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製函・箱組立装置徹底解説!

製函・箱組立装置とは?

製函機(せいかんき)とは、シート状態の段ボールを1枚ずつ取り出し、
箱形状の成形し段ボール箱を作る(製函作業)を行う設備です。
段ボールの上面、下面それぞれにフラップ(折り曲げてフタをする内蓋、外蓋)があり、フラップの折り込み、接着します。
接着方法として粘着テープ、クラフトテープ、ホットメルト、ステープルなどがあります。

段ボールを事前に組み立てておく必要がないことで省スペース化の実現や、高能力による生産性の向上など比較的課題解決しやすい工程です。
製函機の種類、原理、選定ポイント、トラブル事例を解説していきます。

  • 製函機の種類、原理、使用用途について

    製函機の種類
    製函機の種類には、横型製函機と縦型製函機があり製函能力や必要とするスペースが異なります。
    製函能力を基準として低能力は縦型仕様(段ボール成形時、上下開口状態)、高能力は横型仕様(段ボール成形時、前後開口状態)になりますが、設備サイズにより必要となるスペースは高能力の横型仕様が非常に大きくなります。

    製函機の動作手順、原理
    ①段ボールマガジンにシート状態の段ボールを供給します。
    ②段ボールマガジンから吸盤による吸着でシートを取り出すと同時にガイドにより製函(シート状→四角箱)します。
    ③製函した段ボールをアタッチ等で搬送し、内側フラップ(サブフラップ、内フタ)を織り込みます。
    ④内側フラップを織り込んだ状態で搬送しながらホットメルトを使用する場合は塗布します。
    ⑤ホットメルト塗布後、外側フラップ(メインフラップ、外フタ)を織り込んで封緘します。
    ※封緘方法がテープの場合は製函機出口部のテープ貼り機を通過することにより封緘されます。

    製函機使用用途、目的
    省人化:自動で段ボールの組み立て作業を行うため、人員作業で行っていた工程の省人化に繋がります。
        また製函機だけでなく段ボール詰め装置、封函機と合わせて段ボール関連工程を全自動化することにより導入効果も大きくなります。
    生産性向上:人手では実現できなかった高能力の段ボール組み立てが可能となり、生産性向上、省人化にも繋がります。
    作業環境改善:製函を自動化することにより必要都度段ボールを組み立てるため、段ボールの作り置きが不要になります。作り置きにより手狭になっていた作業スペースを確保できるため環境改善効果も見込むことができます。

  • 製函機価格について

    製函機本体の価格は約500万円~1000万円となります。
    半自動製函機であれば300万円前後での検討も可能です。本体参考価格であり、設置工事費用が別途必要となります。

  • 製函機選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    製函機の選定ポイントは大きく3点から検討を進めていきます。
    ①半自動タイプか全自動タイプから選ぶ
     半自動タイプ:段ボールの組み立ては装置で行い、テープ貼りは人の手で行うなど、作業者が必要なタイプ
     全自動タイプ:段ボールを平積みでマガジンへセットしておくと、一枚ずつマガジンから取り出し
            組み立てからテープ貼りまでを自動で行うタイプ。サイズチェンジが全自動対応機種もあります。
     一日の段ボール使用枚数500枚以上など作業量が多い場合は全自動タイプの方が適しています。
     作業量が数十枚など少ない場合には、小型で導入コストを抑えた半自動タイプを導入するほうが
     費用対効果に優れることと、合わせて手軽に動かせるなどその他のメリットもあります。

    ②段ボールフタの接着方法で選ぶ
     製函機の種類によっては、段ボール組み立て後のテープ貼りを自動化できます。
     最も一般的な接着方法はテープ貼りで、テープを段ボール長辺真ん中に貼る「I貼り」といわれる方法です。
     重量物や密封性が求められる場合には「H貼り」という貼り方で短辺両サイドにもテープを貼りますが、
     製函機とは別に角貼り機と呼ばれる専用のテープ貼り機を導入しなければなりません。
     テープ貼り以外にもホットメルトと呼ばれる熱で溶解した糊で接着するしてフタを閉じる方法もあります。

    ③製函処理能力で選ぶ
     製函機は機種によって製函できる処理能力が決まっています。ほとんどの場合、1分間に組み立てできる
     段ボールの個数を仕様書に明記されているため、梱包作業のスピードに見合った処理能力の機種を選定
     してください。一般的には1分間に6~15ケース前後の処理能力の製函機が多いです。

    ④段ボールの起こし方向で選ぶ
     左起こし(L型)・右起こし(R型)が実際に現場で使用している段ボールでどちらが多いのかによって機種選定を
     行うことが必要です。最近では、(L型)(R型)双方のダンボールケースを1台で対応可能な機種も出てきています。

  • 製函機導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて

    トラブル事例
    段ボールフタはホットメルト接着の全自動式製函機で段ボールのフタ接着が完全に接着できておらず、
    搬送中にフタが開く製品が30%ほど発見された。

    原因①
    ホットメルト糊の塗布量が少なくなっており、段ボールフタの接着に必要な糊の量が出ていなかった。
    原因②
    製函機の段ボール取出し用の真空ポンプや搬送チェーンはメンテナンス行っていたが、
    ホットメルトは行っていなかった。

    対策①
    生産開始前の点検で、ホットメルト糊の塗布量の確認を行う。
    成形した段ボールを解体して塗布されたホットメルトの太さ、長さを確認する。
    対策②
    製函機本体以外にも、ホットメルトもメンテナンス管理対象として定期的な清掃、部品交換を実施する。

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