縮過程でオイルを使用しないタイプです。クリーンな空気が求められる用途、例えば医療や食品業界で使用されます。オイルが混入しないため、空気の品質が非常に高く保たれます。

    ◎スクロールコンプレッサーの原理
    スクロールコンプレッサーの動作原理は、2つのスパイラル状のスクロール(1つは固定、もう1つは可動)が互いに絡み合いながら圧縮を行う仕組みです。

    ・吸入
    外部から空気やガスがスクロールの端から吸入されます。

    ・圧縮
    可動スクロールが固定スクロールに対して偏心運動をすることで、2つのスクロール間に形成された圧縮室が次第に小さくなり、空気が徐々に圧縮されていきます。圧縮過程は連続的に行われ、圧縮効率が非常に高くなります。

    ・排気
    圧縮された空気やガスはスクロールの中心から排出され、レシーバータンクや使用機器に供給されます。
    スクロールコンプレッサーの構造はシンプルであり、回転部品が少ないため、摩耗が少なく、長寿命で静音性に優れています。

    ◎スクロールコンプレッサーの使用用途
    スクロールコンプレッサーは、その静音性、エネルギー効率、信頼性の高さから、特に以下のような用途で広く使用されています。

    ・空調および冷凍システム
    スクロールコンプレッサーは、家庭用や商業用のエアコン、冷凍機、ヒートポンプなどに使用されています。高効率で静音性が求められるこれらのシステムに最適です。

    ・医療機器
    オイルフリースクロールコンプレッサーは、クリーンな圧縮空気が必要な医療機器、例えば歯科用空気圧機器や呼吸器などに使用されています。

    ・電子機器製造
    微細なコンタミネーションが許されない電子部品の製造工程で、オイルフリースクロールコンプレッサーが使用されています。

    ・産業用設備
    一部の産業用途では、小型で効率的な空気圧が必要な場面で、スクロールコンプレッサーが使用されています。静音性と長寿命が求められる環境に適しています。
    スクロールコンプレッサーは、他のタイプのコンプレッサーと比べて、振動が少なく、エネルギー効率が高いという特長があります。そのため、静かで効率的な圧縮が求められるさまざまな場面で、その信頼性と性能が評価されています。用途に応じて、オイルインジェクションまたはオイルフリータイプを選択することが重要です。

  • コンプレッサー価格について

    食品工場への採用が多いスクロールコンプレッサー(オイルフリー、パッケージタイプ、ドライヤー付き)参考価格
    ・3ps(3馬力)約100万円
    ・5ps(5馬力)約120万円
    ・10ps(10馬力)約240万円
    ※上記価格は本体価格となり、各々の設置個所により付帯工事が発生します。
     実際の導入費用とは異なりますので付帯工事費用を含めた見積依頼が必要です。

  • コンプレッサー選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    ・コンプレッサー選定ポイント
     コンプレッサー圧縮方式の他にも分け方が複数あり、分け方のポイントを押さえておいてください。
     湿式(オイルイン)タイプか、乾式(オイルフリー)タイプか。
     装置本体が移動型(タンクマウントタイプ)か、据え置き型(パッケージタイプ)か。
     空気の冷却方式は水冷式か、空冷式か。
     といった具合に仕様の多種多様化が進んでいます。

    ・その他確認ポイントとして常用圧力、吐出し空気量、タンク容量、電動機定格出力、電圧、周波数等が挙げられます。 

  • コンプレッサー導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて

    ・コンプレッサー機種選定ミスにより湿式(オイルイン)を導入したケース
     オイル式を選択したことにより圧縮空気にオイルが含まれており、生産設備を通してオイル(ドレン)が製品に付着。
     →出荷後に製品にカビが繁殖し、市場製品回収に発展するリスクがあります。
     圧縮空気にオイルが含まれていることにより、コンプレッサードレンを排水に直接流すことができません。
     →排水処理とその証明書の保管など管理面でコストが発生するケースがあります。
     
    ※食品工場へコンプレッサー導入する場合は自社の使用環境をメーカーへ必ず確認することが重要です。

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