category introduction
FOODTOWNアドバイザーが徹底解説!
食品工場に特化したFOODTOWN自動化専属アドバイザーが独自の視点で各製造⼯程や商品種別について徹底解説︕
説明だけでなく、導入時の確認すべき事項や選定ポイント。導入後のトラブル事例や事前対策ポイントなど現場で役立つ情報を掲載しています。
コンベアとは?
コンベアとはモノを運搬する装置のことです。食品製造現場では様々な工程、用途でコンベアが使われていますが、そのほとんどはコンベア単体で使用して「ただ製品が乗って運ばれているだけ」という装置ではありません。
コンベアで製品を搬送しながらコンベア上で賞味期限印字の捺印を行ったり、賞味期限印字が正確に捺印できているか印字検査を行ったり、製品倉庫に搬送される途中で製品ごとに仕分けされたりなど、コンベア上では様々な工程が設けられています。
コンベアはシンプルな装置、設備が故にメンテナンスや管理が行き届いていない場合がありますが、充填機や包装機と同様、コンベアも生産設備としてメンテナンス計画に落とし込んで管理していかなければなりません。
ベルトコンベアは食品への異物混入のリスクがあります。
⇒重大なトラブルに繋がる危険性があることを十分に注意してください。白色のベルトだと、食品と異物を見分けるのが困難になり、食品と異物を見分けやすくするために、自然食品にはない青色のベルトを導入する企業様が増えています。
コンベアの種類、使用用途、トラブル事例について解説します。

-
コンベアの種類、原理、使用用途について
・ベルト式コンベア
コンベアフレームの両端にあるプーリー(ローラー)にコンベアベルトを貼り、その上に搬送物を載せて搬送するコンベアです。
コンベアベルトの種類はゴム、樹脂、スチールベルトなどがあります。
・チェーン式コンベア
エンドレスで動くチェーン上に直接搬送物を載せて運搬するコンベアです。パレットに製品が乗っている状態の重量物搬送や温度、密封性、カーブ、耐久性によってベルト式コンベアでは対応できない場合にチェーン式コンベアを使用するなどもあります。
-
コンベア選定ポイント、導入時の確認ポイントについて
コンベア選定時には以下のポイントを確認して検討を進めていきます。
1.搬送対象物の大きさ
コンベア幅の選定に影響するため、搬送したいものの大きさ(縦、横、高さ)を整理します。
2.搬送対象物の重さ
動力付きのコンベアの場合、駆動モーター容量に影響するため、搬送したいものの重量を把握します。
3.搬送対象物の形状、材質
搬送したいものはバラもの状態を搬送したいのか、粘性があるものかなどの特性を整理します。
4.搬送経路の長さ
前後の設備や既設コンベアとのレイアウト、位置関係など選定に影響します。
5.搬送経路の傾斜
搬送経路に傾斜がある場合、コンベアから零れ落ちないよう桟(さん)付きコンベアにするなどの仕様に影響します。
6.搬送ベルトの形状、材質
ベルトコンベア、チェーンコンベア、タイミングベルトコンベアにするかコンベア形状を選定します。 -
コンベア導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて
トラブル事例
コンベアのローラーベアリングが破損してしまい、運転不可状態になった。
該当コンベアの前で滞留が起きてしまうため、コンベア復旧までの間、製品ストック作業が発生した。
原因①
包装機や充填機などは保全計画を組み、計画的にメンテナンスを
行っていたが搬送コンベアまで網羅できていなかった。
原因②
搬送コンベアまで管理対象としていなかったことで、
予備部品も保有していないため復旧に時間がかかった。
対策①
搬送ライン、コンベアまでの全てを製造設備として保全計画に組み込んで管理対象とする。
対策②
搬送コンベアで使用しているモーター、ベアリング、ベルトなどは汎用品として共通予備部品として管理と検討する。 -
コンベア価格について
コンベア本体参考価格
平ベルト式コンベア:ベルト幅200㎜×コンベア長さ1m 約15万円~20万円
フリーローラコンベア:スチール製伸縮タイプ動力付き1.6m~4.0m 約60万円~80万円
動力なしコロコンベア:アルミ製、スチール製 約5万円~15万円
本体のみの参考価格で、設置工事費用(配線、アンカー打ち)が別途かかります。