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FOODTOWNアドバイザーが徹底解説!
食品工場に特化したFOODTOWN自動化専属アドバイザーが独自の視点で各製造⼯程や商品種別について徹底解説︕
説明だけでなく、導入時の確認すべき事項や選定ポイント。導入後のトラブル事例や事前対策ポイントなど現場で役立つ情報を掲載しています。
インバーターとは?
インバーターとは電圧と周波数を変える機器のことをいいます。
モーターで動く機械装置の電圧と周波数を変更することにより、機械の回転数を変えたりコンベア速度を変更するなど、装置や工程間のバランサー的役割があります。
モーターは電力エネルギーを動力エネルギーに変換しますが、モーター単独で回転数を変更することはできません。そこで周波数を自在に変更することができるインバーターを用いてモーターの回転速度を制御します。
食品製造現場でもポンプ、ファン、コンベアの回転速度を制御するために多数のインバーターが使用されています。
インバーターの種類、選定ポイント、トラブル事例について解説します。

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インバーターの種類、原理、使用用途について
インバーターの種類
・VVVF型(可変電圧可変周波数):電圧と周波数を変える。
鉄道やエレベータ、産業用モーター、エアコンや冷蔵庫などの家電に使われています。
・CVVF型(定電圧可変周波数):周波数のみを変える。
IH調理器、炊飯器、蛍光灯などに使われています。
・CVCF型(定電圧定周波数):電圧と周波数を一定に保つ。
安定した交流電源を供給するため、コンピュータの電源装置などに使われています。
インバーターの原理
インバーター装置では、一定の電圧と周波数で送られる交流を「コンバータ回路」で直流に変換し、
コンデンサで安定した直流に整え、その直流を「インバータ回路」に通して再び交流に戻します。
インバーターの用途
インバータ装置や回路は、家電製品から産業用重電機まで幅広く使われています。
エアコンのような家電ではインバータ回路で電圧や周波数を変えてモータの回転をコントロールし、無駄なエネルギーを使わないようにしています(省エネ効果)。
炊飯器や蛍光灯では周波数を変えることで明るさや温度を変えています。 -
インバーター選定ポイント、導入時の確認ポイントについて
インバーター選定ポイント
・対象モーターの仕様
インバーターの選定は基本的にモーターの仕様、スペックとセットで選定します。
モーターの出力容量、電圧、極数、トルク特性を考慮してモーター機種にあった
インバーターを選定します。
・インバーター容量の余力
モーター容量から1ランク上の容量機種を選定する場合もあります。
回転数0(run/min)で保持トルクが必要な場合、且つ定格150%以上のトルクが頻繁に
必要な場合は1ランク容量が大きなインバータを選定することが推奨されます。
・放熱対策
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インバータ導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて
トラブル事例
モーターの過負荷によりインバーターでの速度制御ができない状態となった。
原因①
モーターの経年劣化によりモーター軸が摩耗して過負荷状態となっている。
原因②
モーターベアリング交換、取り付け不良など芯が出ておらず過負荷状態となっている。
対策
モーターの過負荷原因を復元し、解消する、インバーターの適正な制御はモーターが正常に運転できていることが条件となる。
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インバーター導入価格について
インバーター価格はモーター容量によりスペックが変わるため価格も変わります。
食品製造現場で多く使用されている容量としては0.1~0.4kw程度が多く、インバーター価格としては約5~10万円程度となります。
インバーター単体で使用する機器ではないため、設置取り付け、配線作業が必要です。