FOODTOWNアドバイザー

真空ポンプ徹底解説!

真空ポンプとは?

真空ポンプとは、文字通り真空状態を作り出すことができるポンプのことを言います。容器内を大気圧以下の真空状態にして、その状態を維持するために容器内の気体を排出します。
食品製造現場内でも搬送や包装工程において真空状態で作業の必要があるときには真空ポンプは欠かせない装置です。
真空ポンプの中でもドライ真空ポンプは「油を使用せずにクリーンな環境を作り出せる真空ポンプ」といして様々な製造現場で採用が進んでいます。
食品製造現場では、油を使わないドライ真空ポンプの採用が多いためここではドライ真空ポンプの原理や種類、選定ポイントについて解説していきます。

  • 真空ポンプの種類、原理、使用用途について

    ドライ真空ポンプの種類について
    スクロール型、ルーツ型、ダイヤフラム型、回転翼型(ベーン型)があり、封止に油や液体を使わずクリーンな真空状態を
    作り出します。定期的なメンテナンスは簡便な内容なため食品業界で幅広く活用されています。
    ・スクロール型ドライ真空ポンプ
     同じ形の2つのスクロールが中心を少しずらして壁が互いに線接触する状態で、一方に対して他方が相対的に揺動みそすり運動をするよう
     になっており、三日月型の空間に閉じ込められた気体が中心部に向かって圧縮されて、中心部の穴から吐出される構造です。

    ・ルーツ型ドライ真空ポンプ
     ルーツ型ドライ真空ポンプは複数のメカニカル、ブースターポンプと一体化した仕様になっており、通常よりも排気速度を
     大幅に向上させたポンプです。ケーシングと呼ばれる箱の内部にローターが入っており、ロータが高速回転することで
     気体を圧縮し、排出する原理です。

    ・ダイヤフラム型真空ポンプ
     ダイヤフラムの往復運動を利用して排気を行う真空ポンプです。
     油や液体を利用しない機械式真空ポンプで油蒸気などによる汚染がないクリーンな環境を要求される用途に向いているポンプです。

    ・ベーン型ドライ真空ポンプ
     ベーン型ドライ真空ポンプはローターが回転することによって、遠心力でベーンが外側にスライドする仕組みです。ベーンとローター
     シリンダーで囲まれている空間は、ローターが回転することによって吸気する隙間から吸引されたガスを圧縮し排気口から排出する仕組みです。

    ドライ真空ポンプの用途について
    ・吸着、輸送
     物流倉庫で重量物、製造ラインで完成品、繊細なものを運ぶときなどに用いられます。
     搬送対象ワークに吸着パッドを当て真空固定することで容易にピックアップ、搬送が可能です。

    ・加工、成形
     プラスチック製品の成形にも用いられています。
     型に原材料を吸着させるときに真空状態にすることで、ガスや水分などの不純物を除去、成形品の焼け焦げ、空洞を防止します。

    ・包装
     小売店で販売されている多くの包装食品にも用いられています。食品は空気に触れることで酸化が始まり、徐々に劣化します。
     そこで脱泡、真空状態にして包装することで食品の賞味、消費期限を担保しています。

    ・漏れ検査
     燃料タンクや配管の漏れを調査する方法は様々ありますが、ドライ真空ポンプでは漏れの有無だけでなく漏れ量の測定ができるため
     漏れている箇所の穴の大きさなどまで分かるような高精度な検査が可能です。

  • 真空ポンプ導入価格について

    ドライ真空ポンプの価格は5万円程度から製品としてはありますが、約15万円~30万円程度が多くなっています。
    ドライ真空ポンプでも種類、用途それぞれ特徴があるため、使用工程や用途を具体的に整理して機種選定を行います。

  • 真空ポンプ選定ポイント、導入時の確認ポイントについて

    真空ポンプの選定ポイントは使用用途を明確にし、目的をしぼって機種を決めていきます。

    目的:吸着、吸引するために使いたい。
    ・気体を吸い込むために真空ポンプを検討する場合:揺動ピストン型ドライ真空ポンプ
    ・排気速度が大きなものを検討する場合:回転翼型ドライポンプ
    ・小型で騒音が静かなモノを検討する場合:ダイヤフラム型ドライ真空ポンプ
    ・製品を吸着して固定したり運んだりする場合:揺動ピストン型ドライ真空ポンプ、ダイヤフラム型ドライ真空ポンプ
    ・製品を吸着して固定して強力な吸引力を必要とする場合:スクロール型ドライ真空ポンプ

    必要な排気量と到達真空度、排気する気体の種類、使用用途、使用時間などにより選定しましょう。

  • 真空ポンプ導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて

    トラブル事例
    包装機のパウチ吸着工程でベーン型ドライ真空ポンプを使っているが、包装機を運転起動しても真空ポンプが動作せずパウチを吸着、供給しなくなった。

    原因①
    ローター内部でスライドするベーンが経年劣化で割れてしまい、ローター回転経路に噛み込んでしまった。
    原因②
    スライドするベーンは微量ずつ削れていき、削れた粉末が溜まってベーンがスライドしなくなった。

    対策①
    通常通りドライ真空ポンプを使用していてもベーンの割れや破損は発生するため、予備部品として保有、又は事前交換周期を決めて運用する。
    対策②
    ベーンの削れた粉末の掃除や、フィルターの掃除など定期的なメンテナンスを行い、予防保全活動を行い不具合の発生を防ぐ。 

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