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FOODTOWNアドバイザーが徹底解説!
食品工場に特化したFOODTOWN自動化専属アドバイザーが独自の視点で各製造⼯程や商品種別について徹底解説︕
説明だけでなく、導入時の確認すべき事項や選定ポイント。導入後のトラブル事例や事前対策ポイントなど現場で役立つ情報を掲載しています。
原料タンクとは?
飲料メーカーや食品工場で主に液体原料の保管や混合調合で使用されるタンクです。
別名サニタリー(衛生的)タンクとも呼ばれ、「洗浄しやすい、汚れが残りにくい」仕様のタンクです。
直接原料や製品に触れる接液部はステンレス仕様になっており、分解洗浄ができる、凹凸は極力排除されているなどといったサニタリー性を重視したつくりになっています。ステンレスにも下記のような特徴を持った種類があります。
<オーステナイト系>
18クロムー8ニッケルのSUS304が代表的です。オーステナイト系ステンレスは一般に延性および靭性に富み、深絞り、曲げ加工などの冷間加工性が良好で溶接性も優れています。さらに耐食性も優れ、低温、高温における性質も優秀です。腐食性に特化したSUS304L、耐食性に特化したSUS316も食品工場では多く採用されています。
<フェライト系>
代表的なものはSUS 430の18クロム系のステンレスです。フェライト系ステンレスは熱処理により硬化することがほとんどなく、焼なまし(軟質)状態で使用されます。
また、マルテンサイト系ステンレスより成形加工性および耐食性が優れており、溶接性も比較的良好であるため、一般耐食用として広く用いられています。
<マルテンサイト系>
代表的なものはSUS403、SUS410の13クロム系のステンレスです。マルテンサイト系ステンレスは、焼入れにより硬化するので、成分と熱処理条件を選ぶことにより広範囲の性質が得られます。棒鋼、平鋼の形状で使用されることが多く、高強度、耐食・耐熱性が必要な機械構造用部品、例えばブレード、ポンプ、シャフト、ノズルなどに使用されます。
原料タンクの中には原料を保管するだけでなく、調合、保温保冷、発酵、洗浄など様々な用途のタンクがあります。
原料タンクの種類、使用用途、選定ポイントについて解説していきます。

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原料タンクの種類、原理、使用用途について
原料タンクの種類と使用用途
ストレージタンク
貯蔵用として使用され温度保持ができます。貯蔵物が固形化しないよう攪拌羽が付属したタンクもあります。
ジャケットタンク
タンクが2層構造となっており、内部容器に原材料を入れ、その外側(内部容器と外部容器の間)に温水、冷水
蒸気を循環させることによって温調しながら原材料の混合が可能なタンクです。
エージングタンク
アイスや乳製品の製造工程の一つで品質を安定させるために一定時間、低温保持するエージング工程専用のタンクで殺菌やエージングを行う密閉型のタンクです。
殺菌タンクや発酵タンク、それぞれの用途に応じたタンクの選定が必要です。 -
原料タンク選定ポイント、導入時の確認ポイントについて
食品工場で使用する原料タンクでの保管物は、当然食品製造に使用する原材料ということになります。
食品製造現場では少量多品種生産にも対応しており、品種切替など掃除をすることが日常的に発生します。
掃除をする際には水を使用することになります。原料タンクは制作する材質、サニタリー性、強度に注意して選定することが重要です。
・タンク材質
食品製造現場では品種切替が発生し、水での洗浄を行うことが多く発生します。使用する材質はステンレスを使用し、洗浄しても錆びないことは必須条件となります。一般的な鉄鋼よりも耐腐食性が高いことも特徴です。
Stein(汚れ、キズ)Less(少ない、ない)という意味からステンレスという名前になっています。
・サニタリー性
医療用や食品用などに多く使われる、衛生的な状態を保てること(サニタリー性)を重視したタンクです。
CIP洗浄(Cleaning in Place:定置洗浄)やSIP洗浄(Sterilizing in Place:定置殺菌)仕様のタンク設計のモノや汚れが堆積しにくいように底面に丸みを持たせた仕様など洗浄しやすいことが重要です。
・タンク強度
タンクを製作している材質にも大きく起因しますが、液体や粉体など食品製造の原料となる重量物を投入していく、さらには品種切替の都度温水洗浄を行うといった使用環境から耐久性は重要な要素です。
タンクが破損してしまうと、異物混入リスクが非常に高い工程になりますのでリスク排除の意味でも原料タンクの強度を持たせた仕様にすることが重要です。 -
原料タンク導入後のトラブル事例と事前対策ポイントについて
トラブル事例
原料タンク、ホッパー製作時にサイズの確認は行っていたが、原料を投入してみるとブリッジ現象が頻発するブリッジ現象とは、原料の水分や摩擦による固着が発生し、タンクから原料がスムーズに流れていかない現象の事。
原 因
タンク製作時に投入する原料と投入量の情報をもとにタンクサイズを決め、排出機能を確認していなかった。
対 策
タンクで投入し、その後の生産流れを再現した形での装置製作を行う。
原料タンクの使用用途として原料の保管ではなく、必要量を適時送っていくという役割もあるため用途を整理する。 -
原料タンク価格について
原料タンクといっても、大小さまざまなサイズがあり、ジャケット循環仕様の2重層や洗浄仕様になっているなど使用環境や工程により異なります。
小さいサイズでステンレス仕様であれば約30~50万円から購入できますが、製造ラインの混合工程で使用する規模の原料タンクとなれば1基数万円といった価格帯にもなります。
使用する工程と仕様を検討しながら最適な原料タンクを構想していくことが重要です。
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